イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) BE:FIRST「Blissful」がソングチャート首位初登場、その強さと次週の動向に注目する

(※追記(9時33分):Apple Music週間チャートはミュージックマンにて通常火曜に掲載されますが、昨日は記事が登場しながらも100位までの順位が未掲載だったためにこのエントリーにて順位不明と紹介しました。一方でこのチャートがTuneCore Japanのメディアにも昨日掲載されていること(Apple Music 週間ソング・ランキング(8月12日 – 8月18日)|THE MAGAZINE参照)に気付いていませんでした。教えてくださった方に感謝申し上げるとともに、一部文言を訂正しています。)

 

 

 

最新8月21日公開分(集計期間:8月12~18日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週キャリア初の首位を獲得した&TEAM「青嵐 (Aoarashi)」が47位に後退、BE:FIRST「Blissful」が首位初登場を果たしています。

BE:FIRST「Blissful」はダウンロード、ラジオおよび動画再生を制し、ストリーミングは7位にランクイン。2位のMrs. GREEN APPLEライラック」を2千ポイント以上引き離したした形です。

 

注目はラジオ指標。プランテックによる全国31局のOAチャートを基に各局の聴取可能人口等を加味して指標化されますが、OAチャート(下記記事参照)ではBE:FIRST「Blissful」がMrs. GREEN APPLE「familie」の後塵を拝しています。

「Blissful」は「familie」よりも多くの局でOAされ、また帯放送枠中心やリクエストOAも多いという点では「familie」と共通しています。「Blissful」が(局数の多さもさることながら)聴取可能人口の多い放送局でOAされただろうことが、指標化の際に「familie」を逆転した要因と考えます。

 

 

さて、OAチャートの記事にてBE:FIRST「Blissful」は『アルバムリリースまでその勢いは堅持されることと思われる』と記されていますが、総合ソングチャートではどうなるかが今後の注目点と捉えています。

BE:FIRSTの首位獲得曲は今回で8曲目。先月はATEEZとのコラボ曲「Hush-Hush」が制していますが、同曲の首位獲得時にこのように記載しました。

BE:FIRSTによるビルボードジャパンソングチャート制覇7作品うち、「Scream」「Boom Boom Back」および今作「Hush-Hush」はデジタルのみでのリリース。フィジカルセールス指標未加算ながら初動が大きい状況は、初週のポイント最大化を目指す歌手側の施策、コアファンのチャート意識の高さ、そして相互の強固な関係性(支え合い)も大きく影響しているといえるでしょう。

 

一方で、次週の動向を注視する必要があると考えます。

(中略)

BE:FIRST × ATEEZ「Hush-Hush」はBE:FIRSTのセカンドアルバム『2:BE』からの先行リリースであり、『BE:1』(2022)における「Scream」と似た位置付けといえます。その「Scream」はデジタル加算2週目(2022年8月10日公開分)にビルボードジャパンソングチャートで首位から15位に後退。デジタルのみのリリース曲で首位獲得の翌週にトップ10圏外となるのは、2022年度以降では「Scream」のみという状況です。

BE:FIRSTは今作「Blissful」初登場時、ATEEZとの「Hush-Hush」(7月10日公開分 9,631ポイント)を上回る9,816ポイントを記録しており、特に初動の高さは全歌手の中でも特筆すべきといえます。一方で前作「Hush-Hush」は、首位獲得の翌週に23位へ後退しています。

アルバムのリード曲はニューアルバムの顔役となり、アルバムの期待値を高め、所有や接触行動を促す位置付けといえます。(リード曲という立ち位置ではないかもしれませんが)「Hush-Hush」が総合ソングチャート100位圏内在籍3週という状況を踏まえれば、「Blissful」がロングヒットに至ることでアルバム『2:BE』(8月28日フィジカルリリース)のヒット規模を大きくできるかが気になるところです。

BE:FIRSTについては『ビルボードジャパンソングチャートをより重視し、同チャートでのいわば必勝パターンを身に着けた』と以前記しました(【ビルボードジャパン最新動向】BE:FIRST「Masterplan」、首位初登場の要因と今後注視すべき点(5月2日付)より)。この表現がライト層への浸透を踏まえたものではないとの指摘をいただきましたが、今作のチャート動向からは以前記した形容が間違いではなかっただろうと感じています。

(中略)

そしてフィジカル未リリース曲における首位からトップ10圏外への後退という今回の事例は、ビルボードジャパンにおけるチャートポリシー変更議論の契機にも成り得るかもしれません。

「Hush-Hush」の後退を紹介する際、このように記しました。「Blissful」においても8月14~20日を集計期間とするLINE MUSIC週間チャートを制した一方、Spotifyではデイリーチャート55位が最高位。Apple Musicの週間順位は現時点で不明ですが、この乖離も気になるところです。

 

(※追記(9時33分):Apple Music週間チャートはミュージックマンにて通常火曜に掲載されますが、昨日は記事が登場しながらも100位までの順位が未掲載だったためにこのエントリーにて順位不明と紹介しました。一方でこのチャートがTuneCore Japanのメディアにも昨日掲載されていること(Apple Music 週間ソング・ランキング(8月12日 – 8月18日)|THE MAGAZINE参照)に気付いていませんでした。教えてくださった方に感謝申し上げるとともに、上記文言の一部に打ち消し線を挿れています。)

 

 

BE:FIRSTに限らずですが、首位からトップ10圏外への後退が今後目立てば、ビルボードジャパンがチャートポリシー(集計方法)の変更を議論する可能性があります。2022年度以降ルックアップおよびTwitter指標が廃止されていますが、これはコアファンの熱量を過度に反映させることを防ぐことが目的(下記エントリー参照)。LINE MUSIC再生キャンペーンへも対応を実施しており、いずれStationhead関連の動きもあるかもしれません。

【前週のトップ10初登場曲、当週のCHART insightから真のヒット曲に成るかを読む】というエントリーを金曜に掲載していますが、これは上位進出曲の翌週の動向からロングヒットに至り、社会的ヒットに成り得るかを読むためのものです。ライト層の支持がロングヒット、そして年間チャートランクインにつながることを踏まえれば、コアファンとの信頼確立も大事ながらライト層の獲得に重きを置くことがより大事だと考えます。

ソングチャートの記事は米ビルボードにて英訳公開されていますが、そこでは登場19週目となるMrs. GREEN APPLEライラック」が5週続けて2位にランクインしたことがタイトルに据えられています。同曲の強さについては先週紹介していますが(&TEAM「青嵐 (Aoarashi)」のチャート初制覇、そして最近のチャート動向からみえてくること(8月15日付)参照)、ビルボードジャパンとの記事タイトルの違いは注目すべきと考えます。

 

 

最後に。最新のビルボードジャパンソングチャートの記事を踏まえ、ビルボードジャパンに対し以下の提案を行います。