このブログではここ数年、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか、以下”紅白”と表記)の出場歌手を予想しています。今年についてもこれまで三度掲載しました。
直近の予想は2回目をベースに、NHKがSTARTO ENTERTAINMENT所属タレントの起用を再開したことを踏まえ”2.5回目”の形で先月末に公開し、STARTO ENTERTAINMENTおよびNHKに対する私見も添えています。また昨年に引き続き音楽ナタリーにコラムを寄稿しており、2.5回目の予想はその補足という位置付けでもあります。
このブログではスポーツ紙による紅白出場内定記事を上記エントリーにてまとめていますが、今年の内定記事登場は昨年より1週間程度遅くなっている印象です。また昨年は11月13日に出場歌手が発表されましたが、内定記事登場やその報道内容を踏まえれば今年は少し遅くなるのではと感じています。
内定報道は今後も登場することが予想されますが、この段階で最終予想を掲載します。
紅白の出場歌手傾向については、以下をご参照ください。
<紅白の傾向等について>
昨年の出場歌手および披露曲、曲順は下記リンク先に掲載されています。
紅白における出場歌手の選考基準について、昨年は以下のように定義されていました。
NHKは、紅白歌合戦の出演者の選考にあたって、今年の活躍、世論の支持、番組の企画・演出という3つの点を中心に、次のようなデータを参考資料として検討し、総合的に判断しました。
「今年の活躍」については、CD、DVD、Blu-rayの売り上げやインターネットでのダウンロード、SNSなどについての調査、それに、ライブやコンサートの実績などです。
また、「世論の支持」については、NHKが行った2024人を対象にした世論調査の結果や、8000人を対象にしたウェブアンケート調査の結果です。
調査はいずれも7歳以上を対象に行いました。
・NHK紅白歌合戦 出場歌手発表 44組の出場決まる 会見一問一答も | NHK(2023年11月13日付)より (記事の公開は終了しています。)
”今年の活躍”については、社会的ヒット作品を示す鑑であるビルボードジャパンのチャートを参考にしているものと考えます。2024年度上半期各種チャート、および第3四半期のデータは以下に掲載しています。
また”番組の企画・演出”については、NHKの番組タイアップやNHK(音楽)番組への出演の有無と置き換えてもいいでしょう。それらも踏まえ、紅白においては以下の傾向があると捉えています。
<『NHK紅白歌合戦』出場歌手の傾向>
① 若手や初出場歌手についてはビルボードジャパンのチャート動向が重視される
② ①で選ばれた歌手の連続出場は難しいが、実績が伴えば叶う
③ 若手で連続出場するもその年の曲が披露できないならば翌年外れる可能性がある
④ ①を踏まえ、K-POP歌手も積極的に起用する
⑤ 演歌歌謡曲は顔ぶれが変わらず、枠も最低限にとどまる
⑥ 他の音楽番組に比べて、出場歌手の世代やジャンルが広範囲に及ぶ
⑦ 『SONGS』や『NHK MUSIC SPECIAL』等、NHK関連番組出演等の実績が大きい
⑧ 周年記念歌手の出場が少なくない
⑨ 音源をサブスク配信していることがほぼ条件となっている
⑩ 年末年始のリリースが影響する(作品の宣伝の場という位置付けにもなっている)
今回の予想もこの10項目がベースとなっています。
<『第75回NHK紅白歌合戦』出場歌手予想>
(紅組、白組共に22組。以下敬称略。)
・紅組
ILLIT
Superfly
tuki.
FRUITS ZIPPER
ME:I
YOASOBI
ヨルシカ
LE SSERAFIM
(前年出場歌手で1回目予想時未掲載:あいみょん、Ado、ano、伊藤蘭、櫻坂46、JUJU、Superfly、NiziU、MISAMO、milet × MAN WITH A MISSION)
(2回目にて掲載した歌手:あいみょん、FRUITS ZIPPER、西野カナ、ヨルシカ)
(1回目予想歌手で2回目未掲載:超ときめき♡宣伝部、NewJeans、星街すいせい、松田聖子)
(最終予想にて掲載した歌手:Superfly)
(2回目予想歌手で最終予想未掲載:新しい学校のリーダーズ)
・白組
Omoinotake
こっちのけんと
JO1
GEMN
純烈
Number_i
HYDE × MY FIRST STORY (2組で1曲披露するものとして共同名義で記載)
BE:FIRST
藤井風
ゆず
米津玄師
(前年出場歌手で1回目予想時未掲載:エレファントカシマシ、大泉洋、Official髭男dism、キタニタツヤ、さだまさし、すとぷり、Stray Kids、SEVENTEEN、10-FEET、藤井フミヤ、MAN WITH A MISSION × milet)
(2回目にて掲載した歌手:こっちのけんと、SEVENTEEN、B'z)
(1回目予想歌手で2回目未掲載:ENHYPEN、SPYAIR、福山雅治)
(2.5回目にて掲載した歌手:Snow Man、GEMN)
(2回目予想歌手で2.5回目未掲載:SEVENTEEN、西川貴教 with t.komuro)
(最終予想にて掲載した歌手:藤井風)
(2.5回目予想歌手で最終予想未掲載:B'z)
<特別枠>
嵐
ハマいく
B'z
(2回目予想歌手で2.5回目未掲載:美川憲一)
(最終予想にて掲載した歌手:B'z)
(2.5回目予想歌手で最終予想未掲載:藤井風、山下達郎)
