ビルボードジャパンソングチャートではロングヒット、そして年間チャートの上位進出に最も欠かせないのがストリーミング指標であり、ロングヒット曲の週間獲得ポイントにおいてはこの指標が過半数を占めます。その指標にデータを提供し、指標の基となる再生回数ではおよそ2割を占めるSpotifyにて、Mrs. GREEN APPLEが躍進しています。
上記は最新6月16日付までの8週分において、最新日に18万回超えを果たした曲の再生回数推移をまとめたグラフ。直近の1週間はMrs. GREEN APPLEの各作品が、グラフ掲載の9曲のうち5曲においてデイリー最高再生回数を更新しています。
Spotifyグラフ掲載分、直近1週間以内に最高再生回数を更新した曲。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年6月17日
6月15日(土曜) 達成#MrsGREENAPPLE「#Dear」
6月16日(日曜) 達成
Mrs. GREEN APPLE「#ライラック」「#コロンブス」「#青と夏」「#ロマンチシズム」#Da_iCE「#Iwonder」#ヨルシカ「#ただ君に晴れ」
新曲リリースが過去曲を押し上げるというのがストリーミングに強い歌手の特徴。実際Mrs. GREEN APPLEはビルボードジャパンのトップアーティストチャート(ソングおよびアルバムの合算チャート)において、昨年12月27日公開分以降ストリーミング指標で首位を続けています。このことは、上半期チャート振り返り時にも記しました。
新曲のリリースが過去曲も刺激し、また新曲訴求時の施策の徹底によりコアファンとの間で高いエンゲージメントを維持していることも、トップアーティストチャート首位獲得の一因であることは間違いありません。
さて、Mrs. GREEN APPLEの最新曲「コロンブス」はミュージックビデオが問題となり、彼らは6月14日金曜までにYouTubeから当該動画を削除しました。ミュージックビデオ自体は問題であり、そもそも曲名自体にも強い違和感を覚えますが、この点については下記コラムを踏まえた上で、Xにて私見を示しています。
今回の件は #MrsGREENAPPLE 側以上にコカ・コーラ、レコード会社、メディアの顧みない姿勢が明確化しており、この三者こそ追及すべきと考えます。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年6月16日
一方で歴史認識等、日本(人)の価値観のブラッシュアップも必須です。"コロンブスの卵"という言葉にも違和感を抱くべきですね。https://t.co/kKIZ7f4bKu
SNS時代にあっては尚の事、日本人は反省ではなく半永久的な後悔を求める傾向が強くなったと痛感します。ただ他方では反省せず逃げる者がその責任逃れを追及されない、いわばダブルスタンダードな状況ともいえます。きちんと省みる姿勢を示したMrs. GREEN APPLEの今後を注視することは必要ですが、まず私たちは今回の問題を自分ごととして考えた上で、二度と起きない社会づくりに活かすことこそ重要であるはずです。
#MrsGREENAPPLE18祭 を行う@nhk_18fesが先程複数のポストを発信したことに安堵しています。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2024年6月17日
NHKは #NHK紅白 において、問題を起こした歌手を紅白に選ばない傾向が大きいことに加えて、その不選出の理由を明確にしない傾向もみられます。それゆえ、ともすれば特別番組にも影響が及ぶと捉えていました。
そして、ミュージックビデオの公開をアナウンスしながらOA前にその精査を行っているとは言い難い民放テレビ局(の朝の情報番組)共々、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)についても注視する必要があります。紅白は問題を起こした歌手を選出しない傾向にありますが、その理由を明言しない姿勢に違和感を抱き、下記エントリーにて改善を求めています。
ビルボードジャパンのトップアーティストチャートを踏まえれば、Mrs. GREEN APPLEの紅白出場は既に当確といえます。問題を直接起こした側の反省は必須ですが、逃げの態度を取る、責任の自覚に欠けている者こそ注視し、追及する必要があると考えます。紅白側は選出する/しないにかかわらず出場歌手発表時においてその理由を明言すべきであり、それこそが責任ある者としての姿勢でしょう。
最後に。Mrs. GREEN APPLEの過去曲の上昇は、今回の問題も小さくないのではというのが自分の見方です。それが一時的なものか今後も続いていくかは、彼らの省みる姿勢にかかっていると感じています。