イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

目黒蓮は"Snow Man"と記載も佐野勇斗の"M!LK"所属表記は1割未満...『トリリオンゲーム』ドラマ化記事から考えること

漫画『トリリオンゲーム』が映像化され、7月クールのTBS金曜ドラマ枠で放送されます。Snow Man目黒蓮さんとM!LKの佐野勇斗さんがタッグを組むことも含め、先週アナウンスされました。

しかしこのアナウンスには違和感を覚えます。上記ツイート、そして公式動画等において目黒蓮さんには所属グループ"Snow Man"の記載がある一方、佐野勇斗さんについては"M!LK"の名が未掲載となっています。

そしてドラマの制作開始について報じた記事の大半も、TBSと同様のスタンスとなっています。

 

<ドラマ『トリリオンゲーム』記事における、佐野勇斗さんの"M!LK"記載の有無>

※ 5月14日5時時点におけるYahoo! JAPANのニュース検索から抽出。[トリリオンゲーム 目黒蓮 佐野勇斗]で検索した結果はこちら

※ 表記なしと表記ありとで分けて掲載しています。

 

スポーツニッポン 表記なし

サンケイスポーツ 表記なし

・スポーツ報知 表記なし

・デイリースポーツ 表記なし

・日刊スポーツ 表記なし

中日スポーツ 表記なし

オリコン 表記なし

まんたんウェブ 表記なし

・映画.com 表記なし

・ENCOUNT 表記なし

・クランクイン! 表記なし

(リンク先が適切に表示されないため、こちらをご参照ください。)

 

・モデルプレス 表記なし

シネマトゥデイ 表記なし

・シネマカフェ 表記なし

・コミックナタリー 表記なし

・映画ナタリー 表記なし

・THE FIRST TIMES 表記なし

リアルサウンド 表記なし

・TV LIFE 表記なし

・アニメ!アニメ! 表記なし

 

・ザ・テレビジョン 表記あり

・音楽ナタリー 表記あり

Yahoo! JAPANニュースにて掲載された22の記事のうち20、つまりは9割以上が佐野勇斗さんの"M!LK"所属を未アナウンスという状況です。なお目黒蓮さんの"Snow Man"所属表記は全メディアで共通しています。

 

 

ここから考えられることはいくつかあります。まずは今回の報道が、佐野勇斗さんがM!LK所属であることを記載していないTBSのアナウンス(→こちら)をそのままなぞったという姿勢です。

DISH//「猫」の累計10億回再生についても、プレスリリースが記事掲載のきっかけになったことでしょう。しかし厳しい見方をするならば、”プレスリリースがなければ掲載しないのでは”、そして”そもそも気付かないのでは”という疑問が浮かぶのです。

以前音楽ニュースにて似た問題を取り上げたことを思い出しました。そもそもメディアが少しでもTBSのアナウンスやプレスリリースにおける違和感に気付いていたならば佐野さんがM!LK所属であることを付け加えられたはずで、今回の事例はメディアのチェック不足や書き手のエンタテインメント業界に対する知識の高くなさを感じさせるに十分です。

 

いや、ともすればメディアは佐野勇斗さんがM!LK所属であることを気付いているのではとも考えます。たとえば日刊スポーツの記事を5月9日昼に開いた際、佐野さんがM!LK所属であると解る記事が関連ニュース欄に掲載されていました。

加えてオリコンでは記事をツイートで発信する際、M!LKのハッシュタグである"#MILK"を使用しています。にもかかわらず記事ではそのグループ名を記していません。

オリコンのツイートはこちら。消去される可能性を踏まえ、ツイートのスクリーンショットを掲載しています。

 

たとえばジャニーズ以外の所属芸能事務所側がグループ名の記載を行わないようメディアに通達していたという仮説があったとして、ザ・テレビジョンや音楽ナタリーは記事に"M!LK"と掲載しているため成立しません。そして何より、仮説があったならばドラマの公式Twitterアカウントが佐野勇斗さんのM!LK所属を裏付けるリアクションを採らなかったはずです。

※M!LKによる元のツイートはこちら。および、金曜ドラマ『トリリオンゲーム』【公式】のTwitterアカウントはこちら。消去される可能性を踏まえ、ツイートのスクリーンショットを掲載しています。

 

 

あくまで私見と前置きしますが、今回の調査からはTBS側に"佐野勇斗さんがM!LK所属であることを表にしない(できない)という意向があった"ということ、そして"その意向に大半のメディアも追随した"ということが浮かび上がります。それゆえ意向の根拠が気になると共に、もしかしたら先述したオリコンのツイートはその意向に対するせめてもの抗いなのではないかとも感じた次第です。

 

 

Twitterにて以前、ジャニーズ事務所所属歌手のファンの方から"所属タレントが俳優活動をする際はグループへの人気の還元を主目的としており、クレジットにグループ名を記載するのは通例"という指摘をいただいたことがあります。ならば、佐野勇斗さんにグループ名が記載されていないことをどう思うでしょう。仮に"ジャニーズ以外はグループ名を載せる必要がない"と考えるならば、その発想はフェアではないはずです。そして"それは慣例だ"と述べる方がいらっしゃるならば、その慣例を疑うことが必要です。

この違和感を最も強く、的確に指摘しなければならないのは佐野勇斗さんやM!LKのファンもさることながら、優遇を受けていると捉えられておかしくない目黒蓮さんやSnow Man、そしてジャニーズ事務所所属歌手のファンではないでしょうか。主演や客演の別、またグループの人気の差等は関係ありません。そしてこのアンフェアの是正こそ、このブログで以前から唱え続けていることです。

 

 

最後に。今回の事例を踏まえるに、映像作品における理想のアナウンスはグループ名については所属芸能事務所に関係なく記事では漏れなく記載、他方で作品自体には載せないことだと考えます。グループ名表記は作品をみるきっかけにはなっても作品の評価にはほぼ影響しないと考えるゆえの私見です。

今月公開の映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』には長尾謙杜さん(なにわ男子)が出演しながら、公開された予告映像にはグループ名のクレジットはありません。他方映画の公式Twitterアカウントではなにわ男子の表記があり、このアプローチが最も的確だと考えます。