イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) INI「LOUD」がビルボードジャパン総合首位獲得、櫻坂46「自業自得」を上回った要因とは

(※追記(8時50分):エントリーの序盤にて『また乃木坂46「自業自得」はラジオ57位』と記載していましたが、正しくは櫻坂46「自業自得」でした。訂正し、お詫び申し上げます。)

 

 

 

最新7月3日公開分(集計期間:6月24~30日)のビルボードジャパンソングチャートでは前週まで通算19週首位を獲得していたCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が3位に後退、INI「LOUD」が登場2週目で首位に立ちました。

INI「LOUD」は櫻坂46「自業自得」と同日フィジカルシングルをリリース。これが高ポイント獲得に大きく影響していると捉えています。2曲のCHART insightは下記に。

なお2曲ともカラオケ指標はポイント加算対象外(300位圏外)であり、また櫻坂46「自業自得」はラジオ57位、動画再生34位であることが総合ソングチャートの記事にて判明しています。

 

INI「LOUD」(が収録された『THE FRAME』)および櫻坂46「自業自得」は同日フィジカルリリースされ、前者は初週812,184枚、後者は762,455枚を売り上げています。双方の前作はINI「HANA_花」(が収録された『TAG ME』)が458,697枚、櫻坂46「何歳の頃に戻りたいのか?」が531,916枚。両者とも大きく数値を伸ばした形であり、共に50万前後のセールスが見込める歌手ながら同日リリースという構図が影響したと思われます。

そして当週の獲得ポイントは、INI「LOUD」が18,424ポイントに対し櫻坂46「自業自得」は14,436ポイントと、4千ポイント近い差が生じています。フィジカルセールス指標は一定以上の週間セールスに対し係数処理が施されるためこの指標のみで大差がつくことは難しいのですが、「LOUD」はダウンロード、ラジオおよび動画再生において「自業自得」を引き離したことが、上記CHART insightや記事から解ります。

 

INI「LOUD」は当週においてダウンロードが前週のおよそ28倍を記録(総合ソングチャートの記事参照)。この指標で初の首位に立ったのみならず、「Rocketeer」を上回り自己最高の週間DL数を記録しています。配信は前週6月26日公開分における集計期間初日(6月17日)であり、登場2週目に数値を大きく伸ばした形です。

ストリーミング指標にて「LOUD」は櫻坂46「自業自得」に及びませんでしたが、指標の基となるストリーミング再生回数は前週比216.2%を記録したことが下記記事から解ります。ビルボードジャパンはこの状況を『爆増』と表現しています。

この記事ではINI「LOUD」において、様々なビデオが展開されたことを紹介。ミュージックビデオは配信リリース日に解禁されていますが、当週の集計期間中には下記動画も登場しています。動画再生指標は付番されているISRC(国際標準レコーディングコード)が同一ならば合算されるため、複数動画の登場がこの指標14位獲得の要因といえます。

 

そしてラジオ指標。こちらは全国31のラジオ局におけるOA回数を基に各局の聴取可能人口等を加味して算出されるもので、INI「LOUD」は指標そして元データでも2位を獲得しています。調査したプランテックによる記事では、興味深い文言がみられます。

帯放送のコーナー/番組といった定期枠でまとまったオンエア数を確保しつつ、27日放送のJFN系列番組「ディア・フレンズ」でのゲスト出演、および多数番組でのコメント出演も奏功し、多数のリクエストオンエアが確認されていることも特筆すべきだろう。上位のサザンオールスターズに継ぐその数からは、ファンダム拡大の勢いの凄さが見て取れる。

 

記事にて指摘されているファンダムの存在、そしてその勢いの凄さはラジオ指標のみならず、今回のチャート動向全体から感じられるものです。櫻坂46「自業自得」と同日フィジカルリリースであることからフィジカル購入に勤しむ姿も確認できましたが、櫻坂46以上に複合指標から成るビルボードジャパンソングチャートを重視する姿勢が、デジタルの所有および接触指標における登場2週目の急増につながったといえるでしょう。

なおストリーミングにおいて、INI「LOUD」は櫻坂46「自業自得」と異なりLINE MUSIC再生キャンペーンを用意していません。「自業自得」はこのキャンペーン効果もあり総合ソングチャート初登場時にトップ10入りしていましたが(LINE MUSIC再生キャンペーンの内容はこちら)、「LOUD」が当週この指標で9位に入ったことを興味深く感じています。

 

 

さて、重要なのは次週の動向です。次週は上位進出曲が大挙登場し、順位変動が大きくなることが想起されます。ゆえに、順位面共々ポイント前週比を確認することが大切です。

ストリーミング指標の基となるStreaming Songsチャート、および主要なデータ提供元の順位をみると、INI「LOUD」および櫻坂46「自業自得」は共にLINE MUSICが高い一方でApple MusicやSpotifyとは乖離が目立っています。「自業自得」はLINE MUSIC再生キャンペーンが7月1日で終了するため次週の急落が予想されますが、「LOUD」がどう推移するかも注視する必要があると捉えています。

 

このストリーミング指標にも影響を与えるのがテレビパフォーマンス、そしてTHE FIRST TAKEへの登場です。そのTHE FIRST TAKEに昨日2回目の出演を果たしたINIのパフォーマンス曲は、しかしながら「LOUD」ではありませんでした。「I'm a Dreamer」は「LOUD」同様『THE FRAME』に収録されていますが、仮に今回「LOUD」が披露されたならばチャートアクションは変わったことでしょう。

(THE FIRST TAKEにおける披露曲の傾向を踏まえ、INI側もしくはチャンネル側が「LOUD」ではなく「I'm a Dreamer」を選んだものと考えます。)

それでも、THE FIRST TAKEへの登場はチャンネルのファンでありながらINIのコアファンではない方に対し、歌手の認知度を高め、いずれコアファンに昇華する可能性も持ち合わせていると考えます。当週における「LOUD」の動向はコアファンによる熱量が大きいといえますが、ロングヒットに至るにはコアファン以上にライト層の支持が重要となります。チャンネルへの登場がどのように波及するか、注目です。