イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「Bling-Bang-Bang-Born」は次週以降首位獲得なるか、そして真の社会的ヒットとは何かを考える

最新6月26日公開分(集計期間:6月17~23日)のビルボードジャパンソングチャートでは、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が3週連続、通算19週目となる首位を獲得しています。

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」はポイントがダウン傾向にありながらも、この4週は下落幅を5%以内に抑えています。当週はダウンロード指標の増加がみられますが、これは集計期間中に『with MUSIC』(日本テレビ)でパフォーマンスを披露したことが影響したと考えられます。テレビパフォーマンスはとりわけダウンロード指標に大きく反映される傾向があります。

 

一方で「Bling-Bang-Bang-Born」は、ストリーミング指標が21連覇で、カラオケ指標が14週でストップする等、勢いが弱回っていることは間違いないでしょう。次週はダウンロード指標の反動も発生し、ポイント下落幅が大きくなるかもしれません。YOASOBI「アイドル」の持つ最多首位獲得記録まであと3週ですが、次週以降はフィジカルセールスに強い曲が多いゆえ「アイドル」に追いつくかは難しい状況といえそうです。

 

次週以降少なくとも4週に渡り、初週50万枚前後のフィジカルセールスを記録する作品が総合ソングチャートでも上位に登場するものと思われます。すとぷり「誓いの花束を~With You~」が6月12日公開分において502,920枚のフィジカルセールスを記録しながら他指標未加算(300位未満)となり、総合で6,941ポイントを獲得したことを踏まえれば、少なくとも以下の2曲は次週の7千ポイント超えが既に確実といえるでしょう。

(なお、INIのフィジカルシングル表題曲は「LOUD」となります。)

 

上記2曲が総合ソングチャートで首位を獲得できるかはデジタルの動向が鍵となりますが、しかしながらより重要なのはストリーミング人気に伴うロングヒットであり、フィジカルセールス指標2週目、またLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲はその終了後におけるストリーミング指標の動向を確認し、真の社会的ヒットに至るかを見極める必要があります。

この見方の重要性、そして1週分のチャートでも社会的ヒット曲を可視化すべくビルボードジャパンソングチャートの集計方法は変わるべきだということについては、真の社会的ヒット曲をより可視化すべく、ソングチャートのチャートポリシー変更を提案する(6月22日付)にて記しました。「Bling-Bang-Bang-Born」の首位の座を一時的に奪取した作品の翌週動向をみれば、ブログエントリーを記載した理由が解るはずです。

 

今後はCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が20週目の首位を獲得できるかが注目点となります。フィジカルセールスに強い作品はそれだけで大きなアドバンテージとなりますが、他方デジタルに強くない、またダウンロードやサブスクを未だ解禁しない作品も少なくありません。それら作品のフィジカルセールス指標初加算時においても、「Bling-Bang-Bang-Born」が総合で上回る可能性は十分考えられるでしょう。