現地時間の7月8日月曜に発表された、最新7月13日付米ビルボードソングチャート(集計期間:6月28日~7月4日)。前週首位に返り咲いたポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」は2位へ後退、シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」がキャリア初の首位獲得を果たしています。
.@ShaboozeysJeans’s ‘A Bar Song (Tipsy)’ Hops to No. 1 on the #Hot100 https://t.co/ERwXj6BsrE
— billboard (@billboard) 2024年7月8日
シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」はストリーミングが前週比10%アップの4480万(同指標初の首位)、ダウンロードが同6%アップの23,000(同指標8週目の首位)、ラジオが同11%アップの6000万(同指標4位)を記録。ラジオはトップエアプレイゲイナーを獲得しています。
「A Bar Song (Tipsy)」は米ビルボードによるカントリーエアプレイ、ポップエアプレイ、アダルトポップエアプレイおよびリズミックエアプレイの4つのラジオチャートすべてでトップ10入りを果たした最初の作品となりました(当週は順に6位、8位、8位、5位)。4つのチャートがすべて揃った1996年3月以降において、これら全てにランクインした曲はわずか13作品にとどまります。
「A Bar Song (Tipsy)」はJ-クウォンによる「Tipsy」(2004 2位)を引用。この2曲は6月30日に開催されたBETアワードにてマッシュアップの形で披露されていますが、「A Bar Song (Tipsy)」は元の「Tipsy」を総合順位で上回った形です。また「A Bar Song (Tipsy)」の首位獲得に伴い、J-クウォンはライターとしてキャリア初の首位を手にしています。
「A Bar Song (Tipsy)」は黒人男性歌手(もしくは混血として知られている歌手)として、共に1958年開始の総合ソングチャートおよびカントリーソングチャートの双方を制した最初の作品となりました。また黒人歌手としてはビヨンセ「Texas Hold 'Em」(2024)に次ぐ2曲目の記録達成です。
シャブージーはビヨンセのアルバム『Cowboy Carter』(2024)で2曲に参加し、収録曲の「Spaghetti」(リンダ・マーテルも参加)が4月に31位、「Sweet * Honey * Buckiin」が同じく61位を記録。この2曲がシャブージーにとって初のソングチャートエントリー作品となります。また「A Bar Song (Tipsy)」を収録した『Where I’ve Been, Isn’t Where I’m Going』は6月の米ビルボードアルバムチャートで5位初登場を果たしています。
総合ソングチャート、カントリーソングチャートの双方を制したのは「A Bar Song (Tipsy)」が今年3曲目。前年には4曲が達成、そして1975年が最も多く同時制覇を輩出した年となります。
<米ビルボードソングチャートおよびホットカントリーソングチャート双方を制した曲>
・ジョニー・ホートン「The Battle Of New Orleans」(1959)
・マーティ・ロビンス「El Paso」(1959-1960)
・ジミー・ディーン「Big Bad John」(1961)
・ジェニー・C. ライリー「Harper Valley P.T.A.」(1968)
・ボビー・ゴールズボロ「Honey」(1968)
・チャーリー・リッチ「The Most Beautiful Girl」(1973)
・ビリー・スワン「I Can Help」(1974)
・B.J.トーマス「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(1975)
・フレディ・フェンダー「Before The Next Teardrop Falls」(1975)
・ジョン・デンバー「Thank God I'm A Country Boy」(1975)
・グレン・キャンベル「Rhinestone Cowboy」(1975)
・ジョン・デンバー「I'm Sorry」(1975)
・C.W.マッコール「Convoy」(1975-1976)
・グレン・キャンベル「Southern Nights」(1977)
・ケニー・ロジャース「Lady」(1980)
・ドリー・パートン「9 To 5」(1981)
・エディ・ラビット「I Love A Rainy Night」(1981)
・ケニー・ロジャース duet with ドリー・パートン「Islands In The Stream」(1983)
・ローンスター「Amazed」(1999-2000)
・テイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」(2012)
・テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」(2021)
・モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)
・ジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」(2023)
・オリヴァー・アンソニー・ミュージック「Rich Men North Of Richmond」(2023)
・ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」(2023)
・ビヨンセ「Texas Hold 'Em」(2024)
・ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」(2024)
・シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」(2024)
シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は米ビルボードソングチャート66年近い歴史の中で1,174曲目の首位獲得作品となり、その中でタイトルに"Song"が付いた作品としては11曲目となります。なお、シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」においては曲名が歌詞には登場しません。
<米ビルボードソングチャート首位獲得曲で、タイトルに"Song"を含む作品>
・デヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958-1959)
・ニール・ダイアモンド「Song Sung Blue」(1972)
・ロバータ・フラック「Killing Me Softly With His Song」(1973)
・ジョン・デンバー「Annie's Song」(1974)
・B.J. トーマス「(Hey Won't You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(1975)
・バニー・マニロウ「I Write The Songs」(1976)
・ウイングス「Silly Love Songs」(1976)
・ルパート・ホルムズ「Escape (The Pina Colada Song)」(1979-1980)
・ビリー・オーシャン「There'll Be Sad Songs (To Make You Cry)」(1986)
・スティーヴィーB「Because I Love You (The Postman Song)」(1990)
・シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」(2024)
チャペル・ローン「Good Luck, Babe!」が11→10位に上昇し、キャリア初のトップ10入り。ストリーミングは前週とほぼ変わらず2090万、ダウンロードは同342%アップの15,000、ダウンロードは同20%アップの1600万を記録。ダウンロードは今回の集計期間中にフィジカル11,000枚を発送しており、トップセールスゲイナーを獲得しています。
「Good Luck, Babe!」を収録した『The Rise And Fall Of A Midwest Princess』は最新7月13日付米ビルボードアルバムチャートで初のトップ5入りを果たしています。「Good Luck, Babe!」はチャペル・ローンがダン・ニグロおよびジャスティン・トランターと共同でソングライトを実施、プロデュースはダンが単独で担当しています。ソングライターとしてダンは7曲目のトップ10入り(うち6曲はいずれもオリヴィア・ロドリゴの作品)、またジャスティンは10曲目のトップ10入りを果たしています。
チャペル・ローン「Good Luck, Babe!」、そしてサブリナ・カーペンター「Espresso」(4位)および「Please Please Please」(6位)のヒットにより、2014年初頭以降ユニバーサルミュージックグループ傘下にあるアイランドレコード発の作品が初めて3曲同時トップ10入りを果たしています。
2位に後退したポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」は、ラジオが前週比4%アップの7970万を記録し、同指標2週目の首位に。また米ビルボードが毎夏実施するソング・オブ・ザ・サマーチャート(Songs Of The Summer)において今年度の開始以降6週連続で首位に立っています。
最新のトップ10はこちら。
This week's top 10 on the #Hot100 (chart dated July 13, 2024).
