最新9月11日公開分(集計期間:9月2~8日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週首位に到達したME:I「Hi-Five」が26位に後退。Mrs. GREEN APPLE「ライラック」が通算2週目となる首位を獲得しています。
【ビルボード】Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」が総合首位に再浮上、RIIZE「Lucky」が続く https://t.co/Ndu0xDtbrY
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年9月11日
今回2位にはRIIZEの日本デビュー曲「Lucky」が初登場。「ライラック」との差はわずか66ポイント差でしたが、この2曲の動向は大きく異なります。
それでは、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」、RIIZE「Lucky」および3位に上昇したGEMN「ファタール」の動向を、CHART insightを用いて紹介します。
<2024年9月11日公開分ビルボードジャパンソングチャート トップ3のCHART insight>
※CHART insightの説明
[色について]
黄:フィジカルセールス
紫:ダウンロード
青:ストリーミング
黄緑:ラジオ
赤:動画再生
緑:カラオケ
濃いオレンジ:UGC (ユーザー生成コンテンツ)
(Top User Generated Songsチャートにおける獲得ポイントであり、ソングチャートには含まれません。)
ピンク:ハイブリッド指標
(BUZZ、CONTACTおよびSALESから選択可能です。)
[表示範囲について]
総合順位、および構成指標等において20位まで表示
[チャート構成比について]
最新週における指標毎のポイント構成
(CHART insight改定以降は累計ポイントにおける構成比に変更した、とビルボードジャパンは説明しています。)
・1位 Mrs. GREEN APPLE「ライラック」 (6,778ポイント)
・2位 RIIZE「Lucky」 (6,712ポイント)
・3位 GEMN「ファタール」 (5,816ポイント)
3曲の指標構成は大きく異なります。Mrs. GREEN APPLE「ライラック」はフィジカル未リリースにつきフィジカルセールス以外の5指標、GEMN「ファタール」は当週フィジカルセールス指標が加算され6指標すべてでポイントを獲得した一方、RIIZE「Lucky」はフィジカルセールス指標のみが加算対象となっています。
The 1st Japan Single『Lucky』タイトル曲「Lucky」のLINE MUSIC再生キャンペーン第二弾実施中🎧
— RIIZE JAPAN OFFICIAL (@RIIZE_JPN) 2024年8月16日
愛知公演終了後の「メンバー全員お見送り会」に30名様ご招待!
ぜひご参加ください🍀
🔗https://t.co/iweU0ciXDi#RIIZE #라이즈 #RISEandREALIZE #Lucky #RIIZE_Lucky
RIIZEはデジタル先行リリースした「Lucky」にてLINE MUSIC再生キャンペーンを二度開催。複数週でストリーミング指標が加点された実績があり、仮にこのキャンペーンをフィジカルリリースに合わせて実施すればほぼ間違いなく総合首位に立てたはずです。とはいえ仮にそれが叶ったとして、毎週金曜に掲載しているこちらのエントリーを踏まえれば、次週は100位圏内から脱落する可能性も低くはないと考えます。
RIIZE「Lucky」同様にフィジカルセールスが初加算され、初めてトップ3入りを果たしたGEMN「ファタール」は、しかしながらそのフィジカルセールス指標が全体の3割にも満たない状況です。ゆえに次週、フィジカルセールスがダウンしても総合で上位に残る可能性は十分考えられます。
このブログでは以前、フィジカルセールスの多いアイドルやダンスボーカルグループにおける【ヒットの7段階】を紹介しましたが、「ファタール」は第6段階に近づいたといえるでしょう。常時トップ10入りしているわけではないゆえそのフェーズに完全に入ったとは断言できかねますが、このジャンルにおいて今年度を代表する作品のひとつとなりそうです。
そして総合首位に返り咲いたMrs. GREEN APPLE「ライラック」は間違いなく、今年度を代表するヒット曲のひとつとなりました。
Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」から受け継いだストリーミング指標首位の座を12週連続キープ。再生回数は台風の影響が収まったこともあり前週超えを達成しています(この影響については五輪、祭り、お盆、台風、Stationhead…2024年夏のストリーミング増減傾向をSpotifyから読む(9月9日付)をご参照ください)。自身の「familie」台頭もストリーミング減少の要因かもしれませんが、「ライラック」の勢いは続いています。
次週以降はフィジカルセールスに強い作品が毎週のようにリリースされることから「ライラック」が総合首位をキープできるかは微妙な状況ですが、しかし安定して上位にとどまると予想されます。フィジカルセールスに強い曲の急伸と急落を踏まえ、このブログでは短期的な最上位の獲得以上に長期安定が社会的ヒットに欠かせないと記していますが、「ライラック」の2週首位獲得は大きな意味があると断言していいでしょう。