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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』関連曲の音楽チャート動向と、日本における未加算の指標について

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』の人気がとどまることを知りません。

日本時間の今週月曜、Netflix映画における歴代最高視聴数を記録したことが発表された『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、8月23~24日にシンガロング(シングアロング)上映を米映画館で行い、興行成績ランキングでも首位を獲得。Netflixの公開から時間が経過し、且つ興行成績ランキングは8月22日からの3日間が対象ながら、2日のみの上映だった『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』が勝ったのです。

 

そして映画の勢いは、世界の音楽チャートにも表れています。

ビルボードによる最新8月30日付の米およびグローバルのソングチャートについては今週火曜付のエントリーで紹介していますが、米では『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』関連がサウンドトラック作品として初となる4曲同時トップ10入りを達成。またグローバルチャートのうちGlobal 200ではトップ10内の半数を占め、こちらもサウンドトラックでは初となります。

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(上記画像は共に、米ビルボードによるチャート専用Xアカウントより(上はこちら、下はこちら)。)

さらに注目すべきは、米およびグローバルチャートで(Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.でも)首位に立った、イジェ、オードリー・ヌナおよびレイ・アミが歌唱キャストを務めるHUNTR/X(ハントリックス)「Golden」が、米ソングチャートのラジオ指標で初のトップ50入りを果たしたということ。保守的ともいえるラジオ指標での上位進出は今後のロングヒット、そしてK-POP全体の人気拡大を予感させるに十分です。

 

 

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の人気は、遅ればせながら日本にも渡ってきています。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。また、以下に紹介するCHART insightも同様に、有料会員が確認可能なものとなります。)

HUNTR/X「Golden」は最新8月27日公開分ビルボードジャパンソングチャートで31→25位に上昇。ストリーミング再生回数およびポイントは前週から共に14%以上アップしています。「Golden」については総合ソングチャート、そしてストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャートの記事でも言及されており、勢いの大きさが見て取れます。

ソングチャートでは「Golden」以外の100位以内エントリーはないものの、『Kpop Demon Hunters』サウンドトラックは8月27日公開分ビルボードジャパンアルバムチャートにおいて4週連続でストリーミング指標が4位に。そして総合では過去最高の4位につけています。

 

 

日本の音楽チャートにおいて、HUNTR/X「Golden」以外の総合ソングチャート100位以内エントリー、そして「Golden」のトップ10入りが今後の注目点と捉えています。そのためには映画の認知度上昇もさることながら、未だ加点されていない動画再生指標についてレコード会社等が問題解消に取り組むことが必要です。実はその動画再生指標において、気になることが生まれています。

 

 

HUNTR/X「Golden」の強さにおいて、”歌ってみた”に代表されるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の人気が影響していることについては『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』関連曲の日本での人気拡大、そして米アルバムチャート制覇の可能性について(8月16日付等)にて紹介しています。そのUGC人気を示すTop User Generated Songsチャートの最新8月27日公開分にて、オリジナル版が1位から100位未満に急落しています。

そのTop User Generated Songsチャートにて新たな首位を獲得したのが、歌唱キャストの異なるHUNTR/X名義の「Golden」タガログ語バージョンです。

タガログ語とはフィリピンの言語のひとつですが、こちらのバージョンが日本で人気を獲得しているのみならず、オリジナルバージョンで獲得できていない動画再生指標が加算されていることを興味深く感じています(同指標はCHART insightにて赤で表示)。

 

『Kpop Demon Hunters』サウンドトラックはリパブリックレコードからリリースされています(同レコード会社からは藤井風『Prema』が次週リリース)。日本ではユニバーサルミュージックが担当していると思われるため、レコード会社による動画再生指標加点問題の解決は音楽チャートの面においても必須でしょう。ビルボードジャパン側の動画再生指標再調査も願いつつ、レコード会社の取組を希望します。

 

 

なお、ビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標は、動画にISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されているものがカウント対象となり、音楽パートナーと位置付けられているチャンネルのみが付番可能です。Netflix、また先程紹介した公式リリックビデオの発信元であるSony Pictures AnimationのYouTubeチャンネルが音楽パートナーとみなされないならば、音楽パートナーアカウントの早急な用意等が必要でしょう。

また、ビルボードジャパンソングチャートは米ビルボードによる米やグローバルのそれとは異なり、言語の違いのみを除くバージョンはオリジナル版に合算されません。しかし、たとえばTHE FIRST TAKEにおいては(音源リリースされていない限り)動画再生分がオリジナル版に合算されるという矛盾を孕んでいます。日本の音楽作品の海外展開をスムーズにする意味でも、日本側のチャートポリシー(集計方法)見直しは必要と考えます。