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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

King & Princeはカラオケでも人気...ビルボードジャパンによるポッドキャストを踏まえ、CHART insightを分析する

最新5月17日付公開分のビルボードジャパンソングチャート(集計期間:5月8~14日)にて、King & Prince「シンデレラガール」のフィジカルセールスが100万枚を突破しています。

最新のビルボードジャパンによるポッドキャストではこのシングル、およびベストアルバム『Mr.5』のミリオンセールスについて紹介されていますが、加えてKing & Princeのカラオケ人気についても触れられています。そこで今回はCHART insightを用いて、彼らの人気について確認してみます。なおポッドキャストYouTube(下記参照)、ならびに各サブスクサービスで確認可能です。

 

最新5月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、King & Prince「シンデレラガール」はフィジカルセールスが25,216→49,968枚とほぼ倍増。これにより47→13位に上昇し、昨年11月30日公開分における18位を上回りました。

(上記CHART insightは最新5月17日付公開分までの60週分となります。)

ふたつのCHART insightのうち、下記はカラオケ指標(緑で表示)のみ抜き出したもの。King & Princeから岸優太さん、神宮寺勇太さんおよび平野紫耀さんが5月22日で脱退することがアナウンスされた昨年11月に「シンデレラガール」はカラオケを含む複数の指標が上昇していますが、カラオケ指標はそれ以前から300位以内に入り加点されていたことが解ります。

 

そしてトップアーティストチャート(Artist 100)におけるCHART insightを見ても、カラオケ指標が安定していることが解ります。

トップアーティストチャートではカラオケ指標が脱退アナウンス後に上昇していることが見て取れます。ともすれば「シンデレラガール」は101~300位の間にランクインを続けながら、脱退アナウンスの前後で同指標の順位が(100位以内ランクインは多くないものの)大きく伸びたと言えるかもしれません。

加えて、今年度(2022年12月7日公開分)以降も総合順位(黒で表示)が落ちていないのは注目すべき点です。ジャニーズ事務所所属歌手の大半はデジタル未解禁であり、彼らの作品はダウンロード(紫)やストリーミング(青)で加点されることはほぼありません。加えて2022年度でルックアップ(オレンジ)およびTwitter(水色)が廃止され、特にジャニーズ事務所所属歌手が強い前者の廃止は週間チャートの順位にも大きな影響を及ぼしています。

その中にあって、King & Princeがトップアーティストチャートで安定した順位を保てたのはコアファンによるフィジカル購入もさることながら、そのコアファンのみならずライト層が動画による接触やカラオケの活用を続けたことが影響していると考えます。昨日のブログエントリーでも書きましたが(下記参照)、カラオケ人気はこの曲が"活用"されることの一つの証明であり、そこから接触指標に移行するという流れが生まれます。

 

ではポッドキャストでも言及されている、King & Prince以降にデビューしたジャニーズ事務所所属歌手の動向はどうでしょう。フィジカル未リリースのTravis Japanを除くメジャーデビュー組の、トップアーティストチャートにおけるCHART insightは以下の通り。

フィジカルリリースのタイミングも大きく影響しますが、特にSnow Manが好位置で安定した成績を収めています。またいずれのグループも動画再生指標が強い一方、カラオケ指標はSnow Manの一時的な盛り上がりが目立つもののなにわ男子を除き常時ランクインしているわけではありません。そのなにわ男子も2023年度におけるカラオケ指標は動きが大きくないため、King & Princeの動向はいい意味で特殊と言えるでしょう。

 

 

CHART insightを用いたことで、トップアーティストチャートにおけるKing & Princeの人気があらためて可視化されたと共に、カラオケ指標における「シンデレラガール」の人気も確認できました。

以前このようなことをつぶやいたことがあるのですが、おそらくこのアンケートを実際に実施したならば、King & Prince「シンデレラガール」は最上位グループに進出するのではないかということを実感した次第です。

 

ベストアルバム『Mr.5』そして「シンデレラガール」がミリオンセールスを達成したKing & Princeのチャートにおける今後の注目点は、3名脱退後のトップアーティストチャートの推移だと捉えています。脱退後に万一YouTubeで公開中の動画が下げられた場合、動画再生指標は大きくダウンすることが考えられます。さすがにその可能性は低いだろうとして、注視は必要と考えます。

自分はこのブログで以前より記していますが、デジタルを解禁することがチャート面のみならずライト層、そしてコアファンに向けても必要と考えます。5人および6人時代の記録をきちんと残すことになるというのが理由であり、また解禁されていたならば「シンデレラガール」が2023年度のヒット曲のひとつに成り得たとも考えるゆえです。