イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

アリアナ・グランデ版の源、ブランディ & モニカ「The Boy Is Mine」とその関連曲プレイリスト

アリアナ・グランデが今年リリースしたアルバム『Eternal Sunshine』から、「The Boy Is Mine」のミュージックビデオが今月公開されています。ここでテレビキャスターとして登場しているのがR&B歌手のブランディ、そしてモニカであり、このふたりによる「The Boy Is Mine」がアリアナによる同名異曲の創作の源となっています。

アリアナ・グランデ「The Boy Is Mine」(2024)

 

そして先週、そのふたりを迎えたリミックスが公開されました。

アリアナ・グランデ with ブランディ & モニカ「The Boy Is Mine (Remix)」(2024)

 

今回はアリアナによる曲、そしてリミックスが生まれるきっかけとなったオリジナル版の「The Boy Is Mine」、ならびにその関連曲を紹介します。

 

 

・ブランディ & モニカ「The Boy Is Mine」(1998)

ビルボードソングチャート13週首位を記録し、女性歌手のコラボレーションでは最大級のヒットを記録。ティーンエイジャーのブランディとモニカがひとりの男性を取り合うという構図は、当時双方のファンによるバトルになったともいわれています。

 

マイケル・ジャクソンポール・マッカートニー「The Girl Is Mine」(1982)

その「The Boy Is Mine」の源泉になったといわれるのがマイケル・ジャクソンポール・マッカートニーによる「The Girl Is Mine」。「The Boy Is Mine」のプロデューサーであるロドニー・ジャーキンスは後にマイケルの作品に関与することに。

 

・モニカ「All Eyez On Me」(2002)

ロドニー・ジャーキンスとモニカのタッグ作では、マイケル・ジャクソン「P.Y.T. (Pretty Young Thing)」(1982)を引用。ただこの曲を含むアルバムは米でリリースされず、翌年この曲を外す等の措置がとられた上で再リリースへ。

 

・ブランディ「What About Us?」(2002)

ロドニー・ジャーキンスは「The Boy Is Mine」を機にブランディへ大きく関与。ファーストアルバムにてキース・クラウチによるファンクを多数シングル化していたブランディは、サードアルバム『Full Moon』の先行曲にてスペイシーなファンクを展開。

 

・マヘリア feat. ジョジョ「Cheat」(2023)

ブランディ & モニカ「The Boy Is Mine」の功績は、女性同士がひとりの男性を取り合う、そしていがみ合うという構図の曲をその後多く輩出したこと。マヘリア、ジョジョによる「Cheat」はミュージックビデオのオチまで「The Boy Is Mine」を意識。

 

ホイットニー・ヒューストンジョージ・マイケル「If I Told You That」(2000)

「The Boy Is Mine」のもうひとつの功績は、ロドニー・ジャーキンスによる激しいウワモノとベーシックな4つ打ちの融合アレンジ。ハープを低音ピアノに置き換えたロドニー自身によるホイットニー曲は、翌年のベスト盤収録時にジョージ・マイケルを招聘。

 

宇多田ヒカルAddicted To You (UP-IN-HEAVEN MIX)」(1999)

「The Boy Is Mine」的音使いはロドニー・ジャーキンス以外も。代表がジャム & ルイスによる宇多田ヒカルAddicted To You」で、彼ららしい"UNDERWATER MIX"とは対照的な仕上がりに。後にロドニーも「タイム・リミット」で宇多田ヒカルさんに関与。

 

XG「WOKE UP」(2024)

「The Boy Is Mine」のプロデュース/ソングライトのひとりとして、アリアナ・グランデの前作にも関与したShintaro Yasuda氏がクレジット。XGTravis Japan等、世界を意識するJ-POP歌手の作品を手掛けており、今注目すべき制作者といえます。

 

アリアナ・グランデ with マライア・キャリー「Yes, And? (Remix)」(2024)

アリアナ・グランデ『Eternal Sunshine』のリード曲では、彼女の憧れであるマライア・キャリーを招聘。このアプローチが最新シングルにおけるブランディ & モニカの参加につながったといえるでしょう。

 

アリーヤ「Everything's Gonna Be Alright」(1996)

1990年代に10代でデビューし、米R&B界の一時代を築いたひとりがアリーヤ。セカンドアルバム『One In A Million』収録のこの曲はロドニー・ジャーキンス作のシンプルなR&Bで、ロドニーとマイケル・ジャクソンとの「You Rock My World」(2001)も想起。

 

・オリヴィア・ロドリゴ「Driver's License」(2021)

女性同士によるいがみ合いはゴシップ好きにとって格好のトピックとなり、それを想起させる曲が大ヒットすることも。俳優としても成功を収めたオリヴィア・ロドリゴによるファーストアルバム先行曲は米で首位を獲得し、以降もヒットを連発しています。

 

・サブリナ・カーペンター「Please Please Please」(2024)

そのオリヴィア・ロドリゴと三角関係にあると言われたのがサブリナ・カーペンター。2001年に「Skin」がスマッシュヒットするもオリヴィアと大差がついた形でしたが、2024年の夏を「Espresso」と共に席巻し、最新米チャートを制しています。

 

 

アリアナ・グランデ「The Boy Is Mine」の源となったブランディ & モニカ「The Boy Is Mine」から想起する曲をまとめました。下記Spotifyのプレイリストにはさらなる関連曲を含め、20曲を収録しています。気になった方は是非チェックしてください。