イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】米ソングチャートはテイラー・スウィフトが4連覇、ケラーニがキャリア初のトップ10入り

(※追記(11月4日7時35分):ブログエントリー公開後に米ビルボードがグローバルチャート速報記事を公開したことに伴い、翻訳版を追記しています。)

(※追記(11月4日19時54分):Global 200における日本の楽曲動向を追記しています。)

(※追記(11月8日3時59分):テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」のダウンロード指標増加等に関し。記載漏れがありました。つきましては文章を追加しています。心よりお詫び申し上げます。)

 

 

 

現地時間の11月3日月曜に発表された、最新11月8日付米ビルボードソングチャート(集計期間:10月24~30日)。テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」が初登場から4連覇を達成しています。

テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」はストリーミングが前週比13%ダウンの2910万(同指標通算4週目の首位)、ダウンロードが同236%アップの22,000(同指標通算3週目の首位)、ラジオが同10%アップの5450万(同指標5位)を記録しています。

「The Fate Of Ophelia」の首位キープの背景には、同曲における”Alone In My Tower Acoustic Version"のデジタルダウンロード解禁が挙げられます。このバージョンは東部標準時における10月28日火曜16時30分から10月30日23時59分(当週の集計期間最終時)までの限定でリリースされています。

(なお、新バージョンを収録したCDシングル(インストゥルメンタルバージョン付)、およびオリジナルバージョンを収録したCDシングル(インストゥルメンタルバージョン付)については、10月30日深夜から10月31日午後にかけてテイラー・スウィフトの公式ストアで予約販売が行われていました。これらのCDは発送され次第、チャートに影響を与えることとなります。)

 

テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」は自身13曲目の首位獲得作品にして、同曲はキャリア4番目タイとなる長期首位を獲得しています。また今回の首位獲得に伴いテイラーの通算首位獲得週数は40となり、ブルーノ・マーズを上回り単独8位に上昇しています。

<米ビルボードソングチャート 歴代首位獲得週数記録>

97週 マライア・キャリー

60週 リアーナ

59週 ザ・ビートルズ

56週 ドレイク

50週 ボーイズIIメン

47週 アッシャー

46週 ビヨンセ

40週 テイラー・スウィフト

39週 ブルーノ・マーズ

37週 マイケル・ジャクソン

 

ビヨンセについてはデスティニーズ・チャイルド時代の17週は含まれていません。またマイケル・ジャクソンにおいてはジャクソン5時代の10週は含まれていません。

 

テイラー・スウィフトは4週以上の首位獲得曲が5作品目となり、歴代5位タイの記録を達成。最長は「Anti-Hero」の8週(2022年11月5日付以降)となり、以下「Blank Space」(2014年11月29日付以降 7週)、「The Fate Of Ophelia」(2025年10月18日付以降 4週)、「Cruel Summer」(2023年10月28日付以降 4週)、「Shake It Off」(2014年9月6日付以降 4週)となります。

<米ビルボードソングチャート 4週以上首位獲得曲保持者>

 

・7曲 マライア・キャリー (通算19曲首位)

・7曲 リアーナ (14)

・6曲 ビヨンセ (9)

・6曲 アッシャー (9)

・5曲 ザ・ビートルズ (20)

・5曲 ドレイク (13)

・5曲 ブルーノ・マーズ (9)

・5曲 ケイティ・ペリー (9)

・5曲 テイラー・スウィフト (13)

 

テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』収録曲の「The Fate Of Ophelia」は、共に初登場から4週連続で首位を獲得。『The Life Of A Showgirl』はアルバムチャート初登場時、史上最多の週間ユニット数(400万2千ユニット)を記録しています。

『The Life Of A Showgirl』そして「The Fate Of Ophelia」はアルバム/ソングチャート共に首位初登場を果たした17作品/曲目となり、うちテイラー・スウィフトは2020年8月の『Folklore』「Cardigan」以降7回目の記録達成。これまでの16作品/曲において共に2連覇を果たしたのはわずか2例のみで、いずれもテイラーに因るものでした(『Midnights』「Anti-Hero」(2022)および『The Tortured Poets Department』「Fortnight (feat. ポスト・マローン)」(2024)。『The Life Of A Showgirl』および「The Fate Of Ophelia」は共に首位初登場以降4連覇を達成した初の事例となっています。

『The Life Of A Showgirl』収録曲はアルバムチャート初登場時においてソングチャート12位までを占め、以降8曲、4曲と推移。登場4週目となる当週は「The Fate Of Ophelia」(1位)に加えて「Opalite」(4位/最高2位)、「Elizabeth Taylor」(8位/最高3位)の3曲がトップ10内にランクインしています。

 