— billboard charts (@billboardcharts) 2024年7月8日
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1位 (前週2位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」
2位 (1位) ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」
3位 (3位) ケンドリック・ラマー「Not Like Us」
4位 (4位) サブリナ・カーペンター「Espresso」
5位 (6位) トミー・リッチマン「Million Dollar Baby」
6位 (5位) サブリナ・カーペンター「Please Please Please」
7位 (7位) ホージア「Too Sweet」
8位 (8位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」
9位 (9位) テディ・スウィムズ「Lose Control」
10位 (11位) チャペル・ローン「Good Luck, Babe!」
なお、最新7月13日付米ビルボードソングチャートではミーガン・ザ・スタリオン feat. 千葉雄喜「Mamushi」が68位に初登場。千葉雄喜さんはキャリア初となる同チャート100位以内エントリーを果たしています。
.@theestallion debuts three songs on this week's #Hot100:
— billboard charts (@billboardcharts) 2024年7月8日
No. 67, "Otaku Hot Girl"
No. 68, "Mamushi" feat. @kohh_t20
No. 77, "Where Them Girls At"
"Mamushi" earns Yuki Chiba (aka KOHH) his first career entry on the chart.
続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。7月13日付ではGlobal 200でサブリナ・カーペンター「Espresso」が自身の「Please Please Please」から首位の座を奪取、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではLISA「Rockstar」が首位初登場を果たしています。
LISA Earns Her First Billboard Global Excl. U.S. No. 1 With Debut of ‘Rockstar’ https://t.co/RX50Mkrf8l
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This week's top 10 on the #Global200
— billboard charts (@billboardcharts) 2024年7月8日
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This week's top 10 on the Global Excl. U.S. chart.
— billboard charts (@billboardcharts) 2024年7月8日
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Global 200はサブリナ・カーペンター「Espresso」が3週ぶりに首位返り咲き。ストリーミングは前週比6%ダウンの9290万、ダウンロードは同9%ダウンの9,000を記録しています。一方、前週まで2連覇を達成していたサブリナによる「Please Please Please」は2位へ後退。サブリナは前週の段階でこのチャートで3週連続ワンツーフィニッシュを達成した最初の歌手となりましたが、その記録を4週に伸ばしています。
Global Excl. U.S.ではBLACKPINKのLISAによる「Rockstar」が初登場で首位を獲得。ストリーミング9420万、ダウンロード44,000を記録しています。
タイ出身のLISAにとっては、Global Excl. U.S.3曲目のトップ10入りにして初の首位に。またBLACKPINKのメンバーによるソロ曲としては3人目となる首位を獲得しています。
<BLACKPINKおよびメンバーソロ曲におけるGlobal Excl. U.S.首位獲得曲>
・BLACKPINK「Lovesick Girls」(2020年10月17日付 1週)
・ROSÉ「On The Ground」(2021年3月27日付 1週)
・BLACKPINK「Pink Venom」(2022年9月3日付以降 3週)
・BLACKPINK「Shut Down」(2022年10月1日付 1週)
・JENNIE「You & Me」(2023年10月21日付 1週)
・LISA「Rockstar」(2024年7月13日付 1週)
Global Excl. U.S.においてBLACKPINKは、メンバーソロ曲で複数名が首位を獲得した唯一のグループとなりましたが、その数が今回3名に増加。なおJISOOは2023年4月に「Flower」が2位を獲得しています。
LISA「Rockstar」はGlobal 200では4位に初登場を果たしています。
Global Excl. U.S.ではBTSのJIMINがLOCOを迎えた「Smeraldo Garden Marching Band」が7位に初登場。ストリーミング4040万およびダウンロード34,000を記録しています。JIMINはソロとして4曲目のトップ10入りとなり、BTSのメンバーではVに並び、ジョングク(6曲 うち3曲が首位獲得)に次ぐ2位タイとなります(その他、JINおよびSUGAはそれぞれ1曲がトップ10入り)。なおBTSとしては7曲の首位獲得作品を含む11曲がトップ10入りしています。また今回招かれたLOCOはキャリア初のトップ10入りを達成しています。
Global Excl. U.S.ではカロルG「Si Antes Te Hubiera Conocido」が12→8位に上昇。ストリーミングは前週比15%アップの4600万を記録し、登場2週目で同曲初のトップ10入り。カロルGはGlobal Excl. U.S.で7曲目のトップ10入りを果たしています。