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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】米は「Luther」13連覇、ふたつのグローバルチャートは「Ordinary」が首位に

(※追記(5月20日18時58分):Global 200における日本の楽曲動向を追記しています。)

 

 

 

現地時間の5月19日月曜に発表された、最新5月24日付米ビルボードソングチャート(集計期間:5月9~15日)では、ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」が13連覇を達成しています。

ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」はストリーミングが前週比5%ダウンの1830万(同指標2位)、ダウンロードが同13%ダウンの2,000(同指標記事未記載)、ラジオが同3%ダウンの6340万(同指標2位)を記録。「Luther」はケンドリック・ラマーにとって6曲目、シザにとっては3曲目の首位獲得作品であり、双方においてキャリア最長首位記録を更新しています。

「Luther」はホットR&B/ヒップホップソングチャートおよびホットラップソングチャートの双方を制し、共に21週目の首位に。1958年10月に始まったホットR&B/ヒップホップソングチャートにおいてはシザ「Kill Bill」(2022-2023 21週)に並び長期首位記録が歴代2位タイとなり、ケンドリック・ラマー「Not Like Us」(2024-2025 22週)に続いています。またホットラップソングチャートでは「Luther」が長期首位記録が歴代単独2位に。「Not Like Us」(26週)に5週差と迫っています。

 

ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」は主演歌手同士の共演曲において、首位獲得週数が歴代3位タイに。なおソロ歌手同士の共演且つ客演を伴わない場合、「Luther」はブランディ & モニカ「The Boy Is Mine」と並び最長首位獲得曲となります。

<米ビルボードソングチャート 主演歌手同士の共演曲における長期首位獲得記録>

(※常時デュオとして活動する歌手の作品を除く。)

 

・16週 ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017年5月27日付以降)

・16週 マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995年12月2日付以降)

・13週 ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」(2025年3月1日付以降)

・13週 ブランディ & モニカ「The Boy Is Mine」(1998年6月6日付以降)

・11週 パフ・ダディ & フェイス・エヴァンス (feat. 112)「I'll Be Missing You」(1997年6月14日付以降)

・9週 ダイアナ・ロスライオネル・リッチー「Endless Love」(1981年8月15日付以降)

・7週 ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021年8月14日付以降)

・7週 ポール・マッカートニースティーヴィー・ワンダー「Ebony And Ivory」(1982年5月15日付以降)

・6週 アッシャー & アリシア・キーズ「My Boo」(2004年10月30日付以降)

・6週 R. ケリー(R・ケリーと表記するメディアも) & セリーヌ・ディオン「I'm Your Angel」(1998年12月5日付以降)

・6週 ポール・マッカートニーマイケル・ジャクソン「Say Say Say」(1983年12月10日付以降)

また今回の首位獲得に伴い、「Luther」は米ビルボードソングチャートにおいて17曲目となる13週以上首位獲得曲に。10週以上の長期首位獲得曲リストは下記ページにて記事が用意されています。

 

テディ・スウィムズ「Lose Control」が7位をキープ。ソングチャート100位以内エントリーは通算91週となり、グラス・アニマルズ「Heat Waves」(2021-2022 91週)に並び最長エントリー記録を達成しています。この記録については別途記事が用意されています。

<米ビルボードソングチャート ラジオ指標 歴代最長エントリー記録>

 (※ 日付はピーク時。)

・91週 テディ・スウィムズ「Lose Control」(2024年3月30日付 1週1位)

・91週 グラス・アニマルズ「Heat Waves」(2022年3月12日付以降 5週1位)

・90週 ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2020年4月4日付以降 4週1位)

・87週 イマジン・ドラゴンズ「Radioactive」(2013年7月6日付 3位)

・79週 エイウォルネイション「Sail」(2013年10月12日付 17位)

・77週 デュア・リパ「Levitating」(2021年5月22日付 2位)

・76週 ジェイソン・ムラーズ「I'm Yours」(2008年9月20日付 6位)

・71週 マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(2019年12月21日付以降 18週1位)

・70週 シザ「Snooze」(2023年10月7日付 2位)

・69週 ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」(2021年5月8日付以降 2週1位)

