イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」およびサカナクション「怪獣」、トップ2の当週動向と次週以降を読む

最新2月26日公開分(集計期間:2月17~23日)のビルボードジャパンソングチャートは前週首位返り咲きを果たしたMrs. GREEN APPLEライラック」が3位に後退。櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」が首位に立ち、2位にはサカナクション「怪獣」が初登場を果たしています。

「UDAGAWA GENERATION」は10,323ポイント、「怪獣」は9,174ポイントと比較的僅差に。今回のエントリーでは2曲における当週動向をチェックし、次週以降について予想します。

 

 

<2025年2月26日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」・サカナクション「怪獣」のCHART insight>

 

※CHART insightの説明

 

[色について]

黄:フィジカルセールス

紫:ダウンロード

青:ストリーミング

黄緑:ラジオ

赤:動画再生

緑:カラオケ

濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)

 (Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)

ピンク:ハイブリッド指標

 (BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)

 

[表示範囲について]

総合順位、および構成指標等において20位まで表示

 

[チャート構成比について]

累計における指標毎のポイント構成

 

(※ サカナクション「怪獣」は2024年11月20日公開分から前週にかけて、UGCのみランクインが続いていました。)

 

櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」は当週53万を超えるフィジカルセールスを記録したのみならず、週間フィジカルセールス50万超えの作品で獲得ポイントが1万強に至ったのは2025年度では初に。これは18位を記録したストリーミング指標の存在が大きいといえます。

一方で、フィジカル未リリースのサカナクション「怪獣」はビルボードジャパンソングチャートでダウンロード1位、ストリーミング3位、動画再生9位およびラジオ4位と、カラオケ以外の指標がいずれもトップ10入り。特にストリーミングでは集計期間4日目のリリースにして高位置につけています。

そして3位には、サカナクション約3年ぶりの新曲「怪獣」が初登場。週間再生数はさっそく800万回を突破しており、サカナクションの楽曲として「忘れられないの」(5位)を超え、当チャート最高位を更新した。なお、同曲は木曜日(2月20日)リリースであったので、次週が初の1週間フル集計に。ここからさらに順位がアップするのか注目が高まる。

仮に「怪獣」が当週のソングチャートを制するならば、リリースをチャートの集計期間初日である月曜に合わせるのが最善だったでしょう。木曜リリース設定の背景は解りかねますが、日本の初週順位は下がったとしても金曜に解禁し、米ビルボードのグローバルチャート(金曜集計開始)で初週200位以内ランクインを目指すのも好かったかもしれません。このリリース日設定提案は、Creepy Nuts『LEGION』でも記しています。

 

 

当週は首位に至れなかったサカナクション「怪獣」ですが、次週以降上位をキープする可能性が考えられます。

ビルボードジャパンソングチャートのストリーミング指標(その基となるStreaming Songsチャート)の記事にもあるように、「怪獣」は次週が初の1週間フル加算に。また「怪獣」はLINE MUSICの順位こそ他のサブスクサービスより少し低いものの、全体的には高位置で安定していることが下記ストリーミング表から解ります。

(ストリーミング表は毎週土曜に発信するCHART insightからヒットを読む カテゴリーのブログエントリーにて掲載。またサカナクション「怪獣」のSpotifyを主体としたサブスクサービス動向については、サカナクション「怪獣」は大ヒットに至るか、それとも早々に後退か…Spotify等の動向から考える(2月26日付)でも紹介しています。)

ストリーミング表から、サカナクション「怪獣」よりも櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」においてサブスクサービス間の順位に大きな乖離があることが解ります。「UDAGAWA GENERATION」では1月28日から3月3日にかけてLINE MUSIC再生キャンペーン(→こちら)を開催していることがその背景にありますが、同様の企画を採用した前シングル表題曲は総合首位獲得の翌週に38位へ後退しています。

そのストリーミング指標は本来急落することがほぼないのですが、櫻坂46「I want tomorrow to come」が前週の5位、Travis Japan「Crazy Crazy」が48位、そしてM!LK「エビバディグッジョブ!」が56位から、いずれも100位未満(300位圏内)に急落しています。これら3曲はいずれもLINE MUSIC再生キャンペーンを実施しており(締切は順に10月28日、11月3日および10月31日)、企画終了の反動が表れた形といえます。

ストリーミングがロングヒットの主要なポイント獲得源であることは、上記に挙げた「Bling-Bang-Bang-Born」や「ライラック」のCHART insightから明らかです。歌手のファンというわけではないものの曲が気になるというライト層の支持が他指標より大きく反映されることがストリーミング安定の要因となっており、それを踏まえればこの指標での急落は社会的ヒット曲に成る可能性を遠ざけることを意味するといえます。

「UDAGAWA GENERATION」では次週の集計期間中もLINE MUSIC再生キャンペーンが続きますが、現時点でも他のサブスクサービスで上位に入っていないためダウンする可能性は否めません。加えて「UDAGAWA GENERATION」においては、当週のソングチャートにおける動画再生指標が64位から100位圏外に後退しています。

(ソングチャートの総合および構成指標における20位未満の順位は、CHART insight有料会員のみが知り得る情報となります。ビルボードジャパンでは有料会員のみ知り得る情報の掲載を可能としており、今回紹介しています。)

フィジカルリリース週は注目度上昇に伴い接触指標も伸びる可能性が考えられたものの、動画再生指標の動向を踏まえればコアファンの動画視聴時間がフィジカル同梱の映像盤(ライブ映像)に移行した一方、ライト層やグレーゾーンによる支持は大きくはないことが想起可能です。ストリーミングが主に再生キャンペーンで支えられることも踏まえれば、コアファンとライト層等の乖離を小さくすることが櫻坂46の課題となります。

 

 

週間単位で上位に就くことも素晴らしいながら、より重要なのは中長期でヒットし年間チャートにランクインすることです。加えてMrs. GREEN APPLEに代表されるように、ひとつのヒットが過去作のフックアップにつながりアーティストパワーが高まることもまた重要です。

『総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”の指標の中から、ダウンロード、ストリーミング、動画再生の3指標の合計ポイントが増加した順に並べた“急上昇楽曲チャート”』であるビルボードジャパンのHot Shot Songsチャートでは、サカナクション「怪獣」が首位、そして「新宝島」が13位にランクインしています(『』内は上記記事より)。この流れが他の作品に波及するかについても、サカナクションにおける注目点です。