イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

LUNA CHEE(ルナチー)のCM登場に伴い、LUNA SEA「ROSIER」は音楽チャートでどう推移したか

マクドナルドが9月2日までの期間限定で発売している商品のCMに、LUNA SEA「ROSIER」(1994)を基にした曲が用いられています。

CMはLUNA SEAが1994年にリリースした楽曲「ROSIER」のミュージックビデオをオマージュした映像に。LUNA CHEEは本家のMVさながらの世界観で商品の魅力をロックに表現する。CM楽曲には、ものまねタレント・たむたむによる「ROSIER」の替え歌が使用されている。

ミュージックビデオを再現した映像、たむたむさんによるRYUICHIさん(河村隆一さん)のモノマネが話題となり、8月19日のX上ではLUNA CHEE(ルナチー)の話題が尽きなかったと記憶しています。実際、YouTubeではミュージックビデオのコメント欄にCM経由で書き込む方が多数いらっしゃいます。

 

では、LUNA SEA「ROSIER」は音楽チャートでどう推移したでしょう。

 

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

ビルボードジャパンソングチャート、直近11週分のCHART insightをみるとLUNA SEA「ROSIER」は最新8月27日公開分(集計期間:8月18~24日)において動画再生指標(赤で表示)が44位、ダウンロード指標(紫)が92位となり、いずれも前週(300位未満)から上昇し加点対象に。またラジオ指標(黄緑)は100位未満ながら、こちらも加点されています。

一方で、「ROSIER」においてはフィジカルセールス、ストリーミングおよびカラオケ指標が加点されていません。特に青で表示されるストリーミング指標はロングヒットの要となるものですが、300位に達していない状況です。

LUNA SEA側はマクドナルドのポストを引用する形で、ミュージックビデオ視聴のみならずストリーミング聴取の訴求も連日行っていました(上記ポスト等参照)。『サブスクはこちら』をタップ(クリック)するとiTunes Storeのダウンロードリンクも登場するため、このリンクを機に購入した方もいらっしゃるでしょう。一方でストリーミング300位に満たなかったことを、個人的には興味深く感じています。

 

 

さて、最新8月27日公開分ビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標では、50以内に平成中期までの作品が多数ランクインしています。

RIP SLYME「熱帯夜」 (2007 動画再生指標4位)

ORANGE RANGEイケナイ太陽」 (2007 動画再生指標8位)

米米CLUB「君がいるだけで」(1992 動画再生指標35位)

・ドリーミング「アンパンマンたいそう」(1993 動画再生指標39位)

米米CLUB浪漫飛行」(1990 動画再生指標50位)

 

RIP SLYME「熱帯夜」、米米CLUB「君がいるだけで」「浪漫飛行」はTHE FIRST TAKEでの披露が動画再生指標に影響しています。ビルボードジャパンではアレンジの異なるバージョンは基本的に合算されないものの、動画再生指標では動画に付番されたISRC(国際標準レコーディングコード)が同一ならば合算されます。なお弊ブログでは、合算が標準であるグローバルチャート等も踏まえ、ビルボードジャパンに合算を提案しています。

(ちなみに、THE FIRST TAKEでは和田光司「Butter-Fly」(1999)のANISAMA FRIENDSによるカバー映像が今月公開され、8月27日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは同歌手の名義にて動画再生指標46位に登場しています。)

またドリーミング「アンパンマンたいそう」については以前このブログにて紹介していますが(ドリーミング「アンパンマンたいそう」のチャート動向から、紅白披露も有り得るのではと考える(7月21日付)参照)、LUNA SEA「ROSIER」を含むいずれの曲も、最新8月27日公開分ビルボードジャパンソングチャートではストリーミング指標が300位以内に入っていません。

最新ソングチャートでストリーミング指標を唯一獲得したのはORANGE RANGEイケナイ太陽」。この曲も7月18日にTHE FIRST TAKEで披露され、また7月頭には最新版のミュージックビデオも公開。特に後者の公開を機に、同曲はストリーミング指標100位以内に到達しています。

無論、動画公開や今夏の地上波長時間音楽特番に3本登場したこと等も「イケナイ太陽」やORANGE RANGE自体の人気につながっていますが、同曲は既に6月18日公開分にてストリーミング指標が300位以内にランクインしていたことがCHART insightから解ります。

ストリーミングやラジオは一昨年や昨年夏に加点対象となる300位以内に入り、またカラオケでは2021年5月末以降常時加点されていましたが、新たな動画の公開が同曲のニーズを増幅させた形です。

ORANGE RANGEイケナイ太陽」のヒットについて紹介した先月のエントリーで触れた内容は、同曲が再浮上する”下地”の存在を指摘していると言えるかもしれません。

 

最新8月27日公開分のビルボードジャパンソングチャートで動画再生指標が再度加点されたRIP SLYME「熱帯夜」、米米CLUB「君がいるだけで」そしてLUNA SEA「ROSIER」はその前週に構成6指標すべて未加点となっていました。そのことが総合ソングチャートでの100位以内登場や、特に総合チャートに大きな影響を与えるストリーミング指標の加点につながらなかったのではと捉えています。

 

 

なおCHART insightでは、総合ソングチャートの構成6指標には含まれないものの”歌ってみた”に代表されるUGC(ユーザー生成コンテンツ)のグラフが付加されています(順位はTop User Generated Songsチャートでのそれを指します)。RIP SLYME「熱帯夜」では前週から2週続けてUGCが100位未満ながら加点対象となり、LUNA SEA「ROSIER」においては当週加点が復活しています。

UGC動画を観た方が元曲の公式動画を視聴したり、そしてサブスクを聴取する可能性を踏まえれば、接触指標群に影響が及ぶ可能性は小さくないというのが私見です。ともすれば駆け込みでマクドナルドの期間限定商品を購入するLUNA SEAファンも少なくないと思われるため、コアファンの方々を主体に購入等の動画に「ROSIER」を添えて公開すれば、次週以降のストリーミング指標加点につながるのではないでしょうか。