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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

オリヴィア・ディーン、レオン・トーマスがキャリア初の米ソングチャートトップ10入り…ケラーニが続くかに注目

最新11月1日付米ビルボードソングチャートではオリヴィア・ディーンそしてレオン・トーマスがキャリア初となるトップ10入りを果たしています(なおレオンにおいて、ソングライター/プロデューサーとしては4曲目となります)。

 

オリヴィア・ディーンおよびレオン・トーマスについては、以前このブログで採り上げています。

 

当週においてはテイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』が登場3週目にあたり、収録曲のトップ10ヒットが10→8→4曲に減少。このこともオリヴィア・ディーン「Man I Need」やレオン・トーマスMutt」に有効に作用したことは間違いないのですが、2曲ともストリーミングおよびラジオが前週から伸びていることに注目。また2026年度初週にあたる前週、リカレントルールが強化されたことも有利に作用しています。

2組のキャリア初トップ10入りに特に大きく貢献したといえるのがラジオ。オリヴィア・ディーン「Man I Need」は前週比36%アップ、またレオン・トーマスMutt」は既に5970万のインプレッション数を獲得。テイラー・スウィフト「The Fate Of Ophelia」はこの指標が前週比17%アップの4940万(同指標5位)となっており、「Man I Need」は伸び率で、「Mutt」はインプレッション数で「The Fate Of Ophelia」に勝った形です。ここからはラジオ指標の重要性もみえてくるのではないでしょうか。

 

 

さて、最新11月1日付米ビルボードソングチャートのトップ10予想(→こちら)を的中させたXアカウントのTalk of the Chartsは、次週11月8日付ソングチャートの初期予想としてケラーニ「Folded」のトップ10入りを挙げています。

6月リリースの「Folded」は、既にケラーニにとって米ビルボードソングチャートにおけるキャリア最高位を更新。この曲については音楽評論家の林剛さんが次のように解説しています。

そしてこの「Folded」では、新たな展開が行われたばかりです。

ケラーニ「Folded」のリミックス集は、ビルボードジャパンでも紹介されています。

ビルボードによる米やグローバルのソングチャートではオリジナルバージョンにリミックスが合算されるチャートポリシー(集計方法)を採用。「Folded」のリミックス集は次週11月8日付の集計期間初日となる10月24日にリリースされており、このこともケラーニにおけるキャリア初のトップ10入りに大きく貢献すると考えていいでしょう。なお、今回客演した6組はそれぞれ異なるアプローチで「Folded」に華を添えています。

 

ビルボードジャパンの記事では、7月末にリリースされたアコースティックバージョンの「(un)Folded」についても紹介されています。無論こちらもチャート施策の一環と呼べるものですが、余談ながら自分は毎月行う私的トップ10ソングス企画にて、このバージョンを(リリース翌月ながら)8月の首位に挙げています(2025年8月の私的トップ10ソングス、選びました(9月14日付)参照)。

 

 

リミックス(の多用)はチャート施策の一環ともいえますが、そのリミックスがたとえば曲の背景を深める等、音楽的な意義を持つならばきちんと支持されるものと考えます。そしてそのリミックスを介してオリジナルバージョンへの理解が深まる、もっといえばオリジナル版に気付くことができるならば好いのかもしれません。リミックス集登場を経て「Folded」がトップ10入りするか、注目です。