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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「24karats GOLD GENESIS」、総合およびラジオ指標の急落から考えること

最新8月21日公開分ビルボードジャパンソングチャートにおいて、前週まで4週続けて50位以内にランクインしていたAKB48「恋 詰んじゃった」が100位圏外となったことについては下記エントリーにてお伝えしました。

そして、9週連続で100位以内にランクインしていたTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE24karats GOLD GENESIS」も当週100位圏外に。所有指標や所有指標的な動きを辿る接触指標が好調に推移し、コアファンや歌手側(運営側)の意向が反映されながらライト層は多くないと考えられるものの、前者が持続する形で100位以内複数週エントリーをもたらしたであろうという点で「恋 詰んじゃった」に動きが似ていると捉えています。

(上記CHART insightはこの春のリニューアルに伴い、円グラフが最新週の各指標におけるチャート構成比から累計でのそれに変更されたとアナウンスされていますが、後述するラジオ指標の好調を踏まえれば累計の円グラフに(ラジオ指標を示す)黄緑が入っていない状況は不自然であり、円グラフはリニューアル後も最新週を示すものと考えられます。ゆえにビルボードジャパンに対し、”累計”の表示を排することを願います。)

 

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE24karats GOLD GENESIS」は6月19日公開分にて総合ソングチャート40位に初登場後、44→42→54→69→49→1→18→52位と推移。フィジカルセールス指標が初加算されたタイミングで首位を獲得していましたが、総合100位以内9週連続エントリーの背景にはラジオ指標の20位以内連続ランクインが大きく作用したものと考えます。

ラジオ指標自体での変化については以前紹介していますが、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE24karats GOLD GENESIS」はこの指標で11→13→16→11→12→2→1→3→6位と好調に推移。しかし当週、加点対象である300位からも脱落しています。

 

ラジオは元来ロングヒットしにくいのですが、この指標で長く登場する作品が急失速することはあまり考えられません。この指標では歌手側による施策(ゲスト出演や帯番組/コーナーでのコメント出演等に伴う露出)が功を奏することもありますが、リクエストOAというリスナーからの影響も小さくなく、ロングヒット曲はOAの背景が歌手側の意向からリスナーの支持に変化する傾向があると捉えていました。

2位はTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE24karats GOLD GENESIS」が前週6位から浮上した。6月10日の先行配信から更に先がけ、同7日放送のBAYFM「WEEKEND THE RAMPAGE」にて初解禁された同曲は、6月10日〜6月16日チャートで54位に初登場後、interfmを中心とする局地的な大量オンエアをキープし、42位、41位、27位と推移。他局へもオンエアが波及し始めた前週に6位へと急浮上し、7月24日にシングルリリースを迎えた今週さらにオンエア142%増となった。

ラジオ指標の基となるプランテック調べのOAチャート、7月31日公開分では「24karats GOLD GENESIS」が2位にランクインしていますが、その際のOAチャートの記事からは『interfmを中心とする局地的な大量オンエア』が好調の一因であることが解ります。当週の急落を踏まえれば、これまでラジオ指標が好調だった背景には歌手側の施策が大きく、それがリクエストOAにほぼ切り替わらなかったと捉えていいのかもしれません。

 

 

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE24karats GOLD GENESIS」は二度のLINE MUSIC再生キャンペーン開催に伴いストリーミング指標で上位をキープ。同指標の基となるStreaming Songsチャートでは6月19日公開分で35位に初登場して以降、33→44→64→88→100位未満(300位圏内)→68→49→68→100位未満(300位圏内)と推移。当週はこのストリーミングが後退したことも、総合100位未満に至った一因といえます。

24karats GOLD GENESIS」はフィジカルセールスが登場7週目に初加算された際に総合首位を獲得していますが、一方で同じ所有指標でもダウンロードの300位以内エントリーは1週に限られ、ストリーミングと同じ接触指標の動画再生も同じであることから、ロングヒットしながらもライト層がそこまで多くはないだろうと考えていました。ラジオ指標の急落から、その考えは間違っていなかったものと感じています。

 

 

真の社会的ヒット曲とはロングヒットする、年間チャートで上位に進出する作品というのがチャート分析者としての見方であり、そのような曲はとりわけストリーミング指標が高位置で安定するほか、この指標の基となる各サブスクサービスにて順位にほぼ乖離がみられないことも特徴です。そしてロングヒット曲の登場は過去曲のフックアップにもつながり、最終的には歌手全体の水準を押し上げます。

ビルボードジャパンにはソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャート(Artist 100)がありますが、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEは「24karats GOLD GENESIS」が初登場して以降最新週までの10週において59→59→58→63→71→63→11→36→61→100位未満と推移しています。「24karats GOLD GENESIS」が真の社会的ヒット曲ならばより上位にて、より安定したものと考えます。