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【海外ビルボード】クリスマス関連曲が後退、米では「Die With A Smile」が登場20週目で初の首位に

現地時間の1月6日月曜に発表された、最新1月11日付米ビルボードソングチャート(集計期間:2024年12月27日~2025年1月2日)。前週までチャートを席巻していたクリスマス関連曲が大きく後退し、レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」が同曲初となる首位を獲得しています。

レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」はストリーミングが前週比11%アップの2710万(同指標初の首位)、ダウンロードが同41%アップの6,000(同指標4位)およびラジオが同11%アップの5970万(同指標2位)を記録しています。

「Die With A Smile」は前週の17位から首位に到達。その前週1月4日付ではクリスマス関連曲が16位までを占めていましたが、クリスマスシーズンの終了に伴い関連曲が当週大きく後退した形です。「Die With A Smile」は昨年8月に初登場3位を記録し、これまでの最高位は2位。登場20週目での首位到達は、テディ・スウィムズ「Lose Control」(32週目)以来となる長さとなります。

 

ビルボードソングチャート66年の歴史において1,177曲目の首位作品となる「Die With A Smile」。レディー・ガガにとっては6曲目、ブルーノ・マーズにおいては9曲目の首位作品となります。

<米ビルボードソングチャート レディー・ガガの首位獲得作品>

・「Just Dance (feat. コルビー・オドニス)」 (2009年1月17日付以降 3週)

・「Poker Face」 (2009年4月11日付 1週)

・「Born This Way」 (2011年2月26日付以降 6週)

・「Shallow (with ブラッドリー・クーパー)」 (2019年3月9日付 1週)

・「Rain On Me (with アリアナ・グランデ)」 (2020年6月6日付 1週)

・ 「Die With A Smile (with ブルーノ・マーズ)」 (2025年1月11日付 1週)

<米ビルボードソングチャート ブルーノ・マーズの首位獲得作品>

・「Nothin' On You (B.o.B feat. ブルーノ・マーズ)」 (2010年5月1日付以降 2週)

・「Just The Way You Are」 (2010年10月2日付以降 4週)

・「Grenade」 (2011年1月8日付以降 4週)

・「Locked Out Of Heaven」 (2012年12月22日付以降 6週)

・「When I Was Your Man」 (2013年4月20日付 1週)

・「Uptown Funk! (マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ)」 (2015年1月17日付以降 14週)

・「That's What I Like」 (2017年5月13日付 1週)

・「Leave The Door Open (シルク・ソニック (ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク))」 (2021年4月17日付以降 2週)

・「Die With A Smile (with レディー・ガガ)」 (2025年1月11日付 1週)

「Die With A Smile」ではレディー・ガガブルーノ・マーズ共に共同プロデューサーおよび共同ソングライターの一員を務めています。ガガにおいては共同プロデュース曲で3曲目および共同ソングライト曲で6曲目の首位を獲得、またブルーノにおいては前者で3曲および後者で9曲(自身の首位獲得曲すべて)となり、ブルーノはフロー・ライダーによる2009年の首位曲「Right Round」にも共同ソングライターで関わっています。

 

レディー・ガガはキャリアおよそ16年となりますが、3つの年代(ディケイド)で複数曲首位に送り込んだのはマイケル・ジャクソンジャネット・ジャクソンに続く3組目に。マイケルは1970年代に2曲、1980年代に9曲および1990年代に2曲が、ジャネットは1980年代に2曲、1990年代に6曲および2000年代に2曲が首位に到達しています。ただしグループ活動としての曲を除きます。

(マイケル・ジャクソンジャクソン5として1970年代に4曲首位を獲得していますが、仮にグループ時代の曲も含むならば、上記3組にポール・マッカートニーおよびダイアナ・ロスも加わります。ポールはソロもしくはポール・マッカートニー & ウイングス名義で1970年代に6曲および1980年代に3曲首位を獲得していますが、ザ・ビートルズとして1960年代に18曲および1970年代に2曲を首位に送り込んでいます。またダイアナ・ロスは1970年代に4曲および1980年代に2曲が首位に至っていますが、シュープリームスとして1960年代に12曲が首位に立っています。)

 

