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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『グラスハート』劇中バンドが現実のアルバムチャートを制覇…一方で気になる指標の存在について

最新のアルバムチャートで4位にランクインしているTENBLANK『Glass Heart』は、Netflixのドラマ『グラスハート』にて劇中に登場するバンドの作品。このアルバムは、前週8月27日公開分のビルボードジャパン総合ソングチャートで初の首位を獲得しています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

 

 

前週8月27日公開分における、ビルボードジャパンアルバムチャートの記事はこちら。

本チャートでは14位で初登場後、前々週4位、前週2位と、少しずつ順位を伸ばしていた。今回、CDセールス数やダウンロード数は前週から微減。一方、ストリーミングの順位では前週2位から当週1位に上昇した。

前週のチャートにおいて、TENBLANK『Glass Heart』はフィジカルセールス4,820枚を記録し同指標7位、ダウンロードは991DLとなり同指標6位に。今年度の週間チャートを制した作品の中では所有指標の数値が高いとは言い難いものの、ストリーミング指標の制覇が総合チャートでの首位獲得につながっています。さらにこの指標が引き続き好調に推移し、翌週は総合順位を大きく落としていない状況です。

 

 

TENBLANK『Glass Heart』のビルボードジャパンアルバムチャート制覇については、noteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦さんもYahoo! JAPANにコラムを寄稿しています。

そのコラムでも紹介されている「旋律と結晶」はアルバムから7月はじめに先行配信され、ビルボードジャパンソングチャートでは8月13日公開分で最高62位を記録。最新9月3日公開分では91位に入り、4週連続で100位以内に登場しています。

「旋律と結晶」は先行配信日を集計期間に含む7月9日公開分にてダウンロード指標が加点されたものの他指標が伴わず、総合100位以内初進出は動画再生指標初加算となる8月13日公開分となります。『グラスハート』のNetflix公開日は7月31日ですが、その日を集計期間に含む8月6日公開分では「旋律と結晶」は総合100位未満、アルバム『Glass Heart』も総合14位であり、口コミが上昇につながったと読み取れます。

 

 

今後は『グラスハート』が日本そして世界でヒットするか、そして『Glass Heart』ならびに「旋律と結晶」がロングヒットに至るかに注目です。一方で「旋律と結晶」においては、先述した動画再生指標の加点が8月13日公開分のみにとどまっていることが気になっています。

ミュージックビデオの公開日を踏まえれば、その日を集計期間に含む8月13日公開分のビルボードジャパンソングチャートで「旋律と結晶」に動画再生指標が加点されるのは理解できます。しかしその規模が大きくないこと、また加点が1週のみの状況から機会損失の可能性を実感。そこでミュージックビデオの公開元をみると佐藤健さんの公式チャンネルとなっており、ともすればこれが要因ではと捉えています。

 

ビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標は、ISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されている動画がカウント対象となります。そしてそのISRCを付番できるのは歌手やレコード会社等、音楽パートナーと位置付けられたYouTubeチャンネルのみとなります。それを踏まえ、佐藤健さんのYouTubeチャンネルは音楽パートナーではないのではと考えた次第です。

TENBLANK「旋律と結晶」の公式リリックビデオは、同曲の先行配信から程なくしてリリース元となるワーナーミュージックジャパンの公式YouTubeチャンネルからアップされています。先述したように『グラスハート』公開後の口コミでの評判が音楽チャートにも反映されたと考えれば、ドラマ公開後に公式リリックビデオの動画が人気を得たことで「旋律と結晶」に動画再生指標が加点されたと捉えていいのかもしれません。

 

 

尤もこれは仮説であり、佐藤健さんの公式YouTubeチャンネルが音楽パートナーと位置付けられているかもしれませんが、佐藤さん側が制作に大きく関わる『グラスハート』が世界でも人気を高めているのならば尚の事、「旋律と結晶」のみならず「永遠前夜」、そして今週公開された「Glass Heart」のミュージックビデオをワーナーミュージックジャパン等の音楽パートナーと位置付けられたチャンネルでも公開することを勧めます。

これによりビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標に(ISRC付番に漏れがなければ)反映されるのみならず、動画再生分がストリーミング指標に反映されるグローバルチャートでも有効となります。そしてチャートでの人気が知れ渡ればTENBLANK『Glass Heart』や収録曲のチャートアクションも安定化することでしょう。

 

 

最後は提案という形となりましたが、それでもTENBLANK『Glass Heart』がビルボードジャパンによるアルバムおよびソングチャートで結果を示していることを興味深く感じています。「Glass Heart」のコメント欄でみかけたのですが、TENBLANKとして『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)に出場する可能性も考えられるのではないでしょうか。