最新10月8日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:9月29日~10月5日)では米津玄師「IRIS OUT」が3連覇を達成、宇多田ヒカルさんとの「JANE DOE」も2位をキープしています。
【ビルボード】米津玄師「IRIS OUT」が3週連続となる総合首位、ねぐせ。が初のトップ10入り https://t.co/kXT92zDo1p
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年10月8日
最新のビルボードジャパンソングチャートでは米津玄師「IRIS OUT」が3週連続で2万ポイントを突破。ポイント前週比は73.7%と比較的大きく減少したものの、これは当週がフィジカルセールス指標加算2週目ゆえと考えられます(指標の基となるセールスは255,534→13,152枚と推移)。一方でストリーミング指標の基となる再生回数は28,733,082→26,300,207回再生(前週比91.5%)と推移しています(下記表参照)。

(前週トップ10内初登場曲の最新動向を紹介する”CHART insightからヒットを読む”カテゴリー(毎週土曜公開)のエントリーにて掲載するストリーミング表を上記に掲載します。)
先述した総合ソングチャートの記事にて、米津玄師「IRIS OUT」の累計ストリーミング再生回数が7898万に達したこと、そして次週は史上初となる登場4週目での1億回再生突破の可能性が紹介されています。この点はストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートの記事でも掲載されていますが、この”初動から多く聴かれ続けていること”が「IRIS OUT」の大ヒットにつながっていることは間違いありません。
次週の結果によっては、Billboard JAPANチャート史上最速(4週)でのストリーミング累計1億回再生突破も視野に入っている状況だ。なお、現在のストリーミング累計再生数1億回突破における最速記録の状況は下記の通り。
◎ストリーミング累計再生数1億回突破 最速記録
※カッコ内は突破週数
1位(5週) YOASOBI「アイドル」
2位(6週) Official髭男dism「Subtitle」、BTS「Butter」
4位(7週) LiSA「炎」、米津玄師「KICK BACK」、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」
【ビルボード】米津玄師「IRIS OUT」ストリーミング・ソング3連覇 ミセス「GOOD DAY」初登場5位 https://t.co/Y83HMA7oWH
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年10月8日
さらに、米津玄師「IRIS OUT」で興味深いのはカラオケ指標が4位に上昇している点。この指標はヒット曲でも上位に進出することが難しく、またリリースから間もなくトップ10入りすることもほぼないのですが、登場7週以内にストリーミング1億回再生を突破した曲と比べても「IRIS OUT」の上昇度が大きいことが、CHART insightから読み取れます。
<米津玄師「IRIS OUT」、および登場7週以内のストリーミング1億回再生突破曲
ビルボードジャパンソングチャートにおける初登場以降11週分のCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において100位まで表示
(CHART insight有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示。なお、ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
※ 2022年度以前はTwitter指標が存在したため、音源リリース前に総合ソングチャートで初登場することがありました。その場合、所有/接触指標初加算時からの11週分を掲載しています。
・米津玄師「IRIS OUT」(登場3週目におけるカラオケ指標 4位)
(上記は劇場版『チェンソーマン レゼ篇』オープニングムービー。)
・YOASOBI「アイドル」(登場3週目におけるカラオケ指標 9位)
・BTS「Butter」(登場3週目におけるカラオケ指標 300位未満)
・Official髭男dism「Subtitle」(登場3週目におけるカラオケ指標 74位)
・LiSA「炎」(登場3週目におけるカラオケ指標 8位)
・米津玄師「KICK BACK」(登場3週目におけるカラオケ指標 48位)
・Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」(登場3週目におけるカラオケ指標 300位未満)
(上記はテレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』とのコラボレーションミュージックビデオ。)
米津玄師「IRIS OUT」のヒットは米ビルボードによるグローバルチャートでも可視化され、最新10月11日付ではGlobal 200で5位、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では2位をキープ((追記あり)【海外ビルボード】HUNTR/X「Golden」が首位キープ、「JANE DOE」がGlobal Excl. U.S.でトップ10入り(10月7日付)参照)。「IRIS OUT」は日本の楽曲として、Global 200においてYOASOBI「アイドル」、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」に続く複数週でのトップ10入りを果たしています。
Global 200で複数週トップ10入りした日本の楽曲のうち、ビルボードジャパンによるストリーミング1億回再生の最速記録を保持するYOASOBI「アイドル」は登場3週目にてカラオケ指標がトップ10内に登場しています。そのタイミングにて、弊ブログでは以下の内容を記しています。
曲そのものへの接触のみならず、曲を用いた動画への支持や歌われる機会も急上昇。つまりYOASOBI「アイドル」は、ネットとリアル双方における"活用"という面で急激に浸透していることが解るのです。
YOASOBI「アイドル」はビルボードジャパンソングチャートの登場3週目にて、TikTok Weekly Top 20(このチャートは現在終了しています)、Top User Generated Songsチャートの双方で初の首位を獲得しています。そして米津玄師「IRIS OUT」も当週、後者のチャートを初めて制しているのです。なおTop User Generated Songsチャートは”歌ってみた”に代表されるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の人気を示すものとなります。
所有と接触、またネット(UGC等)とリアル(カラオケ等)の双方における”活用”での人気が、米津玄師「IRIS OUT」の人気を盤石にしたといえます。またミュージックビデオが映画「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」の場面を用いていることや、楽曲が映画の予告編でチェック可能だったことで映画ファン等には既に同曲が浸透し、いち早くカラオケで歌われたものと推測されます。この点は”渇望”の成果ともいえるでしょう。
総合ポイントが下がるとしても週間首位の座はしばらく明け渡さないであろう米津玄師「IRIS OUT」については、気が早いかもしれませんが2025年度のビルボードジャパン年間ソングチャートでどの位置に来るかが注目点と捉えています。
今年度上半期のソングチャートを制したMrs. GREEN APPLE「ライラック」は、下半期以降リカレントルールが適用されたことで週間獲得ポイントを大きく落とすも最終的に29万を上回ると予想されます。他方、米津玄師「IRIS OUT」は現時点で73,192ポイントを記録。ビルボードジャパンが今年度を52週と定義した場合は残り7週となりますが、「IRIS OUT」が週間2万ポイントで推移するならば年度内20万ポイント超えは確実となり、年間チャートでトップ10入りする可能性も十分考えられます。







