最新7月30日公開分(集計期間:7月21~27日)のビルボードジャパントップアーティストチャートは、Mrs. GREEN APPLEが5週連続で首位を獲得。昨日掲載したトップアーティストチャート”記事化”エントリーでも紹介しています。
(7月30日公開分ビルボードジャパントップアーティスト、総合10位までにおける指標構成を示したCHART insightを上記に。こちらは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。なお、ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)
Mrs. GREEN APPLEがデジタル指標群やカラオケにて首位をキープすることは自然と捉えています。他方、フィジカルセールス同様にヒットが持続しにくいラジオ指標で上位をキープし、もっといえば3週連続で首位を獲得していることに注目しています。
ビルボードジャパントップアーティストチャートのラジオ指標はソングチャートのみがカウント対象となります。プランテックによる全国主要ラジオ局のオンエアチャートに基づき、各放送局の聴取可能人口等を加味して算出されるこのラジオ指標において、Mrs. GREEN APPLEは「breakfast」「ダーリン」そして「Carrying Happiness」と立て続けに首位を獲得しているのです。
Mrs. GREEN APPLEによる「breakfast」から「ダーリン」へのラジオ指標首位リレーについては上記エントリーで紹介しています。そして「Carrying Happiness」の当週におけるラジオ指標制覇については、基となるプランテックのオンエアチャート記事から確認可能です。
2025年7月30日発表のラジオ・オンエア・チャート(集計期間:2025年7月21日~7月27日プランテック調べ)では、Mrs.GREEN APPLE「Carrying Happiness」が1位を獲得した。
(中略)
7月1日の配信リリースとともに開始されたオンエアは、緩やかに伸びていき同週6月30日~7月6日チャートで94位に初登場。翌週は発売週を迎えたベストアルバム「10」収録曲にオンエアが集まり圏外へとダウンするなか、今週25日に同イベント名を冠したデジタルアルバムが配信リリースを迎えたことで大きく再急伸。調査対象の74.2%のステーションでオンエアを獲得し、圏外から首位へと駆け上がった。
前々週に1位を獲得した「breakfast」(12位→36位)、前週1位の「ダーリン」(1位→153位)に続き、3週連続でチャートを制すこととなったミセス。夏ソングの定番曲「青と夏」(56位→47位)も更なる伸長が確認されており、新旧様々な楽曲で広くラジオオンエアを獲得し続けている。
※ 記事にて『今週25日に同イベント名を冠したデジタルアルバムが配信リリース』とありますが、このデジタルアルバムは『サマー・クールオフat Tokyo Disney Resort』を指すものと思われます。同作品についてはサマー・クールオフat Tokyo Disney Resort[デジタル配信] - 東京ディズニーリゾート - UNIVERSAL MUSIC JAPANをご参照ください。
「Carrying Happiness」の首位到達について、施策に基づくものかどうかを記事から察することはできかねます。同曲は「breakfast」や「ダーリン」とは異なり『10』収録曲ではないため、ラジオ局側がMrs. GREEN APPLEのライブ(7月26~27日の『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD~』)開催も踏まえて自発的にオンエアしたのかもしれませんが、結果的には異なる曲で3連覇を果たした形です。
しかしながら気になるのは、前週施策に伴いラジオオンエアチャートを制した「ダーリン」が当週大きくダウンしているということ。ビルボードジャパンソングチャートのラジオ指標でも1位から100位未満(300位圏内)に大きく後退したことで、同曲はポイント前週比65.9%、総合4→18位と比較的大きく後退しています。これは施策の反動と呼んでも差し支えないでしょう。
安定しにくいラジオ指標で人気を獲得するよりも、ストリーミング等他指標へ勢いを波及させていくことがより重要と考えます。加えて、たとえば7月30日にカムチャツカ半島付近で発生した巨大地震に伴う津波警報発令によりラジオ局が編成を変える等、緊急時には施策実施者の想定よりもオンエア回数が減ることが稀だとしても発生します。それを踏まえれば尚の事、施策に頼りすぎず、他指標へリーチさせることが必要でしょう。
まずは次週、「Carrying Happiness」のラジオ指標における動向を注視する必要があります。それによりラジオ向け施策が行われたか、ある程度判断ができるものと捉えています。
