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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

フーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュ、ジャネット・ジャクソン…直近のチャートにおける復帰について

次週10月18日付の米ビルボードソングチャートは大きく変貌することが見込まれていますが、この数週における同チャートでは久しぶりに(上位に)エントリーを果たした歌手が複数存在します。

 

 

フーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュ

グラミー受賞バンド。ボーカルのダリアス・ラッカーはR&Bやカントリーでも活躍していますが、彼らのメジャーファーストアルバムにして特大ヒットとなった『Cracked Rear View』(1994)に収録され、ソングチャートでも最高10位を記録した「Hold My Hand」をスコッティ・マクリーリーが「Bottle Rockets」が引用。バンドが客演参加した同曲は9月27日付米ビルボードソングチャートで初めてトップ40入りしています。

スコッティ・マクリーリー「Bottle Rockets」では「Hold My Hand」のサビを用い、ダリアス・ラッカーが歌唱も担当しています。この曲のヒットによりフーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュは「Tucker's Town」(1996 38位)以来となるトップ40ヒットを獲得。最新10月11日付では同曲最高となる32位につけています。

 

 

ジャネット・ジャクソン

今年開催されたアメリカン・ミュージック・アワードでアイコン賞を受賞し、近年はライブ活動も精力的なジャネット・ジャクソンは、10月4日付米ビルボードソングチャートにてカーディ・Bへの客演扱いとなった「Principal」が92位に初登場。ダディー・ヤンキーとの「Made For Now」(2018 88位)以来のチャートインとなり、1980年代以降5つのディケイドに渡って100位以内にランクインしたこととなります。

「Principal」が収録されたカーディ・B『Am I The Drama?』は10月4日付米ビルボードアルバムチャートで首位初登場。ストリーミングに強いアルバムは収録曲がソングチャートにもランクインする傾向にあり、今回の初登場もその性質をなぞった形です。言い換えればそのような形での初登場曲はアルバムの登場2週目にダウンすることも多く、実際「Principal」は翌週のチャートで100位未満に後退しています。

「Principal」はジャネット・ジャクソン「The Pleasure Principle (邦題:愛の法則)」(1987)を引用。ジャネットが歌い直しているわけではないようですが、客演参加という形が採られています。オリジナル版はジャネット3枚目のアルバムにして彼女を一躍スターダムにした『Control』(1986)に収録されており、それまでシングル化した5曲がトップ10入りしたのに比べて14位が最高ながら、カーディ・Bの着眼点は巧いといえます。

 

 

今回のエントリーにおいては、米ビルボードによるチャート専用Xアカウント(@billboardcharts)から発信されたポストが記載のきっかけとなっています。楽曲におけるサンプリング等は今では多く見られ、引用された曲がチャートインしたことでその曲、そして歌手が再び注目を集めることも少なくありません。音楽チャート管理者による発信は、その注目度を高めるという意味でも必要なことだと考えます。