藤井風さんのサードアルバム『Prema』が本日リリースされます。米リパブリックレコード発となる今作は、米の標準リリース日に沿う形でそれぞれの国や地域における金曜午前0時に解禁されます。
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— Fujii Kaze Staff (@fujiikazestaff) 2025年9月3日
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ともすればこの『Prema』リリースに伴い、”日本人歌手の新作が金曜にリリースされる”ことを初めて知った方は少なくないかもしれません。しかしながらグローバルを見据えて動く歌手の金曜リリースはデフォルトに成りつつあります。XGのファーストフルアルバムが金曜リリースとアナウンスされたことも、ひとつの象徴でしょう。
XG
— XG OFFICIAL (@XGOfficial_) 2025年8月30日
1st Full Album
2026.01.23 Fri
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海外で金曜リリースが多い背景には、金曜が音楽チャートの集計開始日であることが影響しているといえます。たとえば米ビルボードによるグローバルチャート(Global 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.)は金曜が集計開始日であることについて、下記エントリーにて紹介しています。
しかしながら金曜リリースは、月曜を集計開始日とする日本の音楽チャートでは不利に成ると言わざるを得ません。『Prema』リリースを機に日本で”リリースの金曜標準化”として”音楽チャートの金曜集計開始”について議論されるようになることを願うべく、今回エントリーを記します。
海外からリリースする、または海外を視野に活動する日本の歌手による作品は金曜解禁が多いということを冒頭でお伝えしましたが、下記作品も同様です。
ONE OK ROCKは米フュエルド・バイ・ラーメンより、2月21日金曜に最新アルバム『Detox』をリリース。またBABYMETAL『METAL FORTH』は米ビルボードアルバムチャートで日本人のみによるグループでは初のトップ10入りを果たしていますが、同作は米キャピトルレコードより8月8日金曜に発売されています。
一方で、2作品のビルボードジャパンアルバムチャートにおける最高位はONE OK ROCK『DETOX』が2位(2月26日公開分)、BABYMETAL『METAL FORTH』が15位(8月13日公開分)となっています。


ONE OK ROCK『DETOX』が初登場を果たした週のビルボードジャパンアルバムチャートでは、Aぇ! group『D.N.A』が総合首位を獲得。同作品は現時点でもデジタル未解禁ながら初週20万強のフィジカルセールスに伴い最上位に就いていますが(下記参照)、仮に『DETOX』が初週フル加算されたならば総合順位の座は入れ替わっていたかもしれません。
そう書くと、ONE OK ROCK『DETOX』が上回ってほしかったのでは、もしくは日本に倣って水曜にリリースすべきと指摘(ともすれば揶揄)されかねませんが、そうではありません。日本を主軸とするリリースであったとしてもデジタル解禁している以上は海外リリースとほぼ同義であることから、金曜を標準リリース日、且つ音楽チャートの集計開始日にすることが必要だというのが根底にある考えです。
実際、K-POPを除く洋楽の存在感低下もまた音楽チャート集計開始日とリンクすると捉え、以前このような提案を記しています。
<日本の音楽作品のフィジカルリリースを金曜にすべきと考える理由>
・① (K-POPを除く)洋楽が日本の作品と同時リリースされ、洋楽人気が高まる可能性がある
・② 日本とグローバル双方のチャートで施策をまとめることができ、上位進出が狙える
・③ ビルボードジャパンがグローバルチャートに集計方法を沿わせ、音楽業界を刺激する
・④ 週末のリリースにより、フィジカル取扱店舗の来客増加を見込める
・⑤ レンタル解禁日をずらし、フィジカルセールス初週売上を高めることができる
上記エントリーではフィジカルセールスの金曜リリース標準化をタイトルに据えているものの、デジタルにおいても同様であり、そしてビルボードジャパンやオリコンに対する集計開始日の変更提案でもあります。特に②においては、提案が叶うことでグローバルに挑む日本の歌手の”(施策面での)どっちつかず”を解消することができるようになるでしょう。
② 日本とグローバル双方のチャートで施策をまとめることができ、上位進出が狙える
(一部省略)
日本では月曜のデジタルリリースが近年増えていますが、これはビルボードジャパンソングチャートをはじめとする日本のチャートで月曜集計開始が一般的であり、初週1週間フル加算に伴い上位進出を狙えるため。他方、海外のチャートは金曜集計開始が大半です。デジタルリリースは海外リリースとほぼイコールであるため、日本と海外の双方で初週の上位進出を狙う際には異なる施策を組まざるを得ないというのが現状です。
海外市場は日本の数十倍あること等を踏まえれば、日本の音楽作品も金曜にリリースすべきと考えます。しかし日本のチャートでの好成績を逃しかねないという懸念から踏み出せない歌手は多いことでしょう。ならば、ビルボードジャパンが金曜を集計期間初日に設定すれば事態は大きく改善すると考えます。
・”洋楽が聴かれない”問題解決にも有効…日本の音楽作品のフィジカル金曜リリースを提案する(2024年6月4日付)より
日本の音楽業界が水曜のフィジカルリリースを、日本の音楽チャート管理者が月曜の集計開始日を設定した背景を自問自答することを願います。オリコンが強大な影響力を持っていた時代の名残が月曜集計開始、そして初週セールスがより大きく反映される形での水曜フィジカルリリース(および火曜のフラゲ可能)に未だ残っているのではないかと捉えています。
しかしデジタル時代にあって、フィジカルはコアファン向けグッズ的な位置付けに成りつつあります。そして歌手側がグローバルを意識していないとしても、デジタルリリースはグローバルでのそれとほぼ同義です。であるならば、ドメスティックな視野になっていないか、ドメスティックにこだわっていないかを己に問いかけ、視野を拡げていくことが大事ではないでしょうか。業界全体が議論を始めることを、心から願います。