昨日開催された日本レコード大賞にて、Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」が大賞を受賞しました。
Mrs. GREEN APPLEが「日本レコード大賞」受賞!
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) 2025年12月30日
3年連続受賞の快挙達成🍏https://t.co/KVsI034gQF#日本レコード大賞 #MrsGREENAPPLE pic.twitter.com/ndwVtDPx6a
Mrs. GREEN APPLE『#ダーリン』が
— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) 2025年12月30日
「第67回 輝く!日本レコード大賞」にて#日本レコード大賞 を受賞しました🏆
楽曲に出逢ってくれた皆さま、
本当にありがとうございます🕯️🪽
▼ダーリンhttps://t.co/1oNmMa1TFG#フェーズ2完結 までラスト1日。
2026年1月1日からの #フェーズ3 も… pic.twitter.com/3qhAwOWAIe
また最優秀新人賞はHANAが受賞しています。
HANA「日本レコード大賞」最優秀新人賞🌹
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) 2025年12月30日
ちゃんみなやHONEYsに感謝https://t.co/dD65K0GNib#HANA #日本レコード大賞 pic.twitter.com/lTnrB4sCud
2025.12.30
— HANA (@HANA__BRAVE) 2025年12月30日
TBS系「第67回輝く!日本レコード大賞」
HANA
最優秀新人賞受賞🌹#日本レコード大賞 @TBS_awards
'Blue Jeans' Music Video🩵💙https://t.co/uNo0Daa96j #HANA #BlueJeans pic.twitter.com/aetoKXasWX
まずはこちらの受賞結果を振り返ります。
日本レコード大賞は近年、ストリーミングヒットを大賞に選出する傾向が高まっています。そして受賞曲は、複合指標から成る楽曲チャートの中でストリーミングヒットを最も大きく可視化しているといえるビルボードジャパン年間ソングチャートでも、上位にランクインしています。
(なお、複合指標から成る楽曲チャートについては複合指標から成るソングチャートの2025年度年間動向を比較し、最も信頼できるチャートを記す(12月23日付)にて比較、検討しています。)

今年の大賞を受賞したMrs. GREEN APPLE「ダーリン」は2025年度ビルボードジャパン年間ソングチャートで2位に。最高位が昨年の受賞曲「ライラック」であること、またMrs. GREEN APPLEがトップアーティストチャート(ソングチャートとアルバムチャートの合算)で他の歌手を圧倒していたことも踏まえれば、受賞は納得度が高いといえます。
【ビルボード 2025年 年間総合ソング・チャート“Hot 100”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年12月4日
1位 Mrs. GREEN APPLE
2位 Mrs. GREEN APPLE
3位 ロゼ & ブルーノ・マーズ
4位 米津玄師
5位 Mrs. GREEN APPLE
6位 HANA
7位 サカナクション
8位 Mrs. GREEN APPLE
9位 Mrs. GREEN APPLE
10位 米津玄師 pic.twitter.com/d97feDHCsK
【ビルボード 2025年 年間アーティスト・チャート“Artist 100”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年12月4日
1位 Mrs. GREEN APPLE
2位 back number
3位 米津玄師
4位 Vaundy
5位 HANA
6位 Snow Man
7位 Official髭男dism
8位 藤井 風
9位 YOASOBI
10位 ちゃんみな pic.twitter.com/EVBK1MSDH5
