イマオト - 今の音楽を追うブログ -

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『音楽の日』ダンス企画、使用曲表示方法からみえる洋楽のぞんざいな扱いについて

今夏の地上波長時間音楽特番については出演歌手傾向等を後日掲載しますが、本日は昨日放送された『音楽の日 2024』(TBS)において気になったことを表明します。それはダンス企画から見えてきた、メディアの洋楽軽視といえる姿勢です。

 

 

20時台に放送されたダンス企画では様々な曲が用いられていますが、そこで使われた洋楽についてはその使用中に曲名および客演参加(フィーチャーされた)歌手はテロップに記載されても、主演名義の歌手の名前は登場しませんでした。これは洋楽への無礼だと断言します。

(マイケル・ジャクソンの曲を用いたバトルについては"マイケル・ジャクソン対決"と謳っているゆえテロップにマイケルの名は記載されていません。また邦楽については曲名の後、( )内にて歌手名がテロップ表示されています。)

 

ダンス企画において主演歌手の名がテロップ表示されなかった作品は以下となります。

ティンバランド & マグー feat. ファットマン・スクープ「Drop

・シアラ「Level Up」

ミッシー・エリオット feat. シアラ & ファットマン・スクープ「Lose Control」

・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk」

また映画主題歌対決としてSnow Man(のうち選抜の3名)が用いた「Eye Of The Tiger」(『ロッキー3』より)はサヴァイヴァーによる曲ですが、そのサヴァイヴァーの名も表示されませんでした。なお対決相手となるBE:FIRSTが用いた「One Last Kiss」(『シン・エヴァンゲリオン劇場版』より)においては、宇多田ヒカルさんの名が記されていました。

一方、邦楽で歌手名表示がなかった曲も。s**t kingz feat. edhiii boi、 Janet真夢叶(ぺろぺろきゃんでー) & JIMMY(PSYCHIC FEVER)「MORECHAU」はs**t kingzが選抜メンバー共々披露した曲ゆえ主演名義が表示されなかったのかもしれませんが、客演の3名に対し失礼ではないでしょうか。

 

そもそも日本のメディアは、客演を伴う曲については【(主演歌手) feat. (客演歌手)「(曲名)」】ではなく【(主演歌手)「(曲名) feat. (客演歌手)」】という表記を多く用いていますが、この表記方法自体疑問を抱いています。そして今回の違和感も相まって、番組の洋楽の扱いに対する疑念は強まっています。これは不快感とすら呼べるものです。

 

 

日本はダンスが中学校の必須科目となり、ダンスへの感度は高まっています。ゆえに今回の企画がダンスを始める(深める)きっかけに成るかもしれません。しかし今回を機に"この曲で踊りたい!"という衝動が生まれたとして、主演歌手名が未記載ゆえ探しにくい状況を生んだならば機会損失であり、そして歌手に対し大変失礼です。

そもそも日本ではK-POPを除く洋楽のランクインが減少し、"洋楽が聴かれなくなった"という言説が目立っています。ゆえにこのブログでは様々な改善提案を記していますが、減少理由のひとつがラジオ局、つまりメディアの変化ではないかと捉えていました。

ラジオでの洋楽OA減少においては曲紹介時におけるイントロ乗せ等の技術が重視されなくなったことや起用DJの変化も影響していると捉えていますが、乱暴な表現と前置きして書くならば、ともすればメディア全体が曲、特に洋楽ををぞんざいに扱うようになったことが今回の『音楽の日』ダンス企画にはっきり表れてしまったものと捉えています。

 

上記ポストの企画終了直後の発信に巧いと感じつつ、ソニーミュージック側が行うべきは今回の番組のみならずメディア全体に蔓延る洋楽へのぞんざいな扱いを解消するための提案ではないでしょうか。

 

ちなみに、上記で紹介したミッシー・エリオットは今夏『Out Of This World』コンサートツアーを実施し、同じく先述したシアラやティンバランドも帯同しています。

またシアラがインディから初めてリリースしたアルバム『Beauty Marks』(2019)より、その前年にリリースした「Level Up」は今月米レコード協会(RIAA)よりダブルプラチナの称号が与えられたばかり。これらの動きが認知されることを願うばかりです。

 

 

最後に。今回『音楽の日』のダンス企画では"垣根は越えた!今度はバトルだ!"というキャッチコピーが使われていました。

しかしながらダンス企画は生放送の模様であり、同じく夜に登場したNumber_iもまた生出演でした。ならばNumber_iも参加できたのではないかというのが私見です。