(※追記(7月1日7時18分):7月1日付エントリーにてこのエントリーの続報を掲載しています。つきましてはそのエントリーのリンクを巻末に掲載すると共に、今回のエントリーについてはタイトルを『2025年夏の地上波長時間音楽特番から出演歌手傾向およびテレビ局の動向を読む (途中経過版)』から『2025年夏の地上波長時間音楽特番から出演歌手傾向およびテレビ局の動向を読む (途中経過版 その1)』に変更しています。)
来月以降地上波で放送される地上波長時間音楽特番の出演者一覧を紹介し、出演歌手に関する傾向を分析します。
昨年夏および年末年始の状況については、下記エントリーをご参照ください。
今回対象としたのは、現時点で以下の6番組。リンク先は番組ホームページおよび音楽ナタリー掲載の最新記事となります(後者はNHK総合の番組を除く)。
<2025年夏の地上波長時間音楽特番 対象番組一覧>
・7月2日放送 『2025 FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ)
・7月5日放送 『THE MUSIC DAY 2025』(日本テレビ)
・7月9日放送 『テレ東音楽祭2025~夏~』(テレビ東京)
(上記記事掲載後、司会は田中瞳アナウンサー単独で行う形に変更されています。)
・7月18日放送 『ミュージックステーション SUPER SUMMER FES 2025』(テレビ朝日)
・7月19日放送 『音楽の日2025』(TBS)
・8月9日放送 『夏の音楽特番 (仮)』(NHK総合)
上記を踏まえた出演歌手一覧表はこちら。出演歌手のクレジットは音楽ナタリーの記事に準じています。
現時点で3番組以上への出演が決定しているのはINI、XG、SixTONES、NiziUおよびHANAの5組となります。
現時点で『テレ東音楽祭2025~夏~』やNHK総合の音楽特番については出演歌手がほぼ発表されていませんが、しかしいくつかの傾向が既にみえてきたと感じています。
まずはアイドルおよびダンスボーカルグループについて。全体的にこのジャンルに所属する歌手の出演が目立ちますが、勢力図自体も動いているという印象です。
女性歌手については音楽チャートを席巻するHANAが既に3番組に登場するほか、日本のバラエティ番組に初登場したばかりのXGも3番組出演を果たします。
HANAについては今年の『NHK紅白歌合戦』出場は確実と読んでいます。また上記エントリーを紹介したnote(→こちら)にていただいたコメントも踏まえるに、XGについても出場可能性は高いと捉えています。K-POP発のヒット曲が前年ほど多くない印象もあり、"X-POP"を標榜するXGが一枠を担うのではないでしょうか。
また、上記リンク先で紹介したKAWAII LAB.所属歌手についても、今夏の地上波長時間音楽特番での存在感が高まっています。「かわいいだけじゃだめですか?」がブレイクしたCUTIE STREETが2番組に出演するのを皮切りに、FRUITS ZIPPERおよびCANDY TUNEが1番組に登場することが決定しています。
男性歌手においてはINIおよびSixTONESが現時点で最多3番組に登場。STARTO ENTERTAINMENT所属歌手の出演も多いながら、上記表では緑で表示したSTARTO社以外に所属する男性アイドル/ダンスボーカルグループ(ソロ含む)の存在感も高まっていると感じています。「イイじゃん」が流行したM!LKは昨年末が1番組のみだったのに対し今夏は既に2番組への出演が決定。超特急についても、今年の夏は2番組に登場します。
前身事務所の創業者による事件の社会問題化を機にSTARTO ENTERTAINMENTの姿勢やメディアの対応が変わってきたことで、STARTO社所属歌手が他事務所所属の男性アイドル等と共演する機会は増えています。他方、STARTO社所属歌手と元STARTO社(旧ジャニーズ事務所)所属歌手との共演はまだ多くはないという印象でしたが、『2025 FNS歌謡祭 夏』では元SMAPの草彅剛さん、またTOBEから7月7日にデビューするCLASS SEVEN(元ジャニーズJr.の大東立樹さんが所属)が出演することもあり、状況の変化を感じています。
(なお『ミュージックステーション』では次回6月27日放送回でIMP.(旧ジャニーズ事務所時代にはIMPACTorsとして活動)が初登場を果たすほか、同番組では6月20日放送分にてINIの田島将吾さんが旧ジャニーズ事務所に所属していたことを発信しています。これらの点も、メディアにおける考え方が変化したことを感じるに十分というのが私見です。)
なお、先月末には読売テレビで『Daiwa House Special 音道楽EXPO』が放送。今回の長時間音楽特番一覧表では対象から外していますが、その今夏音楽特番で3番組出演が決まっているINIおよびNiziUがこの番組にも出演していました。
また『2025 FNS歌謡祭 夏』放送後にはこの番組の後夜祭という位置付けにて、『週刊ナイナイミュージック』が放送枠を10分拡大し生放送。この番組も今回の長時間音楽特番一覧表の対象外としていますが、含めた場合にはTravis Japanが3番組出演となります。
さて、今夏の地上波長時間音楽特番ではアイドル/ダンスボーカルグループ以外の歌手の出演は現時点で多くはありません。懐かしのヒット曲披露等の企画にて登場する歌手は少なくない一方、今年度上半期におけるビルボードジャパントップアーティストチャートで上位10組に入った歌手のうち今夏の地上波長時間音楽特番に出演が決定しているのは、Snow ManそしてMrs. GREEN APPLEのみとなっています。
【ビルボード 2025年 上半期アーティスト・チャート“Artist 100”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年6月5日
1位 Mrs. GREEN APPLE
2位 back number
3位 Vaundy
4位 米津玄師
5位 Official髭男dism
6位 YOASOBI
7位 あいみょん
8位 Creepy Nuts
9位 Snow Man
10位 ちゃんみな pic.twitter.com/yMZnbCwhon
Mrs. GREEN APPLEは昨年末の地上波長時間音楽特番においても出演本数最多を記録していますが、出演番組数の多さ、そして年明けのバラエティ番組出演が特に「ライラック」のブーストにつながった点については、ビルボードジャパンでもストリーミング53週連続トップ3入り…Mrs. GREEN APPLE「ライラック」の強さについて(5月11日付)でも紹介しています。
ビルボードジャパンにおけるMrs. GREEN APPLEの強さの理由については幾度となく分析していますが、作品の質の高さ、新曲の相次ぐリリース、リリース時のコンテンツカレンダー用意等施策の徹底、記録達成時の発信の徹底、そして音楽番組以外のメディア露出の多さにより、【お茶の間の歌手に成った】ことが大きいと捉えています。
Mrs. GREEN APPLEの強さは、多方面に積極的な姿勢の賜物といえます。今夏の地上波長時間音楽特番への出演はさらに続くものと思われますが、彼らの姿勢を踏襲する歌手が登場するかが個人的には気になるところです。
今回の地上波長時間音楽特番における出演歌手一覧については今後も追加アナウンスが出てくることから、後日最終版を掲載し分析を行います。
(※追記(7月1日7時18分):7月1日付エントリーにてこのエントリーの続報を掲載しています。つきましてはそのエントリーのリンクを以下に掲載します。)