そして最優秀新人賞を受賞したHANAは、ビルボードジャパン年間ソングチャートにて「ROSE」を6位に、(番組内で披露した)「Blue Jeans」を13位に送り込んだのみならず、トップアーティストチャートでは5位にランクインし、新人として他を圧倒しています。アルバムリリース前でのこの順位ゆえ、同賞受賞は納得度が高いといえるでしょう。なおビルボードジャパン年間チャートについては下記エントリーにて分析しています。
チャート動向を踏まえて音楽賞の結果に対する納得度を測るのは違うかもしれませんが、ビルボードジャパンの音楽チャートはストリーミング人気を可視化したこと、また2017年度以降はフィジカルセールスの指標化時に減算処理を行うようになったことで、社会的ヒットを示す鑑という側面が強まっています。2024年最終週にてアルバムチャートにストリーミング指標を加え、"聴かれ続ける"作品や歌手をより可視化しています。
さて、今回の音楽賞で決まったふたつの部門には納得度が高いと述べましたが、他方で問題点は少なくありません。
たとえばHANA「ROSE」や「Blue Jeans」がヒットしたにもかかわらず日本レコード大賞候補に含まれておらず重複ノミネートができにくいこと、9月にリリースされた米津玄師「IRIS OUT」(ビルボードジャパン年間ソングチャートでは登場10週で年間4位に登場)が入っていないこと、SHOW-WAとMATSURIがそれぞれではなくユニットとして最優秀新人賞候補に入ったこと等、先月述べた違和感については結局拭えないままです。
さらに日本レコード大賞ではアルバム部門がきちんと用意されていません。今年は藤井風『Prema』を特別アルバム賞として選出していますが、昨日の放送ではVTRの紹介だけでほぼ終わっています。アルバムに対する扱いが楽曲に比べて著しく軽いと痛感した次第です。
そして、音楽賞における根本的な問題については、毎年大晦日に述べています。
【審査委員の構成における著しい偏り】やそれに伴う【透明性の低さ】、【対象期間等の曖昧さ】【アルバム部門の廃止】等に代表される音楽賞そのものの歪さ、そしてどんなに安住紳一郎アナウンサーが巧い方だとして大賞発表者として起用することや、日本レコード大賞のX公式アカウントが"@TBS_awards"であるという【TBS色の強さ】も含め、日本レコード大賞自体はほぼ何ら変わっていないと断言していいでしょう。
厳しい物言いは以前から提案しながら状況が好転しなかったゆえの使用でしたが、今年においても改善はみられなかったというのが自分の見方です。
・(追記あり) 改善がみられない日本レコード大賞への疑問と、「Bling-Bang-Bang-Born」が大賞を逃したことへの私見(2024年12月31日付)より
結果的に今年も、大賞のプレゼンターはTBS安住紳一郎アナウンサーが務めています。安定感等に長けているとして、しかしTBS色の強さは今年も拭えませんでした。また審査委員に関しても疑問は解決しないままです。
<第67回日本レコード大賞 審査委員21名の顔ぶれ>
委員長
・富澤一誠 (評論家)
副委員長
・安藤篤人 (東京新聞)
委員
・飯島太郎 (RKB毎日放送)
・石井健 (産経新聞)
・小枝功一 (スポーツニッポン)
・小菅昭彦 (時事通信)
・近藤正規 (東京中日スポーツ)
・櫻井学 (読売新聞)
・島﨑勝良 (東京スポーツ)
・高橋誠司 (報知新聞)
・玉井哲 (音楽評論家)
・土田剛 (TBC東北放送)
・堤篤史 (日本経済新聞)
・野畑圭司 (デイリースポーツ)
・河彗琳 (毎日新聞)
・細井麻郎 (CBC)
・山下伸基 (サンケイスポーツ)
・横山彗 (日刊スポーツ)
(以上 敬称略)
※ 昨年からの変更点
・前年副委員長を担当した中本裕己(夕刊フジ)の名はなく、夕刊フジ自体も委員を輩出せず
・委員ではスポーツニッポン、TBC東北放送、日刊スポーツ、日本経済新聞、毎日新聞および読売新聞の担当者が交代
・玉井哲氏(音楽評論家)が新たに参加
名前から察するにジェンダーバランスを著しく欠くと思しき構成は、米グラミー賞が近年意識的に(ジェンダー以外も含めた)バランスの改善を行っているのとは大きく異なります。また副委員長のポストが2→1となりましたが、重要なポジションならば2枠で据え置くことはなかったのでしょうか。そして、音楽評論家の玉井哲さんについて調べたものの、現時点にて過去の評論に辿り着けていません。
(なお玉井哲さんは、かつてサンケイスポーツにて文化報道部の部長を務められていた模様です。ミュージック倶楽部に新MCが!! | 沢田正人オフィシャルブログ「薔薇色の日々〜Lovely days〜」(2022年5月13日付)にてその旨を確認できます。)
