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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Amazon Musicが週間ソングチャートを発表開始…他の主要サブスクサービスとの違いを探る

Amazon Musicが週間ソングチャートの発表を開始しました。

日曜が集計開始となるチャートは、毎週火曜に発表とのこと。下記記事に50位まで記載されていますが、このチャートの内容が興味深いのです。

 

Amazon Musicによる週間ソングチャート(Japan Top 50)を、このブログにて毎週土曜のエントリー(CHART insightからヒットを読む)に掲載している表に加えたストリーミング表を以下に掲載します。

この表にて週間ソングチャートを掲載するサブスクサービスはApple Music(ビルボードジャパンの主要チャートと同じく月曜集計開始)、Spotify(Apple Musicの3日前となる金曜集計開始)、LINE MUSIC(Apple Musicの2日後となる水曜集計開始)およびAmazon Music(Apple Musicの前日となる日曜集計開始)となります。今回Amazon Musicを加えたタイミングにて、4つのサブスクサービスの掲載を集計開始日順に変更しています。

 

Amazon Musicによる週間ソングチャートでもMrs. GREEN APPLEライラック」が首位を獲得している一方、開示された50位までにランクインしたMrs. GREEN APPLEの作品は9位までの4曲にとどまっています。この点から、リカレントルール用意の可能性はゼロではないのではとふと感じた次第です。

(リカレントとは主に米ビルボードソングチャートが設けるルールであり、一定週数以上ランクインした曲が一定順位を下回った際にチャートから外れるというもの。しかしAmazon Music週間ソングチャートが新設されたばかりであること、記事等にルールの記載がないこと、他のサブスクサービスがルールを設けていないことを踏まえれば、ルール用意の可能性は極めて低いでしょう。次週以降の動向を見極める必要があります。)

 

一方で、他のサブスクサービスは20位未満ながらAmazon Music週間ソングチャートでのみ20位以内に入っている作品は多数。米津玄師「Plazma」、藤井風「真っ白」、Creepy Nuts「doppelgänger」「Bling-Bang-Bang-Born」「オトノケ」、あいみょん「スケッチ」、幾田りら「百花繚乱」、YOASOBI「UNDEAD」、Ado「わたしに花束」「エルフ」、こっちのけんと「はいよろこんで」と、実に11曲も存在します。

このラインナップからは、若手実力派でありサブスクを機に台頭した歌手の作品がAmazon Musicで強いことが読み取れます。他にも、たとえばOfficial髭男dismや優里さんの楽曲、SEKAI NO OWARI琥珀」が40位以内にランクインしているサブスクサービスはAmazon Musicのみとなっていることからも、Amazon Music独自の傾向が見えてくるものと考えます。

 

もうひとつ。先述したYOASOBIもさることながら、他のサブスクサービスで100位以内(Spotifyでは200位以内)に入っていない柊マグネタイトテトリス」がAmazon Musicでは28位にランクインしているのも特徴でしょう。尤も他のボカロPによる作品が50位以内に入っていないため、Amazon MusicはボカロP作品が強いと断言することは難しいかもしれませんが、初回チャートの動向の中で特に気になっています。

 

 

初回の週間ソングチャートからみえてきたAmazon Musicの特徴について紹介しました。無論2回目以降のチャートに注目ですが、その際は他のサブスクサービスでデイリートップ3に入っているHANA「ROSE」がAmazon Musicでどの位置に就くかが、このサービスにおける新曲のチャート反映度を知るための大きな手掛かりと成るでしょう。

そして、Amazon Music週間ソングチャートが50位までの公開にとどまっていることは気になります。せめて100位まで公開することを願うばかりです。