・69週 リアン・ライムス「How Do I Live」(1997年12月13日付 2位)

・68週 ベンソン・ブーン「Beautiful Things」(2024年3月30日付 2位)

・68週 ワンリパブリック「Counting Stars」(2014年1月18日付 2位)

・68週 LMFAO feat. ローレン・ベネット & グーンロック「Party Rock Anthem」(2011年7月16日付以降 6週1位)

また「Lose Control」はトップ10内在籍が62週となり、歴代最長記録を更新しています。なお米ビルボードが1991年11月にルミネイトによるデータを採用して以降、ソングチャートにおける首位やトップ10内のエントリー週数は総じて長くなっています。

 

ドーチー「Anxiety」が9→10位に後退するも、ラジオ指標は前週比7%アップの6500万を記録し同指標2→1位に。ドーチーにとってはこの指標初制覇となります(これまでの最高位はコダック・ブラックをフィーチャーした「What It Is (Block Boy)」の5位(2023年11月))。

「Anxiety」は、2012年に6週ラジオ指標を制したゴティエ feat. キンブラ「Somebody That I Used To Know」を引用した作品。このように引用元および引用先の双方がラジオ指標を制した作品には他に、エド・シーラン「Shape Of You」(2017)とTLC「No Scrubs」(1999)(「Shape Of You」は「No Scrubs」の3名のソングライターを作曲欄のコライトとして掲載)、ラトー「Big Energy」(2023)と(同曲のリミックスでサンプリングした)マライア・キャリー「Fantasy」(1995)(共にトム・トム・クラブ「Genius Of Love」を使用)が挙げられます。なお「Somebody That I Used To Know」ではルイス・ボンファ「Seville」(1967)がサンプリングされています。

なお「Anxiety」はラジオ指標の基となるラジオソングチャートにおいて、登場8週目にして首位に到達。ポスト・マローン feat. モーガン・ウォーレン「I Had Some Help」が昨年7月に登場8週目にして同指標を制して以来となる最速記録となります。

 

アレックス・ウォーレン「Ordinary」が2位をキープ。ストリーミングは前週比1%アップの2170万、ダウンロードは同16%アップの7,000となり、2指標共に通算4週目の首位を獲得。またラジオは前週比26%アップの3090万を記録しています。

 

シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は4位をキープ。トップ5入りが通算45週目となり、自身の持つ歴代最長記録を更新しています。またホットカントリーソングチャートでは通算45週目の首位となり、ビービー・レクサ & フロリダ・ジョージア・ライン「Meant To Be」の通算50週(2017-2018)に次ぐ歴代2位の首位獲得記録となっています。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週1位) ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」

2位 (2位) アレックス・ウォーレン「Ordinary」

3位 (3位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

4位 (4位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

5位 (5位) ドレイク「Nokia

6位 (10位) モーガン・ウォーレン「I'm The Problem」

7位 (7位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

8位 (8位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

9位 (6位) チャペル・ローン「Pink Pony Club」

10位 (9位) ドーチー「Anxiety」 

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。5月24日付ではアレックス・ウォーレン「Ordinary」がGlobal 200で3連覇を達成、またGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では初の首位を獲得しています。

アレックス・ウォーレン「Ordinary」はGlobal 200においてストリーミングが前週比5%アップの6950万およびダウンロードが同6%アップの12,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比7%アップの4910万およびダウンロードが同2%アップの5,000を、それぞれ記録しています。

Global 200ではザ・ウィークエンド & プレイボーイ・カルティ(プレイボーイ・カーティと表記するメディアも有り)「Timeless」が28→10位に上昇。ストリーミングは前週比35%アップの3790万を記録しています。昨年10月に3位初登場を果たした(最高位も同様の)同曲は、今回の集計期間初日にドーチーが新たに参加したリミックス版がリリースされたことで上昇した形です(ただしドーチー参加版は「Timeless」獲得ポイント全体に占める割合がマジョリティではないため、チャート上ではクレジットされていません)。

 

 

 

※追記(5月20日18時58分)

 

日本時間の5月20日夜、Global 200の全容が発表されました。日本の楽曲動向については、Xにて発信しています。