やなせたかしさん夫妻をモデルとしたNHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』が現在放送中ですが、ともすれば今年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 以下”紅白”と表記)ではテレビアニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ)関連曲が企画枠で披露されるのではと感じています。こちらのCHART insightをみれば、尚の事です。

(7月16日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおけるドリーミング「アンパンマンたいそう」の指標構成を示したCHART insightを上記に。こちらは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。なお、ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。また、後述するCHART insightは直近90週分を指します。)
ドリーミングによる「アンパンマンたいそう」は1993年よりアニメエンディングテーマに起用。元々はCHA-CHAが歌い、やなせたかしさんも作詞に参加されたこの曲はYouTubeにてドリーミングのバージョンが公開されています。
2023年3月に公開された動画は、ブログエントリー執筆段階で再生回数が7300万を突破。そしてビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標(CHART insightにて赤で表示)では2023年11月15日公開分で80位に初登場以降、現在までほぼすべての期間に渡り100位以内をキープしています。
「アンパンマンたいそう」は一方で、ストリーミングは解禁されながらも300位以内に入っておらず、これらの点からは保育園や幼稚園で映像を流しながら体操を行っているだろうことが見て取れます。なお動画公開から動画再生指標初加算までは間隔が空いているのですが、おそらくは公開からしばらくして動画再生指標のカウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されたのではないかと推測しています。

さて、ビルボードジャパンソングチャートではカラオケ指標(CHART insightでは緑で表示)にて大久保三郎「ラジオ体操 第1」がヒットを続けています。この指標がチャートに組み入れられたことでヒットが可視化された「ラジオ体操 第1」は、介護施設での利用のみならずコロナ禍での運動需要の上昇、そしてドラマ『コントが始まる』(2021 日本テレビ)における劇中コントでの使用がヒット規模の増幅や安定に寄与しています。
他方、ドリーミング「アンパンマンたいそう」においてはドラマ『あんぱん』の開始、またアニメ映画公開のタイミング等で伸びているわけではないものの、仮に今年の紅白でアンパンマン特集が組まれるならば、同曲のチャート動向に寄与するかもしれません。ドリーミングは2019年に寺田嘉代さんが亡くなった後、現在も千代さんがひとりで活動を続けており、ドリーミングが紅白でこの曲を披露する可能性はあると考えます。
ちなみに、グローバルチャートでは幼児向けコンテンツがヒットを続けています。
韓国のスマートスタディー社が展開する幼児向け教育コンテンツ、ピンクフォンによる「Baby Shark」については(追記あり) これから日本でも人気になるかもしれない「Baby Shark」、その日本語カバーへの疑問(2020年1月26日付)でも紹介しています。当時は上記動画が44億回再生と紹介しましたが、このエントリー執筆時には160億回を突破。また「Baby Shark」は2019年度米ビルボード年間ソングチャートで75位を記録しています。
幼児や子ども向けコンテンツでK-POPに触れることで、米国民のK-POPへの親しみは高まるもの思われます。また「Baby Shark」は米のみならずグローバルでも人気であり、2020年秋に発足した米ビルボードのGlobal 200では2021年度以降年間チャートで48位、52位、89位そして147位を記録し、長期的な人気を誇っていることが解ります。
"Baby Shark" is the #351 most streamed song in Apple Music history. pic.twitter.com/rham6Wk9wS
— chart data (@chartdata) 2025年7月2日
Apple Musicが開設10周年を記念して今月公開した、グローバルでの歴代再生回数上位500曲ランキングでは「Baby Shark」が351位にランクインしており、同曲そして韓国コンテンツの世界人気を感じるに十分です(なおApple Musicのランキングについてはこちらで紹介しています)。
日本からもそのような曲が生まれる可能性はゼロではないというのが、自分の見方です。