ビルボードジャパンソングチャートにおいて社会的ヒットに至る曲はロングヒットすることが基本的であり、そしてその獲得ポイントの過半数はストリーミングであることがCHART insightから解ります。ストリーミングは歌手のファンというわけではないものの曲が気になるライト層の支持が大きいのですが、施策(過去曲の上昇をもたらす新曲リリースを含む)を投入しない限りはポイントが緩やかにダウンすることが一般的です。
その中にあって、最新7月31日公開分ソングチャートにおいてMrs. GREEN APPLEによる各曲のポイントが増加しています。ビルボードジャパンでは週間ソングチャート50位までに入った曲のポイントを可視化していますが、最新週でランクインした11曲のうち「Dear」以外はすべてポイントを伸ばしている状況です。
<7月31日公開分ビルボードジャパンソングチャート
50位以内にランクインしたMrs. GREEN APPLE各曲のポイント前週比>
・2位 (前週2位) 「ライラック」 ポイント前週比100.7%
・7位 (同11位) 「青と夏」 同111.9%
・11位 (同14位) 「ケセラセラ」 同102.3%
・14位 (同18位) 「コロンブス」 同114.0%
・16位 (同19位) 「アポロドロス」 同122.2%
・24位 (同26位) 「ダンスホール」 同102.4%
・26位 (同27位) 「Soranji」 同100.8%
・30位 (同32位) 「点描の唄 (feat. 井上苑子)」 同106.2%
・32位 (同34位) 「Magic」 同109.8%
・36位 (同29位) 「Dear」 同87.7%
・44位 (同43位) 「インフェルノ」 同103.0%
当週におけるMrs. GREEN APPLEの強さの要因を探ります。
最新7月31日公開分ビルボードジャパンソングチャートは7月22~28日が集計期間。この期間の直前には"ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜"と題したスタジアムツアーが大団円を迎えています。
このスタジアムツアー終了翌日から1週間以内(つまり最新7月31日公開分ソングチャートの集計期間内)には自身のサイトのみならず、音楽ナタリーやビルボードジャパン、オリコン等でライブレポートが公開されています。ライブに行った方の余韻を持続させ、行っていない方には疑似体験ができる意味で、ライブレポートは重要な意味を持ちます。
【オフィシャル・ライブ・レポート公開📝】
— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) 2024年7月26日
≪ ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜 ≫
オフィシャル・ライブ・レポートを公開しました!
皆さま、ぜひご覧ください✨
▼詳細https://t.co/pyz2bDPPqJ
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集計期間内には今回のツアーにおける「コロンブス」のパフォーマンス動画も公開されています。
【「コロンブス」ライブ映像公開🥚】
— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) 2024年7月25日
Mrs. GREEN APPLE初のスタジアムツアー≪ ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜 ≫より、「#コロンブス」のライブ映像を公開しました🏟️
皆さま、ぜひご覧ください✨
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「コロンブス」においては、個人的に抱いたタイトルへの違和感を新曲ミュージックビデオの問題、Mrs. GREEN APPLEのチャート動向にどう影響したかを読む(6月20日付)で述べていますが、そのエントリーではミュージックビデオの早期引き下げを紹介した上で、起きた(起こした)問題に対し『真摯に受け止めるかどうかが、その後のチャートアクションにもつながるだろう』と記しました。
Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラの「Coke STUDIO」キャンペーン・ライブ参加見送りhttps://t.co/U711Hldasd
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2024年7月25日
日本コカ・コーラが、10/19・20開催のライブへのミセスの出演見送りを発表。キャンペーン賞品のステンレスタンブラーとワイヤレスヘッドホンも、相応のデジタルポイントに変更となる。
今回の集計期間内には日本コカ・コーラにおける対応が発表されましたが、ミュージックビデオの引き下げから時間が経過したこと、そのビデオ制作に関して冷酷と受け止められかねない姿勢を示したことも相まって、キャンペーン参加者等から厳しい批判が生まれています。この対応の差が、コアファンのみならずライト層においてもミセスの評価(一方で日本コカ・コーラへの失望)につながっているものと捉えています。
そして今回の集計期間中、Mrs. GREEN APPLEはストリーミングで新記録を樹立。大森元貴さんも下記ポストを引用する形で感謝の意を表明しています(→こちら)。
