最新4月10日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、リアルアイドルプロジェクト「トキメキUNITED」が5位に初登場を果たしています。今回、この曲の上位進出からみえてくることをまとめます。
リアルアイドルプロジェクト「トキメキUNITED」の5位初登場は、高いフィジカルセールスが原動力となっています。
“現代に生きるリアルなメンズアイドル”を世の中に知ってもらうことを目的としたプロジェクト、リアルアイドルプロジェクトによる「トキメキUNITED」が、5位に初登場。本楽曲は、所属事務所の垣根を越えたメンズアイドルグループ計38組、総勢250名が歌唱する楽曲で、4月に東京・東京ガーデンシアターで開催されるイベント【リアルアイドルフェスティバル】のテーマソングとして制作され、4月2日にリリースされた。初週で150,764枚を売り上げ、2位以下に大差をつけてCDセールス首位を獲得している。
【ビルボード】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」11週目の総合首位獲得、ILLIT「Magnetic」が3位に急上昇 https://t.co/6rKgLut9EN
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年4月10日
週間フィジカルセールス10万枚突破作品は今年度19作品目となり、売上枚数は関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)「アンスロポス」の162,727枚(1月31日公開分にて記録)に迫っています。
「トキメキUNITED」は全38種がリリースされ、共通盤のほか各歌手盤も存在。後者には各歌手のみの歌唱によるバージョンが収録されているのですが、共通盤共々1曲目に収められているのが「トキメキUNITED (リアルアイドルプロジェクトコラボ ver.)」という点に注目です。
さて、リアルアイドルプロジェクト「トキメキUNITED」のビルボードジャパンソングチャートにおける指標構成をみると(上記CHART insight参照)、フィジカルセールスのみで6,178ポイントを獲得していることが解ります。150,764枚を売り上げれば6千ポイント強を獲得し、複合指標から成るビルボードジャパンソングチャートで一時的にでも5位前後に登場できるということが解るでしょう。
【ビルボード】Creepy Nutsが2週連続DLソング1&2位独占、INIが3位に続く https://t.co/Occ15havfT
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2024年4月10日
仮にリアルアイドルプロジェクトに参加したファンが1組につき100名、ダウンロードでも購入したならば、売上は3,800DLに達します。最新4月10日公開分ではダウンロード指標10位の売上が3,747DLとなっていたことから(上記ポスト内記事参照)、この指標でもトップ10位入りを果たし、総合ソングチャートで4位に上昇した可能性も考えられます。
ただ、リアルアイドルプロジェクト「トキメキUNITED」側、そしておそらくはコアファンにおいても、フィジカルセールスでの首位獲得が至上命題だった、ゆえに他指標以上にそちらへの意識が高かったものと思われます。リリース元であるロックフィールドが、下記ポストをXで固定(ブログエントリー執筆時点である4月12日午前5時30分現在にて最上段にて掲載)していることからも明らかでしょう。
💗 リアルアイドルプロジェクト 💗@realidolproject
— ロックフィールド (@_rockfield_) 2024年4月8日
オリコンウィークリーランキング
『トキメキ UNITED』 第1位🏅✨
目標としていた1位を獲得することができてとても嬉しいです🥲💘
たくさんの応援ありがとうございました💐… pic.twitter.com/WSaP0UWq3m
ロックフィールドのX公式アカウントは、ビルボードジャパンによる総合ソングチャートのトップ10画像付きポストについてはリポストしているもののそれ以上の言及はなく、またビルボードジャパンがオリコンに先立ってフィジカルセールスの週報を月曜夕方に公開しているものの、そちらへの反応はありません。
ロックフィールドによるX公式アカウントのみにて判断するのは危険かもしれませんが、しかし特にアイドルにおいて”デジタルよりフィジカル”そして”ビルボードジャパンよりオリコン”という姿勢は未だ根強いと感じた次第。またリアルアイドルプロジェクト「トキメキUNITED」においては複数枚購入を推奨する動きがあり(下記イベント参照)、フィジカルセールスのみで楽曲人気を計るのはやはり難しいというのが私見です。
・【リアルアイドルプロジェクト】シングル『トキメキUNITED』ミニライブ&特典会(出演: ▷ せーぶぽいんと) - TOWER RECORDS ONLINE(3月11日付)より
(※CDリリース前のイベント開催にて獲得した予約売上分はほぼすべて初週フィジカルセールスに反映されているものと考えられます。)
(※今回のブログエントリーで用いたキャプチャについて、問題があれば削除いたします。)
このブログエントリーでは、社会的ヒット曲の鑑はオリコン以上にビルボードジャパンであると紹介しています。またオリコンにはフィジカルセールスも含む複合指標から成るチャートも存在しますが、フィジカルセールスのウエイトが大きくデジタルヒットが週間単位で首位を獲得しにくい特性も踏まえるに、やはりビルボードジャパンの重要度は高いという結論に至っています。
しかし、特にアイドルにおいてオリコン重視の姿勢が根強いのは事実とみられ、その姿勢が企画の発足動機に成っている可能性も十分考えられます(今回の企画では参加歌手同士で売上を競わせている模様であり(こちらを参照)、売上枚数という分かりやすい指標がより必要なのでしょう)。ゆえに、上記エントリーではビルボードジャパンに対し『自身のチャートの認知度を高めることに集中してほしい』という希望を添えています。
ビルボードジャパンソングチャートが浸透するほど、所有指標以上に接触指標が、そしてファンの頑張りだけではなくライト層の支持獲得が重要であるという認識が、歌手側そしてコアファンの間で高まるでしょう。ライト層の支持獲得が推す歌手の活動を真に中長期的にすることができるという意味でも、ビルボードジャパンソングチャートの認知/同チャートへの意識の拡大が重要だということを痛感しています。