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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「Plazma」「BEYOND THE TIME」…『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』関連曲のチャート動向を確認する

最新6月25日公開分(集計期間:6月16~22日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週首位に返り咲いた米津玄師「Plazma」が10位に後退。フィジカルセールス加算2週目につきダウン幅の大きさがが予想された同曲ですが、当週はトップ10内にとどまっています。

総合ソングチャートの記事はこちら。

 

米津玄師「Plazma」は前週フィジカルセールスが初加算されたタイミングで動画再生やラジオ指標も上昇。特に動画再生ではライブパフォーマンス映像が新たに公開されたことも寄与していることについて、前週の分析時(米津玄師「Plazma」がソングチャートで首位に返り咲いた要因、および次週の注目ポイントについて(6月19日付))に紹介しています。

「Plazma」はストリーミング指標の基となる再生回数が前週比104.6%と上昇(上記ストリーミング表参照)、またダウンロード数も同103.1%(3,485→3,593DL)と増加しています。ダウンロードはテレビパフォーマンス等に刺激を受けやすいのですが、当週は集計期間中に放送されたテレビアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)』(日本テレビ)の話題が、オープニングテーマの「Plazma」にも影響したと思われます。

 

今回の集計期間中に放送された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第11話では映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)の主題歌である「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」(同年リリース)が起用され、大きな話題に。そして放送の翌日、同曲の"2025 Version"がデジタルリリースされています。

結果的に、TM NETWORK「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」は12,844DLを記録しダウンロード指標を制覇、総合でも38位に初登場を果たした形です。なおこのダウンロード数はオリジナルバージョンと2025年版の合算であることが、Hot Shot Songsチャートの記事からみえてきます。

1988年公開の映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主題歌であった「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」は、6月18日に放送されたTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の第11話の挿入歌としてサプライズ放送された。19日より“-2025 Version-” の配信もスタート。アニメの反響は新旧バージョンどちらにもしっかりとダウンロードに反映され、ダウンロード1位を記録した。

上記は6月18日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおけるTM NETWORK「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」のCHART insight。こちらは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。なお、ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。

ダウンロードのみならず動画再生指標が300位未満→61位に急伸したことも総合チャート初登場の要因となったTM NETWORK「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」ですが、ストリーミング指標は300位以内に達していません。強力なアニメソングはストリーミングが強い傾向にあり、この指標を同曲でも獲得できるかが今後の注目点となります。

 

ストリーミングのみならず総合チャートで勢いをキープするためには、新たな施策の提示が必要となるでしょう(そもそも「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」がアニメ放映から程なくして2025年版をリリースしたことも施策の一環といえます)。その点において、米津玄師さんはやはりチャートに意識的といえます。

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX 』最終回放送直後、米津玄師さんは「Plazma」のアニメコラボ映像を歌手側の公式YouTubeチャンネルで公開。歌手側での公開は動画再生指標の加算対象となり(カウント対象となるISRC(国際標準レコーディングコードが付番可能)、次週のチャートに合算されます。アニメの話題が最新週でのデジタル指標群上昇につながったと考えれば、同曲が次週もトップ10内をキープする可能性は十分です。