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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】アレックス・ウォーレン「Ordinary」、グローバルに続き米ソングチャートも制覇

(※追記(6月3日19時43分):Global 200における日本の楽曲動向を追記しています。また、米ビルボードのチャート専用Xアカウントより米およびグローバルチャートのトップ10一覧画像付きポストがブログ執筆時点で投稿されていませんでしたが、その発信が行われたことを受け、エントリーに貼付しています。)

 

 

 

現地時間の6月2日月曜に発表された、最新6月7日付米ビルボードソングチャート(集計期間:5月23~29日)では、前週初登場で首位に立ったモーガン・ウォーレン feat. テイト・マクレー「What I Want」が2位に後退。アレックス・ウォーレン「Ordinary」がキャリア初となる首位を獲得しています。

「Ordinary」は米ビルボードソングチャート66年の歴史において1,181曲目の首位獲得作品に。アレックス・ウォーレンは昨年10月に「Burning Down」が最高69位を記録、また当週はジェリー・ロールとの「Bloodline」が32位に初登場を果たしています。

アレックス・ウォーレンは音楽に専念する前、TikTokのコンテンツクリエイターが頻繁にコラボするハイプ・ハウス(Hype House)でファンを増やし、2022年にアトランティックレコードと契約しています。

 

アレックス・ウォーレン「Ordinary」はストリーミングが前週比1%ダウンの2100万(同指標4位)、ダウンロードが同24%アップの8,000(同指標通算5週目の首位)、ラジオが同15%アップの4350万(同指標5位)を記録。アレックスは5月26日に行われたアメリカン・ミュージック・アワードにてこの曲を披露しています。

 

曲名に”Ordinary”が付く曲での首位獲得は、今回が初となります。

<米ビルボードソングチャート タイトルに”Ordinary”が付く曲のランクイン一覧>

・アレックス・ウォーレン「Ordinary」 1位 (2025)

デュラン・デュラン「Ordinary World」 3位 (1993)

ジョン・レジェンド「Ordinary People」 24位 (2005)

シャーデー「No Ordinary Love」 28位 (1993)

ヴァネッサ・カールトン「Ordinary Day」 30位 (2002)

・チャド・ブロック「Ordinary Life」 39位 (1999)

アリアナ・グランデ feat. ノンナ「Ordinary Things」 55位 (2024)

・ザ・ウィークエンド「Ordinary」 72位 (2016)

U2「Ordinary Love」 84位 (2014)

・ハンナ・モンタナ「Ordinary Girl」 91位 (2010)

 

アレックス・ウォーレン「Ordinary」は登場16週目にして首位に到達。2025年において初めて首位を獲得した曲は5曲目となり、「Ordinary」はレディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」(20週目)に次ぐ低スピードでの首位到達となります。なおケンドリック・ラマー & シザ「Luther」は13週目に首位を獲得した一方、モーガン・ウォーレン feat. テイト・マクレー「What I Want」およびトラヴィス・スコット「4X4」は共に初登場で首位に到達しています。

その年初めて首位を獲得した曲の、首位到達までの平均週数は2025年が10.2週となり、2020年以降では最長となっています(2020年以降は順に5.8週、3.5週、9週、8.9週および4.3週)。なお1991年後半にソングチャートがルミネイトによるデータを採用して以降、首位獲得曲の到達までのスピートは平均8.4週となります。

 

ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」は5位をキープ。ホットR&B/ヒップホップソングチャートおよびホットラップソングチャートでは共に23週目の首位を獲得しています。1958年10月に始まったホットR&B/ヒップホップソングチャートにおいてはケンドリック・ラマー「Not Like Us」(2024-2025 22週)を上回り、「Luther」が単独最長記録を達成。なおこのチャートではシザ「Kill Bill」が歴代3位を記録しています(2022-2023 21週)。

 

前週『I'm The Problem』がアルバムチャートを初登場で制し、収録曲のうち36曲が100位以内にランクイン、そしてトップ3を独占したモーガン・ウォーレンは、テイト・マクレーを迎えた「What I Want」が2位、「Just In Case」が3位、「I'm The Problem」が4位に、それぞれ1ランクずつ後退しています。

 

テディ・スウィムズ「Lose Control」が11→8位に上昇。トップ10入りが通算64週、および100位以内エントリーが通算93週となり、共に最長記録を更新しています。

(なお前週の記事にて、トップ10入りは通算63週と記載されています。米記事では当週が63週目とありますが、64週目と思われるためそのように翻訳しています。)

 

ベンソン・ブーン「Beautiful Things」が14→10位に浮上。100位以内エントリーは70週目となり、70週以上長期エントリーを果たした10作品目となります。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週2位) アレックス・ウォーレン「Ordinary」

2位 (1位) モーガン・ウォーレン feat. テイト・マクレー「What I Want」

3位 (2位) モーガン・ウォーレン「Just In Case」

4位 (3位) モーガン・ウォーレン「I'm The Problem」

5位 (5位) ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」

6位 (9位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

7位 (6位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

8位 (11位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

9位 (12位) ドレイク「Nokia

10位 (14位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。6月7日付ではアレックス・ウォーレン「Ordinary」がGlobal 200で5連覇、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では3連覇を達成しています。

アレックス・ウォーレン「Ordinary」はGlobal 200においてストリーミングが前週比1%アップの7010万およびダウンロードが同17%アップの13,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比1%アップの5090万およびダウンロードが同6%アップの5,000を、それぞれ記録しています。

 

Global 200ではソンバー「Back To Friends」が17→9位に上昇し、キャリア初のトップ10入りを達成。ストリーミングは前週比13%アップの3770万を記録しています。また「Undressed」は19→13位に上昇し、このチャートではじめて、また2番目にランクインした作品が同時にトップ20入りを果たした形です。なお2曲ともTikTokがブレイクの契機となっています。

 

モリー、サイレント・アディー、スキリベン & シェンシア「Shake It To The Max (Fly)」がGlobal Excl. U.S.で16→10位に上昇。ストリーミングは前週比21%アップの3120万、ダウンロードは同29%アップの1,000を記録しています。同曲は米ビルボードによるアフロビートソングチャートで4週目の首位を獲得しています。

 

 

 

※追記(6月3日19時43分)

 

日本時間の6月3日夜、Global 200の全容が発表されました。日本の楽曲動向については、Xにて発信しています。