最新3月19日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートでは、timeleszによるデジタルコンピレーションアルバム『Hello! We're timelesz』が登場3週目にして総合2位にランクインしています。
ビルボードジャパンが昨年末にストリーミング指標と採り入れて以降、アルバムチャートが大きく変化していることはこのブログで紹介していますが、そのストリーミング指標では2月までMrs. GREEN APPLE『ANTENNA』(2023)が首位を続けていました。timelesz『Hello! We're timelesz』はストリーミング指標2作品目の制覇にして、同指標3連覇を果たした形です。この原動力は、収録曲の強さにあります。
では、timelesz『Hello! We're timelesz』収録曲におけるソングチャートでの動向をチェックします。
(なお、総合ソングチャートおよび構成指標における20位未満の順位は、CHART insight有料会員のみが知り得る情報となります。ビルボードジャパンでは有料会員のみ知り得る情報の掲載を可能としており、今回紹介しています。)
<timelesz『Hello! We're timelesz』収録曲のソングチャートにおけるCHART insight>
※ 総合順位およびフィジカルセールス・ダウンロード・ストリーミング各指標の順位は順に3月5日公開分、3月12日公開分および3月19日公開分となります。
※ CHART insightは直近11週分の動向を表示しています。
※ ソングチャートにおける歌手名にて表記しているため、一部作品はSexy Zone名義となります。
※ デジタルコンピレーションアルバムの収録曲順に紹介。今回取り上げるのはCHART insightにてランクインが可視化された8曲となります。
※ ミュージックビデオがYouTubeにて公開されている場合、その動画を貼付しています。
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
累計における指標毎のポイント構成
・Sexy Zone「人生遊戯」
総合 95→64位→100位未満
ダウンロード 34位→100位未満→100位未満
ストリーミング 89位→43位→72位
・Sexy Zone「ぎゅっと」
総合 100位未満→50位→86位
ダウンロード 38位→100位未満→300位未満
ストリーミング 77位→33位→50位
・Sexy Zone「本音と建前」
総合 100位未満→100位未満→100位未満
ダウンロード 95位→300位未満→300位未満
ストリーミング 100位未満→95位→100位未満
・Sexy Zone「RUN」
総合 57位→29位→49位
ダウンロード 12位→35位→93位
ストリーミング 45位→15位→27位
・Sexy Zone「RIGHT NEXT TO YOU」
総合 100位未満→100位未満→100位未満
ダウンロード 55位→100位未満→300位未満
ストリーミング 100位未満→78位→100位未満
総合 100位未満→100位未満→100位未満
ダウンロード 76位→33位→300位未満
ストリーミング 100位未満→100位未満→100位未満
・Sexy Zone「Purple Rain」
総合 100位未満→100位未満→100位未満
ダウンロード 43位→100位未満→300位未満
ストリーミング 100位未満→80位→100位未満
・timelesz「Anthem」
総合 100位未満→83位→100位未満
ダウンロード 23位→100位未満→100位未満
ストリーミング 100位未満→60位→100位未満
ストリーミングにおいて3月12日公開分の順位が高いのは、同週がサブスク解禁後初の1週間フル加算となるため。そのストリーミングは急落しにくい傾向にありながら今回紹介した曲の順位面での下落幅は気になりますが、しかし収録曲がきちんと聴かれていることが『Hello! We're timelesz』ストリーミング3連覇の原動力だと解ります。
尤も、デジタルコンピレーションアルバムの好調にはこのような背景もあります。
一方で、今回のデジタルコンピレーションアルバムをベストアルバムの一種と捉えるならば、ベストアルバムがストリーミングで強いという状況は異例といえます。ストリーミングで強さを誇る歌手のベストアルバム(Mrs. GREEN APPLE『5』やback number『アンコール』)は、一部のオリジナルアルバムほど順位が高くはありません。
ダウンロード/ストリーミングについて
(中略)
③Hot Albumsのストリーミング数は、どのように合算していますか?