紅白出場歌手の選出においては、芸能事務所の枠にとらわれずヒット曲輩出を踏まえた”最適化”が必要と考えます。これはSTARTO ENTERTAINMENTに限らず、どの芸能事務所に対してもいえることです。昨年はアミューズ所属歌手の出演が多く、またベテランや中堅においてはヒット曲輩出にあまり関係なく選出される傾向ですが、最適化という面から(出場可能性はかなり高いだろうものの)福山雅治さんを予想から外しています。
一方で、ゴシップメディアのみならずスポーツ紙等でも視聴率(この場合はあくまでリアルタイム視聴率の意)の低下から”人気低迷”を謳う傾向にあります。紅白がネットと親和性が極めて高いという点で(課題はあれども)評判を呼んでいるとはいえ、その点にはほぼ触れていません。『NHKスペシャル』OA以降のSTARTO ENTERTAINMENTへの批判や非難という論調、また未だもK-POP歌手起用への違和感も報じられている状況です。
ゆえにNHK側がリアルタイム視聴率等を優先する可能性は否定できませんが、今回の予想は先述した”最適化”を踏まえ実施しています。
今回の予想ですが、2.5回目からは大きくは変えていません。
音楽ナタリーに寄稿したコラム(上記参照)にて竹内まりやさんと山下達郎さんのトリを予想していますが、竹内まりやさんの特別枠出場、そのバンマスとして山下達郎さんが出演する形が現実的かもしれないと思い、特別枠の予想を変更しています。ただ、コラムで書いたように「蒼氓」を披露してほしいという思いは、米大統領選を経て尚の事強くなっています。
また先週発表された音楽フェス『COUNTDOWN JAPAN 24/25』の最終日となる大晦日公演にて、NewJeansやSixTONESの出演が発表されました(上記参照)。2015年にBUMP OF CHICKENがこのフェス出演中に生中継で登場したことはありますが、今年初の日本語楽曲もリリースしたNewJeansを出場予想に入れる(戻す)ことはしませんでした。
NewJeansは東京ドームでのライブの評判(それに伴う松田聖子「青い珊瑚礁」のグローバルチャート登場も含む)、そして昨年の紅白での話題を踏まえ、番組側は今年も起用を目指したいと考えたものの、ともすれば紅白およびNHK側がHYBE側との良好な関係を最優先しNewJeansの起用に消極的となった結果、NewJeans側が紅白回避および音楽フェス出演を選択するに至ったのではと想起しています。
紅白そしてNHK側は、歌手や所属事務所の問題を強く意識して起用を控えることで、番組や局自身の体裁を優先しているのではという疑念を、ここ数年の動向から抱いています。ゆえにSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手においても結果的に起用しない可能性は否定できません。ただどのような結果(出場歌手選定)を用意したとして、紅白およびNHK側に必要なのは毅然とした態度、問われた際にきちんと説明できる姿勢だと考えます。
(ちなみにNHKは次週から朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021-2022)を再放送し、本日以降特番が放送されます。ドラマにはSixTONESの松村北斗さんが出演していますが、特番VTRでも出演シーンが採り上げられていることがこちらのポストで明らかになっています。再放送ながらもこのドラマを皮切りに、NHKはSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手の起用を再開していくのではというのが私見です。)
なおK-POP歌手において、白組ではSEVENTEENの出場が考えられるのですが、男性アイドル/ダンスボーカルグループの総数、またソングチャートでより人気の作品を輩出した歌手を考慮し、今回予想に含めていません。しかしながらNHKドラマ『未来の私にブッかまされる!?』の主題歌「消費期限」をフィジカルセールスに先駆けて今週デジタルリリースしており、出場する可能性は十分にあるものと捉えています。
企画としては能登半島地震や豪雨災害からの被災地および被災者復興祈願が考えられます。石川さゆりさんが現地から中継にて「能登半島」を披露するプランが内定報道で登場していますが、水森かおりさんが「輪島朝市」を歌うことも考えられます。そして能登半島を舞台とした朝の連続テレビ小説『まれ』(2015)の出演者も登場するかもしれず、そうなれば昨年歌手として出場した大泉洋さんの再出演も有り得るでしょう。
また西田敏行さん追悼企画も考えられます。関連曲が披露されることもあるかもしれませんが(他局ながら『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』に西田さんは第2~第7シーズンで出演しており、このシリーズで第1~第5シーズンの主題歌を務めたSuperflyが出場すると捉えています)、西田さんは司会・歌手・審査員および応援の4役すべてをこなした唯一の方であるとのことで、企画として用意されるかもしれません。
その他、デビュー50周年を迎え『SONGS』に出演したTHE ALFEE、『Venue101』スピンオフ特番に登場したVaundy、ならびに今月NHK MUSIC SPECIALに登場予定のTWICEも出場する可能性が考えられますが、現時点で上記の予想を立てました。現実的とはいえない部分もあるかもしれませんが、逆にNHKはこちらの予想だにしない方向から人選を用意することもあり、結果を興味深く見守りたいと思います。
1年前の今日は紅白の出場歌手発表日でしたが、今年はSTARTO ENTERTAINMENTとの交渉が難航することに伴い遅れる可能性がスポーツ紙で紹介されています。どのような結果になるかは解りませんが、どのような結果を導き出したとしてもNHKの毅然とした態度、説明は必要だということを今一度記しておきます。