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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

前週および当週の上位初進出曲、CHART insightから真のヒット曲に成るかを読む (2024年2月7日公開分)

今回のエントリーでは、ビルボードジャパンソングチャートにおいて前週上位に初めて進出した曲の翌週動向、そして最新週における上位初進出曲の状況をチェックし、真の社会的ヒット曲に成るかを読みます。

前週のエントリーはこちら。

ビルボードジャパンの最新のソングチャートに関する記事については、以下をご参照ください。

 

 

まずは前週のエントリーにて紹介した上位初登場曲の、最新チャートにおける動向をCHART insightを用いて紹介します。このCHART insightについては、下記ポストにて簡潔に説明しています。

 

<2024年1月31日公開分 ビルボードジャパンソングチャートにて

 20位までに初めて登場した作品の、翌週におけるCHART insight>

 

・28位 (前週6位) M!LK「Kiss Plan」 

・100位未満(300位圏内) (前週7位) 関ジャニ∞「アンスロポス」

・10位 (前週9位) back number「冬と春」

・17位 (前週14位) 西川貴教 with t.komuro「FREEDOM」

 

前週フィジカルセールス初加算に伴いトップ10入りした2曲については大差が。M!LK「Kiss Plan」はLINE MUSIC再生キャンペーンの実施がストリーミング指標の安定につながり、総合でも上位にとどまりました。他方、本来ストリーミングと比例する傾向にある動画再生指標が300位未満で加点されていない点からも、ライト層のニーズを可視化するストリーミングにおいてコアファンによる熱量が大きく作用したものと考えます。

LINE MUSIC再生キャンペーンは2月18日に終了し、2月21日公開分のビルボードジャパンソングチャートに反映されるのが最後となります(このキャンペーンについてはM!LK「Kiss Plan」が関ジャニ∞「アンスロポス」を上回った結果を、CHART insightで分析する(2月3日付)にて紹介しています)。2月28日公開分のチャートで「Kiss Plan」がどの位置にいるかが、この曲がライト層に浸透しているかどうかの判断基準といえます。

 

西川貴教 with t.komuro「FREEDOM」(映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』主題歌)はストリーミング指標の順位が上昇し(100位未満(300位圏内)→91位)、エンディングテーマのSee-Saw「去り際のロマンティクス」は総合およびストリーミング指標共に順位を上げています(前者は42→33位、後者は300位未満→100位未満(300位圏内))。

ストリーミング指標が加点され、総合順位が上昇することは曲のロングヒット、社会的な浸透につながります。西川貴教 with t.komuro「FREEDOM」においては昨日ミュージックビデオが公開されたことで次週以降の動画再生指標加点が見込まれ、ロングヒットにつながる可能性は大きいでしょう。なお、テレビ局関連(制作会社含む)のYouTubeチャンネル発の動画は加点対象外であることについては、昨日記しています(→こちら)。

 

 

続いて、最新ソングチャートにおいて初めてトップ20入りした作品のCHART insightをチェックします。

<2024年2月7日公開分 ビルボードジャパンソングチャート

 20位までに初めて登場した作品のCHART insight>

 

・8位 (初登場) 僕が見たかった青空「卒業まで」

・13位 (前週98位) Omoinotake「幾億光年」

・14位 (初登場) DXTEEN「Snowin'」

 

僕が見たかった青空「卒業まで」、およびDXTEEN「Snowin'」はフィジカルセールストップ2となりながら同指標、およびラジオ以外の加点がないことから次週の急落は必至といえます。

 

他方、ドラマ『Eye Love You』(TBS)主題歌となったOmoinotake「幾億光年」は急浮上を果たしました。今週にはミュージックビデオが公開され(ドラマ放送直前というタイミングでの公開)、さらにはこのタイミングでストリーミング指標のデータ提供元のひとつであるSpotifyでは50位以内にランクインを果たしています。Spotifyの”50位の壁”という特性(→こちら)を踏まえれば、次週は接触指標群のさらなる上昇が見込まれます。

 

また、「幾億光年」は当週ラジオ指標を制しています。この指標はプランテック調べによるOAランキングを基に各局の聴取可能人口を加味してビルボードジャパンが算出するものですが、OAランキングの記事では注目すべき文言がみられます。

TBSラジオ“今週の推薦曲”に選ばれた他にパワープレイへの選出はないものの、ウィークデイの帯を中心とする各局の特定コーナー/番組定期枠でオンエアを積み上げ、大量オンエア獲得に至ったかっこうだ。また、今週はリクエストオンエアが確認されていることも特筆すべきだろう。ラジオでどこまで波及していくか注目したい。

Omoinotake側(主に所属レコード会社と想起)の働きかけがコーナーや定期枠でのOAにつながった可能性を踏まえるに次週はこの指標が大きく下落するかもしれませんが、リクエストOAが増えればその下落幅を抑える効果と成りそうです。さらに、当週の集計期間は首都圏ラジオ局における聴取率調査週間に該当。この期間は最近のヒット曲が多くOAされる傾向の中、「幾億光年」のラジオ指標制覇は特筆すべきといえるでしょう。

 

ストリーミング指標を順当に伸ばし、次週はミュージックビデオ公開効果が動画再生指標に表れることで、Omoinotake「幾億光年」は総合トップ10入りを果たす可能性もあり得ると捉えています。次週は強力なフィジカルシングルが見当たらないことも、トップ10入りの可能性を高めることでしょう。