最新8月3日付(集計期間:7月19~25日)の米ビルボードによるソングチャートにおいて、JIMIN「Who」が米で14位、グローバルチャートではGlobal 200およびGlobal Excl. U.S.の双方で首位に初登場を果たしています。
「Who」は7月19日にリリースされたアルバム『MUSE』のリード曲であり、7月23日に各種リミックスやインストゥルメンタルバージョンが登場したことが米やグローバルのソングチャート、そして米アルバムチャートにも影響した形です。
他方、オリジナル版とは言語の違いのみ異なるバージョン以外は合算しないチャートポリシー(集計方法)を採用するビルボードジャパンソングチャートでは、最新7月31日公開分(集計期間:7月22~28日)にてJIMIN「Who」が96→21位に上昇しています。
ビルボードジャパンの集計期間は月曜開始であるため7月19日金曜リリースのJIMIN「Who」は今回が登場2週目となり、ダウンロードは6→53位に急落。この指標では最新7月31日公開分(→こちら)において、「Who」のインストゥルメンタルバージョンが36位に入ったのを皮切りに、オリジナルを含む7バージョンが100位以内に入っています。
そして上記CHART insightからは、青で表示されたストリーミングが強いことが総合チャート上昇の原動力であると解ります。同指標で20位に入っている「Who」ですが、一方で下記表から見えてくるものがあります。
上記は弊ブログにおける【CHART insightからヒットを読む】カテゴリーのエントリーにて掲載している表。日本における主要ストリーミングサービス(Apple Music、SpotifyおよびLINE MUSIC)の週間チャートを掲載し、サブスクサービスの間で乖離がないかを確認する等の目的で作成しています(なお各サブスクサービスの週間チャートは集計期間が異なります)。
たとえばこの表から、LINE MUSIC再生キャンペーン採用曲における同サービスと他のサブスクサービスとの乖離が可視化されることが多い状況です。これまでの傾向を踏まえ、キャンペーン終了後にLINE MUSICが急落し他のサブスクサービスで上昇しないならば社会的ヒットに成ったとは呼び難いと述べています。
JIMIN「Who」はSpotifyで7位、LINE MUSICで54位、そして日本で最大のシェアを誇るApple Musicでは100位未満という状況であり、社会的ヒットに至るかと言われれば現状では難しいというのが厳しくも私見です。「Who」ではLINE MUSIC再生キャンペーンが開催されていたことも踏まえれば(JIMIN『MUSE』配信記念「Who」LINE MUSIC再生キャンペーン開催決定! - BTS(7月19日付)参照)、Spotifyでの人気が圧倒的といえます。
そのSpotifyにおけるJIMIN「Who」の動きについても、気になる点があります。
最新7月31日公開分ビルボードジャパンソングチャートと集計期間最終日が同一の日本のSpotifyデイリー再生回数推移では、JIMIN「Who」が7月28日付で初の首位を獲得。同曲がこのチャートで初めてトップ10入りしたのはリミックス等リリースの7月23日付であり(21→2位、再生回数前日比185.8%)、一方この日は『MUSE』収録の「Smeraldo Garden Marching Band (feat. Loco)」が急落。そこからこのように推測しています。
さて、JIMIN側はStationheadでの公式リスニングパーティを連日開催しています。ならば7月23日よりも前からSpotifyで「Who」が急伸しておかしくなかったのではというのが私見です。
今回の急伸については、チャートへの意識が高く且つ貢献したい(上位初登場をプレゼントしたい)と考えるファンダムが、リミックス等リリース時に歌手側の投入の意義(チャート上昇を目指すという姿勢)を察知したことで、JIMINの作品をより高い位置に送り込むべく自発的に動いたことの結果ではと感じています。世界で同時に上昇したのは、米ビルボードによるグローバルチャートの存在も大きいかもしれません。
SpotifyデイリーチャートはApple MusicやLINE MUSICとは異なり、"(100位までではなく)200位まで"、そして"デイリー再生回数が可視化"という特徴があり、これらがコアファンの頑張りをより高める作用を持つといえるでしょう(LINE MUSIC再生キャンペーンにおいてユーザーに該当曲の再生回数が可視化されるのも似た理由と考えます)。それがSpotifyでの上昇と他のサブスクサービスとの乖離につながったというのが私見です。
(なお、ブログ筆者はSpotifyの特徴(" "内で記載)を踏まえ、日本のSpotifyデイリーチャートについてはXで日々発信しています。ただし他のサブスクサービスについては週間チャートを採り上げ、先述した表にまとめた上で、弊ブログにおける【CHART insightからヒットを読む】カテゴリーのエントリー(金曜公開)で紹介しています。なおSpotifyでの順位等紹介においては他のチャート紹介共々、冷静で客観的な発信を心がけています。)
社会的ヒットと呼ぶにはサブスクサービス間の乖離等が目立つ印象のJIMIN「Who」ですが、Spotifyデイリーチャートでは世界的にヒットを続けており、総合チャートでもグローバル、米および日本でしばらく存在感を発揮する可能性があります。
JIMINは『MUSE』収録の「Be Mine」英語詞版を一昨日リリース。これが「Who」人気にもつながるかも含め、「Who」の推移を注視する必要があると捉えています。