審査委員の顔ぶれ同様、対象期間等についても番組冒頭VTRにて説明がありました。『2024年10月以降に発表された全ての音楽ソフトが対象』となるほか、『それ以前の発表であっても年度内に顕著な実績を挙げた作品』も含まれるとのことですが、『』内においては前者がテロップ表示された一方で後者はアナウンサーによる読み上げ(テロップなし)にとどまっています。
(なおそのVTRが明けた直後、レコード大賞等について『現在最終審査中』との説明が発信されています。)
対象期間については明示されたといえるかもしれませんが、それでも違和感がなくなったということは今年もありませんでした。というよりも、日本レコード大賞は昨年とほぼ変わっていないというのが自分の見方です。
日本においては今年、新たな音楽賞であるMUSIC AWARDS JAPANが立ち上がりました。
来年開催の2回目も結果的に(主要部門発表の場となるGrand Ceremonyについては)NHK総合でのオンエアとなりますが、しかし音楽賞側のYouTubeチャンネルによる配信、また1回目において『ミュージックステーション』(テレビ朝日)の担当者を演出に迎え入れたこと等も含め、NHK色は強くなかったといえます。また、投票メンバー数(約5千名)や対象期間の明示、アルバムの主要部門入り等も日本レコード大賞と大きく異なります。
そのMUSIC AWARDS JAPANに対しては疑問点も少なくないのですが、とりわけ最優秀レコード賞がない点については、この部門の位置付けを『日本レコード大賞に譲ることで新設時にこの部門を用意しなかったのではないか』と捉えています(『』内は以下の引用リンク先より)。
個人的には、日本レコード大賞が自問自答し改善するということは望み薄と感じてはいます。MUSIC AWARDS JAPANが十分な視聴率を獲得できなかったのならば尚の事、旧来の音楽賞が胡座をかくかもしれません。MUSIC AWARDS JAPANには主要部門の見直し、そして最優秀レコード賞の新設を願いますが、主要部門を今後も変えないのならば日本レコード大賞と両立し、そして好い形で旧来からの賞を刺激することが必要でしょう。
先の推測が当たっているかは解りかねますが、しかしながら引用部分で願っていたふたつの賞の切磋琢磨については期待薄というのが、昨日の放送を踏まえての私見です。
関東地区のビデオリサーチ調べによる平均世帯視聴率は、昨年の日本レコード大賞が第1部7.7%(17時30以降)および第2部11.2%(19時以降)に対しMUSIC AWARDS JAPANは第1部6.1%(19時半以降)および第2部4.9%(22時以降)となっており、日本レコード大賞が勝っています。この結果も踏まえれば、日本レコード大賞がMUSIC AWARDS JAPANを意に介すことはあまりなく、ゆえに音楽賞の中身や演出等も変えなかったのかもしれません。
ただし現在ではリアルタイム視聴率のみならず見逃し配信、またMUSIC AWARDS JAPANの場合はYouTubeの再生回数等も視野に入れることが重要です(テレビ番組人気を測るための複合指標から成るチャートの創設が必要と考えます)。仮に日本レコード大賞側がリアルタイム視聴率の獲得を最優先事項に据え、音楽賞の中身を変えなかったとしたならば、放送局側の保身という側面も賞に影響しているではと、厳しくも感じています。
MUSIC AWARDS JAPANは国際賞という位置付けゆえか(上記音楽ナタリーの記事にて野村達矢さんが『国内に存在する音楽賞との違い』について回答していることが記載されています)、新設賞が日本レコード大賞とは比較できないかもしれません。しかしMUSIC AWARDS JAPANが成功裏に終わるならば、日本レコード大賞は自省と自浄を行わなければ説得力はますます下がるでしょう。
※ 上記における『音楽ナタリーの記事』とは、国内外の音楽人5000人が選ぶ音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」発足 - 音楽ナタリー(2024年10月22日付)を指します。
日本レコード大賞について振り返った昨年のエントリーでは、最後に上記内容を記しています。MUSIC AWARDS JAPANと日本レコード大賞が今後も両立していくならば、MUSIC AWARDS JAPANが成功を収め、また人気や認知度も高めることで旧来からの賞を自発的に変えるよう促す、もっと解りやすくいえば"焦らせる"ことが必要でしょう。両者の関係性はオリコンに対するビルボードジャパンと同種のものかもしれません。