各DSPから報告される収録アルバム情報を元に、どのアルバムに収録された楽曲が再生されたのかを特定・集計しています。なお、アルバムによって収録曲数が異なりますが、弊社による検証の結果、チャートに係数を乗じることによって、大きな影響はないことが判明しました。それにより、該当アルバムに収録された曲のストリーミング数を合算して係数を乗じ、各ポイントを算出しています。アルバムチャートのストリーミング指標は、収録曲がどのアルバムを介して聴かれたかが重要となります。Mrs. GREEN APPLEやback numberの作品はオリジナルアルバムからの聴取が多いと考えられ、またサブスクサービスのプレイリストを介して聴いた場合、そのプレイリスト収録曲がどのアルバム経由でリストインしたかも鍵となるはずです。
timeleszはサブスク解禁時に、オリジナルアルバムやシングルをすべて解禁しているわけではありません。ゆえに『Hello! We're timelesz』収録の既発曲はすべてこのデジタルコンピレーションアルバムのストリーミングとして加算されます。デジタルが強いことに伴いベストアルバム的な作品がアルバムチャートを制したという今回の背景には、timeleszの解禁方法が影響したともいえるでしょう。
今回のデジタルコンピレーションアルバムのヒット、またコンサートツアーも発表されたゆえ尚の事、timeleszによる過去作品全体へのニーズは高まるでしょう。どのタイミングでアーカイブをデジタル解禁するか、そもそも解禁をするのかについて、注視していきます。
さて、8人体制で初の作品となるtimelesz「Rock this Party」は、最新3月19日公開分ビルボードジャパンソングチャートで13位につけています。
登場3週目での13位ランクインは、男性アイドル/ダンスボーカルグループでは高位置と呼べるものです。そして次週は集計期間中二度のテレビパフォーマンス、さらにミュージックビデオ公開効果もあり再浮上する可能性も考えられます。ビルボードジャパンのみならず、ミュージックビデオ公開日を集計期間初日とする米ビルボードの4月5日付Global 200で200位以内返り咲きを果たせるか、注目です。
その一方で、3月21日に公開された「Rock this Party」ミュージックビデオはフルバージョンではありませんでした。
⋰#timelesz
— timelesz (タイムレス)|Over The Top【公式】 (@OVTT_official) 2025年3月21日
ALBUM💿『FAM』
2025.6.11 発売決定🎉
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「新たに迎えた仲間、いつも支えてくれているsecondzのみなさん、timeleszに関わる全ての人々、みんなで大きな“家族”」という想いを込めた新体制 初アルバムです!
商品詳細&予約はHPをチェックしてください💫#FAMタム #タイムレス
フルバージョンは6月11日リリースのニューアルバム『FAM』初回限定盤Aに収録されるとのことですが、デジタルリリース曲でこのような施策を採ることについて、日本の音楽業界における旧来からの姿勢を想起した次第です。
「Rock this Party」は注目度の高さから動画再生回数が早くも233万回を突破しています(ブログ執筆時となる3月23日5時20分時点)。一方で今回CHART insightを掲載した既発曲のうち、サブスク解禁後に動画再生指標で100位以内に入った作品はありません。これはtimelesz(Sexy Zone)既発曲の聴取行動がYouTubeからサブスクに移行したことも考えられますが、動画がフル尺で公開されていればより高位置で安定したと捉えています。
(なおtimelesz「Anthem」はフルバージョンで公開されていますが、ともすればtimeleszの新たなコアファンの方やライト層においてSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手作品は未だフルバージョンで解禁していないという認識が根強く、それが動画再生の上昇につながっていないのかもしれません。また「Anthem」がフルバージョンでの公開であった一方、「Rock this Party」が短尺版という施策に移行したことは気になります。)
アルバムをリリースした後でも「Rock this Party」のフルバージョンが公開されればチャートアクションの継続につながるでしょう。そして既発曲においては、早急なフルバージョン化を希望します。