イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

千葉雄喜参加の「Mamushi」がグローバルヒットの可能性、そして報じられていないことについて

ミーガン・ザ・スタリオン(ミーガン・ジー・スタリオン等カタカナ表記が統一されていませんが、弊ブログではこの表記を用います)が6月28日にリリースしたアルバム『Megan』収録曲で、千葉雄喜さんをフィーチャーした「Mamushi」が好調です。

「Mamushi」については上記エントリー掲載後、米Spotifyデイリーチャートでランクインしたことを紹介しましたが(NewJeans、千葉雄喜…日本語を含む曲が海外チャートで轟き始めていることについて(7月3日付)参照)、その後も上昇を続けています。

 

ミーガン・ザ・スタリオン feat. 千葉雄喜「Mamushi」は米Spotifyにてリリースの翌々日に154位に初登場した後、74→56→43→71位と推移。最新7月4日付で順位を落としたのはザック・ブライアンのニューアルバム『The Great American Bar Scene』収録曲が大挙初登場を果たしたこと、また独立記念日に伴いマイリー・サイラス「Party In The U.S.A.」(103→9位)等のアメリカに関連した曲が伸びたことが影響しています。

これにより、6月28日からを集計期間とする米Spotify週間チャートでは「Mamushi」が93位に初登場を果たしています。

 

上記リンク先では「Mamushi」のグローバルおよび各国(地域)のデイリーおよび週間チャート動向が確認可能。グローバルデイリーチャートでは7月3日付で147位に初登場(翌日付では149位に後退)、また7月3日付時点では南アフリカやナイジェリア、ルーマニアブルガリアカザフスタンおよびアラブ首長国連邦でもデイリー200位以内に入っており、広く世界で広まりつつあることが解ります。

 

これらを踏まえれば、米ビルボードによる7月13日付グローバルチャート(集計期間:6月28日~7月4日)ではGlobal 200およびGlobal Excl. U.S.にて200位以内にランクインすることは難しいかもしれませんが、以前紹介したTikTokでの人気がダウンロードにも波及すれば「Mamushi」が米ビルボードソングチャートで100位以内にランクインする可能性もあると考えます。

ミーガン・ザ・スタリオンは公式YouTubeチャンネルにて、『Megan』に収録された「Otaku Hot Girl」のビハインドザシーン動画を今週公開。日本滞在時の模様を収めたもので、千葉雄喜さんをはじめ新しい学校のリーダーズも登場しています。

Otaku Hot Girl」は『Megan』リリース当初に最も再生回数が高かった曲ゆえ、上記動画が用意された可能性があります。現在は「Mamushi」が最も再生回数を獲得していることから、今後の人気次第では「Mamushi」においてもミュージックビデオ等動画が用意され、アルバムの次のシングルと位置付けられるかもしれません。

 

 

ミーガン・ザ・スタリオン feat. 千葉雄喜「Mamushi」は米Spotifyデイリーチャートで米津玄師「KICK BACK」の最高位(59位)を上回りました。藤井風「死ぬのがいいわ」が米レコード協会からゴールド認定を受けたことが先日話題となりましたが、日本の楽曲では「KICK BACK」が初。その「KICK BACK」の順位を「Mamushi」が(客演参加であれ)超えたならば、「Mamushi」のチャート動向も積極的に報じられていいと思うのです。

「KICK BACK」はグローバルのSpotifyデイリーチャートでトップ50入りした際に日本のメディアが一斉に採り上げましたが、トップ50入り判明からのタイムラグを踏まえるにレコード会社によるプレスリリースの存在が大きい(言い換えればそれがないと積極的に報じられない)傾向にあると捉えています(上記エントリー参照)。ならばミーガン・ザ・スタリオンの所属レコード会社側に期待したいのですが、難しいかもしれません。

楽曲のリリースから1週間後となる2月2日、ミーガンはワーナー・ミュージック・グループとの“革新的な”ディストリビューション契約を発表した。このユニークなパートナーシップにより、彼女は音楽プロモーションから流通、各国のマーケティングに至るまで、WMGのグローバル・サービスを利用できるようになる。

ミーガンは、今後も自身のレーベル<Hot Girl Productions>から音楽をリリースし続けるが、この契約により、彼女が自ら原盤と音楽出版を管理し、所有権を保持することができる。

ワーナーミュージック・ジャパン洋楽部門のX公式アカウントでは『Megan』に関する発信が確認できますが(→こちら)、そのつぶやきにて歌手名をカタカナ表記にしていないこと、そもそもメディアやサブスクサービスでカタカナ表記が統一されていないことも含め、ともすればミーガン・ザ・スタリオンの契約形態が日本での積極的な発信につながっていないのではと感じています。

とはいえ本来は契約形態に関係なく、日本のレコード会社側そして日本の(音楽)メディアも、好調なチャート動向を積極的に(後者はプレスリリースに頼ることなく)発信すべきだというのが私見です。