イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2024年夏の地上波長時間音楽特番から出演歌手傾向およびテレビ局の動向を読む (途中経過版)

来週以降地上波で放送される大型音楽特番の出演者傾向を分析します。昨年末に関しては下記エントリーをご参照ください。なお、今後も追加アナウンスがあることを踏まえ、最終版を後日ブログにて掲載する予定です。

 

今回参考とした番組は以下の4番組、リンク先は番組ホームページおよび音楽ナタリー掲載分となります。

 

・6月26日放送 テレビ東京『テレ東ミュージックフェス2024夏 ~昭和の常識は…令和の非常識!ヤバい昭和の超名曲 vs 令和ヒット曲100連発~』

・7月3日放送 フジテレビ『2024FNS歌謡祭 夏』

・7月6日放送 日本テレビTHE MUSIC DAY 2024』

・7月13日放送 TBS『音楽の日2024』

 

なお、昨年は6月17日に放送された読売テレビ『カミオト-上方音祭-』についてですが、今年放送されません。Xのアカウント(@kamiotoytv)では投稿内容を本日をもって削除すると共に、『近日中に新たな音楽プロジェクトを発表させていただく』ことをアナウンスしています。

(※上記ポストも削除される可能性を踏まえ、キャプチャを掲載しました。問題があれば削除いたします。)

 

 

現時点で3番組以上への出演が決定している(表にて黄色で表示している)のは、&TEAM、Snow ManDA PUMP、超ときめき♡宣伝部、超特急、TOMORROW X TOGETHER、Number_i、NewJeans、FANTASTICS from EXILE TRIBE、ME:IおよびLE SSERAFIMの11組となっています。

男女共にアイドル/ダンスボーカルグループの出演傾向が目立つ印象であり、またそのジャンル全体の勢力図が動いていると感じた次第です。

 

テレビ東京NHK同様、STARTO ENTERTAINMENT所属歌手の新規起用を現時点でも見合わせており、『テレ東ミュージックフェス2024夏』でも踏襲されています。言い換えればSnow Manは、テレビ東京以外の3番組すべてで起用されているということですが、STARTO ENTERTAINMENT所属歌手で3番組出演はSnow Manのみにとどまっています。

他方、TOBEのNumber_i、LDHFANTASTICS from EXILE TRIBEスターダストプロモーションの超特急等、STARTO ENTERTAINMENT以外に所属する男性アイドル/ダンスボーカルグループの出演が目立ってきているのも今夏の傾向です。特に今年元日デビューのNumber_iはテレビ東京以外の3番組に出演し、そのテレビ東京では北山宏光さんが登場することから、TOBEの勢いが感じられます。

 

女性アイドル/ダンスボーカルグループでも興味深い変化が生まれています。常連である乃木坂46AKB48よりも超ときめき♡宣伝部が出演本数で上回っていること、またFRUITS ZIPPERが2番組に出演することは、メディアが音楽チャートの中でも特にTikTok等ショート動画人気を意識したことの反映といえるでしょう。

リリース年は異なりますが、TikTokでヒットした超ときめき♡宣伝部「最上級にかわいいの!」およびFRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」は共に、今年THE FIRST TAKEで披露されており、このYouTubeチャンネルにおけるスタンスもテレビメディアに反映されたかもしれません。なお、ふたつの動画の概要欄には、SNSでのバイラルヒット、TikTok(総再生回数)数億回突破の文言が記されています。

(そしてここからは、(追記あり) ビルボードジャパンによる2024年度上半期チャートが本日発表…7つの注目ポイントとは(6月7日付)にて提案したように、ビルボードジャパン総合ソングチャートがショート動画人気をより反映したものにする必要があるのではないかということを、あらためて感じています)

 

また今年デビューのME:Iが3番組に出演。デビュー曲の「Click」は2024年度上半期のビルボードジャパンソングチャートで59位を記録しています。アイドルやダンスボーカルグループは所有指標が強い一方で接触指標が伴わずロングヒットしにくい中、「Click」はトップ10入りこそ1週ながら週間最高2位、100位以内ランクインは11週となっており、このジャンルで強さを発揮しています。

 

 

今夏の地上波長時間音楽特番出演歌手においてはビルボードジャパンの上半期ソングチャート以上にアイドル/ダンスボーカルグループの登場が目立つ印象です。ただしラインナップ、もっといえば勢力図の変化とも呼べる状況からは、最終的に『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の人選にも波及するのではないかと感じています。