次週10月18日付の米ビルボードソングチャートは大きく変貌することが見込まれていますが、この数週における同チャートでは久しぶりに(上位に)エントリーを果たした歌手が複数存在します。
グラミー受賞バンド。ボーカルのダリアス・ラッカーはR&Bやカントリーでも活躍していますが、彼らのメジャーファーストアルバムにして特大ヒットとなった『Cracked Rear View』(1994)に収録され、ソングチャートでも最高10位を記録した「Hold My Hand」をスコッティ・マクリーリーが「Bottle Rockets」が引用。バンドが客演参加した同曲は9月27日付米ビルボードソングチャートで初めてトップ40入りしています。
Hootie & the Blowfish (@HootieTweets) land their first top 40 hit on the #Hot100 since 1996 as @ScottyMcCreery's "Bottle Rockets," featuring the band, climbs 46-38.
— billboard charts (@billboardcharts) 2025年9月25日
All seven of the group's Hot 100 hits have reached the top 40, including 1994's "Hold My Hand," which "Bottle…
スコッティ・マクリーリー「Bottle Rockets」では「Hold My Hand」のサビを用い、ダリアス・ラッカーが歌唱も担当しています。この曲のヒットによりフーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュは「Tucker's Town」(1996 38位)以来となるトップ40ヒットを獲得。最新10月11日付では同曲最高となる32位につけています。
今年開催されたアメリカン・ミュージック・アワードでアイコン賞を受賞し、近年はライブ活動も精力的なジャネット・ジャクソンは、10月4日付米ビルボードソングチャートにてカーディ・Bへの客演扱いとなった「Principal」が92位に初登場。ダディー・ヤンキーとの「Made For Now」(2018 88位)以来のチャートインとなり、1980年代以降5つのディケイドに渡って100位以内にランクインしたこととなります。
Thanks to her feature on @iamcardib's "Principal" (No. 92 this week), @JanetJackson returns to this week's #Hot100 chart for the first time since 2018 ("Made For Now" with Daddy Yankee; No. 88).
— billboard charts (@billboardcharts) 2025年10月1日
She's now charted in the '80s, '90s, '00s, '10s and, now, '20s.
She joins @cher and…
「Principal」が収録されたカーディ・B『Am I The Drama?』は10月4日付米ビルボードアルバムチャートで首位初登場。ストリーミングに強いアルバムは収録曲がソングチャートにもランクインする傾向にあり、今回の初登場もその性質をなぞった形です。言い換えればそのような形での初登場曲はアルバムの登場2週目にダウンすることも多く、実際「Principal」は翌週のチャートで100位未満に後退しています。
「Principal」はジャネット・ジャクソン「The Pleasure Principle (邦題:愛の法則)」(1987)を引用。ジャネットが歌い直しているわけではないようですが、客演参加という形が採られています。オリジナル版はジャネット3枚目のアルバムにして彼女を一躍スターダムにした『Control』(1986)に収録されており、それまでシングル化した5曲がトップ10入りしたのに比べて14位が最高ながら、カーディ・Bの着眼点は巧いといえます。
今回のエントリーにおいては、米ビルボードによるチャート専用Xアカウント(@billboardcharts)から発信されたポストが記載のきっかけとなっています。楽曲におけるサンプリング等は今では多く見られ、引用された曲がチャートインしたことでその曲、そして歌手が再び注目を集めることも少なくありません。音楽チャート管理者による発信は、その注目度を高めるという意味でも必要なことだと考えます。