ケラーニ「Folded」が14→7位に上昇し、キャリア初のトップ10入り。ストリーミングは前週比35%アップの1300万、ダウンロードは同74%アップの3,000、ラジオは同11%アップの3290万を記録し、ストリーミング(28→10位)およびラジオ(11→8位)の2指標においてもキャリア初となるトップ10内エントリーを達成しています。

この上昇には、10月24日金曜に6曲のリミックスをコンパイルした『Homage Pack』のリリースが影響しています。リミックスにはトニ・ブラクストン、ブランディ、ジョジョ、マリオ、ニーヨおよびタンクが参加し、タンク参加版以外はすべて加算対象となっています(タンク参加版はケラーニのボーカルが他に比べて大幅に縮小されているため加算対象外に)。ただし同曲全体の獲得ポイントにおいてリミックス版がオリジナルバージョンを上回らなかったことから、チャート上におけるクレジットはケラーニ単独となっています。

カリフォルニア州オークランド出身のケラーニは、米ビルボードソングチャートに18曲がエントリーし、「Folded」以外に「Ring」(2018 最高28位(初登場時))およびカーディ・Bへの客演参加となる「Safe」(2025年10月 同26位(初登場時))がトップ40入り。初のチャートインは「Gangsta」(2016年8月)であり、キャリア初エントリーから初のトップ10ヒット輩出までに9年2ヶ月と2週を要しています。この記録はケイシー・マスグレイヴス(「Merry Go Round」(2012からザック・ブライアンに招かれた「I Remember Everything」(2023))までの10年8ヶ月と2週以来となる長期記録となります。

「Folded」は総合ソングチャートと集計方法を同一とするホットR&B/ヒップホップソングチャートおよびホットR&Bソングチャートを制しており、ケラーニにとって双方のチャートで初制覇を果たしています。

 

アレックス・ウォーレン「Ordinary」は3位をキープ。ラジオ指標は前週比1%ダウンの7850万を記録し、同指標通算20週目の首位を獲得。この指標で20週以上首位を獲得したのはシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」(2024年8月以降 27週)、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2020年4月以降 26週)に続き、「Ordinary」が3曲目となります。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週1位) テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」

2位 (2位) HUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」

3位 (3位) アレックス・ウォーレン「Ordinary」

4位 (4位) テイラー・スウィフト「Opalite」

5位 (8位) オリヴィア・ディーン「Man I Need」

6位 (7位) ジャスティン・ビーバー「Daisies」

7位 (14位) ケラーニ「Folded」

8位 (5位) テイラー・スウィフトElizabeth Taylor

9位 (9位) モーガン・ウォーレン「I Got Better」

10位 (10位) レオン・トーマスMutt

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。11月8日付ではGlobal 200、またGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.共に、HUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」が双方のチャートで通算14週目の首位に立っています。

HUNTR/X(ハントリックス)(イジェ、オードリー・ヌナ & レイ・アミ)「Golden」はGlobal 200にてストリーミングが前週比2%ダウンの1億2080万およびダウンロードが同8%ダウンの13,000、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比2%ダウンの9330万およびダウンロードが同10%ダウンの7,000を、それぞれ記録しています。

LE SSERAFIM feat. J-HOPE「SPAGHETTI」がGlobal 200で6位、Global Excl. U.S.では3位に初登場。集計期間初日となる10月24日にリリースされた同曲はGlobal 200にてストリーミング4840万およびダウンロード14,000、Global Excl. U.S.にてストリーミング4270万およびダウンロード9,000をそれぞれ記録しています。Global 200においてはLE SSERAFIMが初、J-HOPEにおいてはソロとして2曲目のトップ10入りとなり、J-HOPEはBTSメンバーのソロ曲としてジョングク(5曲)、JIMINおよびJIN(3曲)に続き、V(2曲)と並んだ形です。なおSUGAは1曲のトップ10ヒットを保有し、またBTSとしては11曲がトップ10入りを果たしています。またGlobal Excl. U.S.において、LE SSERAFIMは「Easy」(6位 2024)、「Perfect Night」(8位 2024)に続く3曲目のトップ10ヒットに。一方、J-HOPEはソロとして3曲目のトップ10ヒットに至り、ジョングク(7曲)、JIMIN(5曲)、JINおよびV(4曲)に続いています。なおSUGAは1曲保有しているほか、BTSとしては11曲がトップ10内にランクインしています。

 

日本の楽曲では米津玄師「IRIS OUT」がGlobal 200にて11→8位となり、4週ぶりとなるトップ10内返り咲き。一方、Global Excl. U.S.では4→6位に後退しています。

 

 

 

※追記(11月4日19時54分)

 

日本時間の11月4日夜、Global 200の全容が発表されました。日本の楽曲動向については、Xにて発信しています。