最強のファンダムはどの歌手かを投票で競う米ビルボードのイベント、『Which artist's fan army is the strongest?』については以前このブログで採り上げました。そして決勝では、フィリピン出身の男性ダンスボーカルグループであるSB19がセレーナ・ゴメスを破り、3連覇を果たしています。
It's official! @SB19Official's #ATIN are the winners of #BBFanArmy2025 🏆
— billboard (@billboard) 2025年8月19日
This marks the third year in a row the fandom has taken the top spot in the competition. SB19's A'TIN now tie T-ara’s Queens for the most Billboard Fan Army Face-Off wins of all time (3). pic.twitter.com/07QQ71OppJ
今回の企画の最終結果、そして64組のファンダムが競ったトーナメント表は下記リンク先に記載されています。
SB19は1回戦でテイト・マクレーに82.7%対17.3%、2回戦でアリアナ・グランデに88.6%対11.4%、3回戦ではポスト・マローンに81.6%対18.4%といずれも大差で勝利。準々決勝ではシャブージーに76.5%対23.5%、準決勝ではサブリナ・カーペンターに67.8%対32.2%と、3回戦までの大差とはならずも強さを発揮してきたSB19は、決勝でセレーナ・ゴメス相手に60.1%対39.9%となり優勝しています。
これによりSB19は2023年以降3連覇を達成していますが、この企画での勝者はすべてアジア勢となっています(未開催の2019年および2021年を除き、BIGBANG(2014)、T-ARA(2015-2017)、SUPER JUNIOR(2018、2020)、Stray Kids(2022)およびSB19(2023-2025)が優勝)。SB19は米ソングチャート100位以内エントリーの実績がないこともあり尚の事、ファンダムの熱量が結集したことの成果と呼べるでしょう。
SB19が米ソングチャート100位以内エントリーの実績を持ち合わせていないことについては、一方で今回の対戦相手すべてが米ソングチャートを制していることも含め、最終結果記事にて紹介されています。それゆえ、以前この企画を採り上げた際に記した内容がやはり大事に成るものと考え、以下に再掲します。
大事なことは今回のイベントを機にファンダムの結束力を高めるのみならず、イベントでの好成績を如何にしてファンダム以外に伝え、その上で歌手への注目度を高めるかではないでしょうか。米ビルボードにおいてはライト層への浸透がソングチャート、アルバムチャート共にストリーミング指標に表れ、ロングヒットの礎となります。特にSB19において、イベントを経てストリーミングの増強につなげていけるかに注目です。
さて、上記引用部分での指摘は出身国や地域の区別なく、熱量の高いファンダムに対し当てはまるものと考えます。
弊ブログでは毎週土曜にビルボードジャパンソングチャートで前週初めてトップ10入りした曲の当週動向を紹介していますが(上記リンク先参照)、ファンダムが多く、また熱量の高い歌手の作品の大半はトップ10内初ランクインの翌週に大きく後退しています。たとえばフィジカルセールスの加算2週目には同指標が大きく下がり、ファンダムの熱量が反映されにくくなるため、ライト層からの支持を集めることが重要となります。
そんな中、当週はほぼファンダムの熱量にて総合100位以内に復帰したと言える曲が存在します。

(上記CHART insightは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています(ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています)。)
7m!n「JOY!」は2週前に総合8位に初登場するも、翌週はフィジカルセールス指標300位未満となり加点されず、また他指標はこれまで一度も加点対象となっていないために総合ソングチャートでいわば未記録の状態となっていました。当週はフィジカルセールス12,594枚を記録したことで総合91位に再浮上していますが、3週目のチャート動向からは2週目のフィジカルセールスが7枚だったことが判明しています。
フィジカルセールス300位未満となった週はイベントが未開催だったこと、また未取り扱いのチェーンがみられることも2週目の急落要因とみられますが、それでもこの谷間の大きさを踏まえればファンダムとライト層とで熱量に乖離があることが想起されます。総合100位以内再登場は好いことですが、ファンダムの所有に頼らなければ維持できないともいえるでしょう。
米ビルボードの投票企画を制したSB19において、冒頭に貼付したポストへの反応の多さ(ブログエントリー執筆時点における8千以上のリポストや60万を超える表示数)からもファンダムの熱量がみえてきます。SB19においては来年の企画開催まで、7m!nにおいては次作のフィジカルシングルまでに、どれだけ実績を積み上げられるかが今後の鍵でしょう。そのためにはファンダムがライト層を拡大すべく動くことも必要かもしれません。