昨日のYahoo!ニュースに掲載された、田辺ユウキさんによるコラムを興味深く感じています。
2026年に入り、世界的なキーワードとして注目されている「2016年」。当時のファッションやメイク、カルチャーを再現したり、写真を投稿したりするリバイバルブームが広がり、TikTokでは「#2016」をつけた投稿が流行。Instagramでも10年前を振り返るインフルエンサーらの投稿が目立つ。
(中略)
そんな2016年を代表する曲が「PPAP」。時代の記憶を呼び覚ますノスタルジーの象徴であり、現在活躍中のアイドルグループのメンバーをはじめ、今の若者たちにとっても子どものときを懐かしむ共通言語と言える存在だ。そのためピコ太郎とアイドルたちのコラボも自然に受け入れられ、高い再生数に繋がっていると見られる。
ピコ太郎「PPAP」は2016年11月9日公開分のビルボードジャパンソングチャートを制覇。フィジカルセールス指標未加算での首位獲得は当時異例でした。そのビルボードジャパンでは2016年度年間チャートで6位、翌年には8位を記録したほか、米ビルボードによる週間ソングチャートでも100位以内にランクイン。後者における日本人歌手のランクインは(当時)26年ぶりの出来事となります。
実はこの"2016年ムーブメント"、昨年終盤から既に始まっていた模様です。そしてそれが世界規模に及んでいることを、音楽チャートから実感できます。
TikTokで2016年トレンドが大流行、10年前の文化が再び脚光
— Forbes JAPAN (@forbesjapan) 2026年1月22日
#SNS/ソーシャルメディア #TikTok #ポケモンGO #リアーナ #ビヨンセ #Z世代 https://t.co/P6W8gYnfSh
2016年のムーブメントについては、Forbes JAPANが先月解説記事を掲載。その中で、『2016年のヒット曲のいくつかが人気を取り戻して』いるとして、ザラ・ラーソン「Lush Life」を採り上げています。
2016年ムーブメントを代表するヒット曲が、スウェーデン出身のザラ・ラーソンによる「Lush Life」。2015年6月にリリースされた同曲はその年以上に翌年海外チャートで上位進出を果たし、イギリスでは2016年度に6位を記録しています。この曲が、最新1月31日付の米ビルボードによるグローバルソングチャートにてGlobal 200で11→8位、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では10→7位と推移しているのです。
This week's top 10 on the Global 200 (chart dated Jan. 31, 2026).
— billboard charts (@billboardcharts) 2026年1月27日
Details: https://t.co/P3MlS2qqr9 pic.twitter.com/eDqBpTGuIV
This week's top 10 on the Global Excl. U.S. chart (dated Jan. 31, 2026).
— billboard charts (@billboardcharts) 2026年1月27日
Details: https://t.co/P3MlS2qqr9 pic.twitter.com/Npvvvc4qMo
注目したいのは、ザラ・ラーソン「Lush Life」のグローバルソングチャートにおけるランクイン状況。Global 200では先月、そしてGlobal Excl. U.S.では昨年11月に200位以内初登場を果たしていました(前者はこちら、後者はこちらのエントリーで紹介)。昨年終盤のチャートではクリスマス関連曲が大挙エントリーしており、その中でのチャートインは2016年ムーブメントが昨年終盤から台頭してきたことを示すに十分かもしれません。
この「Lush Life」は最新1月31日付米ビルボードソングチャートでも同曲最高となる40位を記録していますが、このチャートでは当週37位にフェティ・ワップ「Trap Queen」が再登場を果たしています。2014年にリリース、2015年5月16日付にて最高位となる2位を記録しており2016年を代表する曲とはいえないかもしれませんが、TikTokではこの曲の使用動画で"#2016"が同時に記載されていることが少なくないようです。
米ソングチャートでトップ40内に2016年ムーブメント関連曲が複数登場、さらにふたつのグローバルチャートでザラ・ラーソン「Lush Life」がトップ10入りという状況から、2016年ムーブメントがより広く伝わってきていることが解ります。先程紹介したForbes JAPANによる記事に先駆けて、ELLEでも記事が登場しています。
いまSNSを席巻しているキーワードが、「2026 is the new 2016」。Z世代を中心に広がるこのバイラルトレンドはいったい何を意味する? なぜ今、2016年が再び注目されているのか、その背景を深掘り。https://t.co/iTGRxlNaFn
— ELLEgirl / エル ガール (@ellegirl_jp) 2026年1月17日
おそらくは日本のメディアからも、このムーブメントに関する報道や特集が増えていくことでしょう。ならば、日本の音楽業界は当時のリリース曲をリバイバルヒットに導くべく動くことが必要ではと考えます。
なお2016年ムーブメントのきっかけとなったTikTokですが、米では気掛かりな動きがみられます。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事が、TikTokがドナルド・トランプ大統領を批判する投稿を「検閲」しているとの疑惑について、州として正式調査を開始すると発表した。TikTokの米国事業がトランプ寄りとされる投資家グループに売却された直後から、米国ユーザーの間で「新規投稿が再生ゼロになる」「政治関連の動画が表示されない」といった不具合報告が相次いでいた。
本日付noteでも言及しましたが(https://t.co/Y4HiFO4Jil参照)、米TikTokは運営母体が変わった直後から不可解な問題が発生しています。いや、不可解というよりは”米政権に偏った”というほうが正しいでしょう。このような状況に強い違和感を抱きます。 https://t.co/4tOrjDOKJz
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2026年1月27日
上記ポストの引用にて登場する"Epstein"は、エプスタインファイルの"エプスタイン"を指します。ともすれば米でTikTokのユーザーが減少し、それがトレンドの変化にもつながるかもしれません。TikTokの動向には注視が必要です。