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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

timeleszが2月末にサブスク解禁へ…『timelesz project』関連作品のチャート動向を確認する

新メンバーオーディション『timelesz project』を経て、timeleszに新たに5名が加わりました。

STARTO ENTERTAINMENT所属という枠に囚われない形で新メンバー募集したこと等もあり話題を呼んだ、通称"タイプロ"。一方でその注目度の高さが、音楽チャートに反映されているとは言い難いと感じています。

 

 

『timelesz project』ではtimelesz、そしてSexy Zoneの楽曲が用いられてきましたが、オーディションの注目度と相まって使用曲がビルボードジャパンソングチャートおよびアルバムチャートでも上昇する傾向にあります。直近では、HANAを輩出したBMSGとちゃんみなさんによるオーディション『No No Girls』にて使用されたちゃんみなさんの作品が挙げられます。

ちゃんみなさんによる作品の勢いは、上記エントリー掲載後も継続。最新2月12日公開分ソングチャートでは順位こそ下げつつ「SAD SONG」(41位)を筆頭に4曲が100位以内にランクイン、そしてアルバムチャートでは『ハレンチ』が4週連続トップ10入りしたのを皮切りに『Never Grow Up』が13位、『Naked』が31位に登場。後者でのストリーミング指標導入の影響も大きいながら、オーディションの反響が十分確認できます。

(なお、ソングチャートおよびアルバムチャートの総合および構成指標における20位未満の順位は、CHART insight有料会員のみが知り得る情報となります。ビルボードジャパンでは有料会員のみ知り得る情報の掲載を可能としており、今回紹介した次第。以下に貼付するCHART insightも同様です。)

 

一方で、timeleszの作品は最新2月12日公開分のビルボードジャパンソングチャートおよびアルバムチャート共に、100位以内にランクインしていません。双方のチャートで上位進出、且つロングヒットするにはストリーミングでのヒットが欠かせませんが、Sexy Zone時代を含む作品群が現時点でサブスク解禁されていないことが大きく影響した形です。しかし以下のデータから、解禁していれば伸びた可能性が十分考えられます。

timeleszとして最初の作品であるEPの収録曲「Anthem」はタイプロ配信番組のオープニングテーマとなり、また課題曲としても登場。YouTubeでのタイプロ関連動画でも使われており、特にサビの部分は高く認知されているはずです。この曲はミュージックビデオ公開直後に動画再生指標が100位以内にランクインしたもののその後急落、しかし同指標は昨年12月18日公開分以降現在まで300位以内に入り加点対象となっています。

「Anthem」をリード曲に据えたEP『timelesz』は、アルバムチャートにおいて昨年11月20日公開分以降にフィジカルセールス(CHART insightでは黄で表示)が300位以内に返り咲き、1月8日公開分で82位、最新2月12日公開分では95位にランクインしています。

そして最終審査で披露された「RUN」を含むSexy Zone名義のベストアルバム『SZ10TH』も、最新2月12日公開分のビルボードジャパンアルバムチャートで昨年3月13日公開分以来となるフィジカルセールス300位以内復帰を果たしています。

フィジカルはコアファンの多くが既に所有していると考えられ、タイプロのファンそしてtimeleszの新たなファンが購入したと捉えていいかもしれません。一方でフィジカル購入場所は(特に実店舗が)縮小傾向にあり、またアルバムチャートのフィジカルセールス指標は週間50位の売上枚数が多くて千枚強であるため、気軽に購入/接触が可能なデジタルを解禁していればチャートにより鮮明に反映されたと感じずにはいられません。

 

 

さて、新生timeleszはタイプロ最終審査の課題曲「Rock this Party」を2月28日金曜にデジタルリリース。またタイプロで登場した作品を主体とする12曲入りコンピレーションアルバム『Hello! We're timelesz』も配信を開始し、サブスク解禁を果たします。

このタイミングでのデジタル解禁は、timelesz側が既にスケジュールを組んでいたものと考えていいでしょう。『No No Girls』オーディションを経て上昇したちゃんみなさんの作品群は勢いこそ縮小しながらもチャートインを続けており、timeleszのサブスク解禁作品はタイプロ配信番組最終回からおよそ2週のブランクがあれど、タイプロ人気が反映されるだろうと考えるのは自然なことです。

気になるのは、Sexy Zone時代を含むtimeleszの他の作品も解禁されるかということ。また金曜リリースは海外歌手の作品における標準リリース日であることから、その曜日に解禁日を設定した点を興味深く感じています。タイプロ開始前にサブスク全面解禁に至っていたならばという思いは拭えませんが、timeleszのデジタル動向に注目していきます。