ブルーノ・マーズは今回の首位獲得により、首位在籍が35週となりました。これは歴代10位の記録となり、アデルおよびエルトン・ジョンの34週を上回った形です。

<米ビルボードソングチャート 歴代首位獲得週数記録>

97週 マライア・キャリー

60週 リアーナ

59週 ザ・ビートルズ

56週 ドレイク

50週 ボーイズIIメン

47週 アッシャー

46週 ビヨンセ

37週 マイケル・ジャクソン

36週 テイラー・スウィフト

35週 ブルーノ・マーズ

 

ブルーノ・マーズがBLACKPINKのロゼ(ROSÉ)と共演した「APT.」が34→5位に上昇し、昨年11月の初登場時における8位を上回りました。ストリーミングは前週比15%アップの1970万、ダウンロードは同23%アップの6,000およびラジオは同3%アップの3060万を記録しています。

ロゼは「APT.」にてソロ初のトップ10ヒットを獲得したのみならず(BLACKPINKとしてはセレーナ・ゴメスとの「Ice Cream」で2012年に13位を記録)、K-POP女性歌手として初めて米ビルボードソングチャートトップ10入りを果たし、当週初のトップ5エントリーを成し遂げています。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週17位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

2位 (24位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

3位 (28位) ビリー・アイリッシュ「Birds Of A Feather」

4位 (リエントリー) テディ・スウィムズ「Lose Control」

5位 (34位) ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」

6位 (33位) グレイシー・エイブラムス「That's So True」

7位 (27位) ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」

8位 (47位) ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」

9位 (46位) サブリナ・カーペンター「Espresso」

10位 (41位) サブリナ・カーペンター「Taste」

テディ・スウィムズ「Lose Control」はクリスマス関連曲の上昇に押される形で一度リカレントルールに抵触していました。リカレントルールは一定週数以上ランクインした曲が一定順位を下回った場合にチャートから外れる、いわば新陳代謝を目的に導入されたチャートポリシー(集計方法)ですが、クリスマス関連曲に伴う抵触の場合は再度復帰することが可能です。

ラジオ指標はシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」(総合2位)が前週比14%アップの6800万を記録し通算23週目の首位に。また米ビルボードソングチャートと計算方法を同一とするホットカントリーソングチャートでは同曲が29週目の首位となり、2020年代における最長首位獲得記録をさらに伸ばしています。

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。2025年1月11日付では前週まで上位を占めたクリスマス関連曲が大きく後退し、Global 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.にてロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」が2週ぶりに首位返り咲き。双方のチャートで通算10週目の首位を獲得しています。

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」はGlobal 200においてストリーミングが前週比3%アップの1億4480万およびダウンロードが同11%アップの19,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比1%アップの1億2570万およびダウンロードが同6%アップの12,000を、それぞれ記録しています。

「APT.」は双方のグローバルチャートで10週目の首位に。二桁となる首位獲得曲はGlobal 200においてマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」(2020-2025 19週)、ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022 15週)、マイリー・サイラス「Flowers」(2023 13週)、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021 11週)に続く5曲目、Global Excl. U.S.では「All I Want For Christmas Is You」(2020-2025 14週)、「Flowers」(2023 13週)、「As It Was」(2022 13週)に続く4曲目となります。

(なお「All I Want For Christmas Is You」は最新1月11日付Global 200において1→27位に後退しています。)

 

Global 200ではレディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」が10→2位に上昇。ストリーミングは前週比3%アップの1億3010万を記録し、18週連続で1億回超えを達成。同チャートにおける最長記録を自ら更新しています。また同曲はGlobal Excl. U.S.にて6→2位に上昇しています。

 

ローラ・ヤング「Messy」がGlobal 200で56→8位に。ストリーミングは前週比20%アップの3610万、ダウンロードは同36%アップの6,000を記録し、ロンドン出身のローラにとってはこのチャートで初のトップ10ヒットに。これまではタイラー・ザ・クリエイターに客演参加した「Like Him」が昨年11月に記録した37位がキャリア最高となっていました。また「Messy」はGlobal Excl. U.S.でも48→8位に上昇し、キャリア初のトップ10ヒットに。ストリーミングは前週比19%アップの2380万、ダウンロードは同30%アップの3,000を記録しています。