Xでは昨日から今朝にかけて、"世界4位"がトレンド入りを果たしていました。
Number_i の名がついに世界へ! 1st Full Album「No.I」が SpotifyのグローバルチャートTOP ALBUMS DEBUT GLOBALで世界4位にチャートインの大快挙!https://t.co/5R8f4fjHGH#Number_i #Spotify #グローバルチャート pic.twitter.com/DxKyGBrEYi
— USENの音楽情報サイト「encore(アンコール)」 (@encore_inf) 2024年10月1日
この記録については複数のメディアが発信していますが(その点については後述します)、自分は昨日、以下の発信を行っています。なおスレッド最初のポストで引用したのは別メディアの記事となります。
データ元→https://t.co/ToguaG8I3y
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年10月1日
9月27日金曜~29日日曜が集計対象であり、#Number_i のアルバムにおいては集計5日目以降が対象となります。
日本の動向を踏まえれば、仮にアルバムリリースが海外の標準となる金曜(9月27日)だったならば、今作は3位以内に入った可能性が高いでしょう。 https://t.co/OU4itEP154
ちなみに、SpotifyにはWeekly Top Albums Globalというチャートが存在します。最新週は集計期間が9月20日金曜~9月26日木曜となっていますが、#Number_i のアルバムは200位以内に入っていません。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年10月1日
海外の音楽チャートはSpotify、そしてSpotifyがデータを提供する米ビルボードのグローバルチャート(Global 200およびGlobal Excl. U.S.)でも、金曜が集計期間初日となります。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年10月1日
他方日本の場合、音楽チャートは月曜が集計期間初日となります。これでは施策が日本/世界どっちつかずになりかねません。
日本の場合は影響力が弱まってもCDを主軸としているからか、その発売に合わせる形で集計期間が月曜開始となっています。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年10月1日
しかしデジタル主軸となり、そのリリースが世界発信と同義ならば、日本のチャートも変わる必要があります。
その点は #イマオト で提案し続けています。https://t.co/WBkj49nD5I
Number_i『No.Ⅰ』が世界4位に達したのは初登場作品のみを対象としたSpotifyのアルバムチャートであることも重要ですが、そのチャート、さらには米ビルボードによるグローバルチャートが金曜集計開始であるのに対し、日本ではビルボードジャパンも月曜集計開始というチャートポリシー(集計方法)ゆえ、日本と世界の双方に対し同時に有効と成る施策を歌手側が組みにくいことが問題です。
コーチェラ・フェスティバルへの出演等からNumber_iが世界も意識していることがうかがえるのですが、仮にアルバム『No.Ⅰ』を金曜にリリースしたならば先述したSpotifyでの状況は変わったかもしれません。尤もフィジカルセールスを踏まえれば金曜リリースでも10月2日公開分ビルボードジャパンアルバムチャートを制することは可能と考えますが、日本で確実に首位を獲るべく月曜解禁を選んだと考えていいでしょう。
画像のうち赤を基調としたほうは、グローバルチャートのうちGlobal Excl. U.S.というチャートです。グローバルチャートにはGlobal Excl. U.S.に米の分を追加したGlobal 200も存在し、そちらのほうがグローバルチャートとしては重要といえます。なお同曲はGlobal 200でも首位を獲得しています。 https://t.co/IeMUbwaypI
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年10月1日
さて、昨日はこのようなこともつぶやきました。レディー・ガガの日本公式Xアカウントを運営するのはユニバーサルミュージック(の洋楽セクション)の模様であり、Global 200のトップ10画像を貼らずにGlobal Japan Songs Excl. Japanを貼ることに違和感を抱いた次第。ましてGlobal 200ではストリーミングが伸び続けるという記録が生まれているにもかかわらず、なのです。
気になったのは、先程のポストにて引用した分の発信者が日本の大手レコード会社であるということです。たまたま間違えたのかもしれませんが、ともすれば日本の大手レコード会社でもグローバルチャートに対する認識は乏しいのでは…そう痛感しています。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年10月1日
話をNumber_i『No.Ⅰ』に戻すならば、今回の記録については複数のメディアが発信しています(Yahoo! JAPANのニュース検索にて"Number_i Spotify 世界4位"と検索した結果はこちら)。一方で文章に似ている点が多いことから、おそらくは歌手側からのプレスリリースを基にしたものと理解できます。プレスリリースを基にメディアが発信する傾向については、このブログで以前紹介しています。
このことは、厳しい物言いですが"プレスリリースがなければ報じない"と言い換えることもできるでしょう。今回のSpotifyによるチャートの発信は日本時間の昨日朝であり(Spotifyの公式Instagramアカウントによる発信はこちら)、報じるまで半日以上かかったメディアも存在します。まして、アルバム全体ではなくニューアルバムに限ったチャートでの結果にもかかわらず、"世界4位"という見出しを採るメディアも複数存在します。
報じ手のアンテナや嗅覚、そして誤解を招きかねないとしてもキャッチーさを優先した見出しに対し、違和感は拭えません。
これらを踏まえるに、レコード会社、メディアそして音楽チャートにおいてもグローバル(チャート)への意識はまだまだと感じざるを得ないというのが、音楽チャートを分析する者としての率直な私見です。それらが歌手側の挑戦を阻んだり躊躇させるようなことは、あってはならないはずです。
昨日このようなことを書きましたが、本日つぶやいたレディー・ガガの件、およびNumber_iの件を踏まえれば、グローバルチャートの認知浸透は本当に必須であり、日本の音楽が世界により轟くべくシステムを見直す(できないとしてもまずは議論する)ことが必要だと感じた次第です。 https://t.co/2axqeFuDAa
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年10月1日
米ビルボードが4年前に始めたグローバルソングチャートのうちGlobal 200(Global Excl. U.S.に米の分を加えたチャート)において、日本の楽曲は今年8月31日付以降200位以内から姿を消したままです(同日付チャートについては下記エントリーにて紹介しています)。
グローバルチャートの開始以降、K-POPとの差が徐々に大きくなっているJ-POPが改善するためには歌手側の意識は勿論のこと、レコード会社、メディア、音楽チャート、さらにはコアファン…これら四者のグローバル意識の上昇は必須でしょう。