GfK Japanによるストリーミング再生回数レポートから、Mrs. GREEN APPLEの「ナハトムジーク」が7月24日までに1億回再生を突破したことが明らかに。Mrs. GREEN APPLEはYOASOBI、Official髭男dismと並んで首位タイだった1億回再生突破曲数“15”を“16”に更新したことで、最多アーティストになった。
Mrs. GREEN APPLE、ストリーミング億回楽曲数の最多アーティストに 計16曲 https://t.co/Yx8P5RVjdA
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年7月26日
今回の記録は「ナハトムジーク」の1億回再生突破に伴う達成ですが、通常ビルボードジャパンが億超え再生回数記録を発信するのは水曜午前4時となります。実際、「ナハトムジーク」については今週水曜に専用の記事が登場しており、上記記事は速報版といえます。
Mrs. GREEN APPLE「ナハトムジーク」自身16曲目のストリーミング累計1億回再生突破 https://t.co/Rq4X3RmPqT
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年7月30日
加えて、ストリーミングの億超え再生回数記録については2億回や4億回突破については紹介されないものの、ビルボードジャパンは今週に入り"ストリーミングまとめ"という記事を用意。そこで「ケセラセラ」の4億回突破がアナウンスされました。
Mrs. GREEN APPLE「ケセラセラ」が4億回再生突破:今週のストリーミングまとめ https://t.co/BOfj4p2R29
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年7月31日
ストリーミングまとめ記事の新登場は記録更新アナウンス共々、ビルボードジャパンによる柔軟な発信の表れといえます。そして今回の集計期間内に記録更新がアナウンスされたことも、Mrs. GREEN APPLE各曲の勢いをさらに高めることにつながったといえるでしょう。事実、最新チャートにおいてMrs. GREEN APPLE各曲のストリーミング順位や再生回数は多くの曲で上昇しています。
ツアー終了後の余韻を持続させること、「コロンブス」パフォーマンス映像の公開、ビルボードジャパンにおける新記録樹立等が、最新7月31日公開分ソングチャートにおけるMrs. GREEN APPLEの勢いを高めた要因と捉えています。そして今回紹介した内容のいずれもがMrs. GREEN APPLEの公式Xアカウントから発信されており(リポストを含む)、エンゲージメント徹底のための施策がチャートにきちんと反映されたといえるのです。
次週8月7日公開分においては全体的な勢いが弱まり、また首位の座においてはSnow Man「BREAKOUT」が優勢になるといえますが、「ライラック」はスタジアムツアーのパフォーマンス映像が公開されたこともあり、勢いをキープするものとみられます。
【「ライラック」ライブ映像公開🪻】
— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) 2024年7月31日
Mrs. GREEN APPLE初のスタジアムツアー≪ ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜 ≫より、「#ライラック」のライブ映像を公開しました🏟️
皆さま、ぜひご覧ください✨
🔗 https://t.co/XxRWhgKBxL
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【#ThrowbackMrsGREENAPPLE 🍏】
— Mrs. GREEN APPLE (@AORINGOHUZIN) 2024年8月1日
2018年8月1日 リリース#青と夏 をThrowback!!
🎥 https://t.co/CceUUp4ZnR
#MrsGREENAPPLE pic.twitter.com/D5121BybtT
そして今から6年前にリリースされた「青と夏」が今夏もトップ10入りを果たしています。同曲は昨年8月16日公開分ソングチャートで過去最高の7位に達し、最新チャートでその順位に並びました。昨日発表されたLINE MUSICのアンケートでも、「青と夏」の夏ソングとしての認知度の高さが解ります。
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— LINE MUSIC (@LINEMUSIC_JP) 2024年8月2日
𓇼 夏に聴きたい曲ランキングTOP10 𓆡
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"夏に聴きたい曲"に関する
世代別アンケートを実施した結果、
Mrs. GREEN APPLEの「#青と夏」が
全世代でランクイン!!🍏⛱
世代を超えて愛され、夏が来た喜びや
青春を感じられる #ミセス の名曲です💙
詳細📚👉🏻https://t.co/9ChpJbSuWO@AORINGOHUZIN
上記ポストもMrs. GREEN APPLE側がリポストの形で紹介しており、コアファン/ライト層双方が自然と聴く機会を増やしていくはずです。「青と夏」が今夏最高位を更新するかにも注目しましょう。