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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」がビルボードジャパン制覇、ポイント上昇の軌跡をたどる

最新11月20日公開分(集計期間:11月11~17日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週首位を獲得した超特急「AwA AwA」が30位に後退、ロゼ(ROSÉ) & ブルーノ・マーズ「APT.」が初の首位に。K-POPを除く洋楽としては11年半ぶり、5曲目の首位獲得です。

 

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」は世界中で高い人気を誇っています。米ビルボードによる最新11月23日付グローバルチャート(下記リンク先参照)ではGlobal 200およびGlobal Excl. U.S.(Global 200から米の分を除く)で共に4連覇を達成。ストリーミングは2億2450万→2億750万→1億6220万→1億4640万と推移し、史上初となる複数週での2億回超えを達成。また今年の週間再生回数トップ5のうち4つを「APT.」が占めています。

世界全体での勢いはやや落ち着いてきている「APT.」ですが、一方日本においては拡大を続けています。

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」は日本時間の10月18日金曜13時にリリースされており、10月23日公開分ビルボードジャパンソングチャートではおよそ2日半分のカウントにて総合96位に初登場。そして初の1週間フル加算となった翌週に5位にジャンプアップすると、3→2→1位と推移しています。注目すべきはポイントそして各種指標の数値(記事で判明している分)において、そのすべてが上昇しているのです。

 

ストリーミングは最新週において週間1000万回再生を突破。8月28日公開分におけるMrs. GREEN APPLEライラック」以来、およそ3ヶ月ぶりの高水準に達しています。

またラジオにおいては、指標の基となるプランテックの最新OAチャート記事にて以下のように紹介されています。なおビルボードジャパンは指標化の際、聴取可能人口等を加味して算出します。

2位はロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」が前週ポジションを死守した。12月6日にリリースを控えるロゼのアルバム「ロージー」より大型コラボ曲となる同リードシングルは、10月18日の配信リリース以降、その話題性とともに大量オンエアをキープ。今週はチャートイン5週目を迎えるが、オンエアはさらに前週から9%増加し、加えてオンエア獲得ステーション数は90.3%とチャートイン以来最高値を記録するなど、更なるオンエア波及が確認された。

引き続きリクエストオンエア数も多く、今週の上位10曲中ではCreepy Nuts「オトノケ」(19位→9位)と同率の最多であり、変わらず高い注目度を維持していることがわかる。14週連続チャートイン中のレディー・ガガ & ブルーノ・マーズ「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」に続く久々の洋楽ロングヒットは間違いなさそうだ。

 

そしてこの曲は、動画活用においても高い人気を誇っています。

TikTok人気を示すTikTok Weekly Top 20チャートでは6→2→1→1位、また”踊ってみた”や”歌ってみた”に代表されるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の人気を示すTop User Generated Songsチャートでは18→17→9→2位と推移。TikTokUGC共にソングチャートの構成指標ではないものの動画やストリーミングに波及する傾向があり、「APT.」においてはその波及度合いの大きさを感じるに十分です。

 

 

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」は今後もヒットを続けていくと考えていいでしょう。この曲を収録したロゼのソロアルバム『rosie』が12月6日にリリースされることから、アルバムプロモーション等に伴いさらなる上昇も考えられます。

他方、TikTokUGCといったいわば活用で人気の曲は流行の波に合わせて減退しやすい可能性もあるのですが、その活用の一種でありソングチャートの構成指標であるカラオケはピークが遅いながらも長期でのポイント獲得源となります。洋楽はこのカラオケが強くないものの加点された例もあることから、現時点で未配信のDAMに対し歌手側(レコード会社側)が促すことが必要と考えます(なおJOYSOUNDでは配信済です→こちら)。

 

ちなみにこのタイミングで、ブルーノ・マーズレディー・ガガと共演した「Die With A Smile」がSpotifyにて史上最速での10億回再生を記録しています。この曲の、そしてブルーノ・マーズの人気がロゼとの「APT.」にも波及するかもしれません。