(※追記(3月18日9時15分):このブログエントリーの掲載以降、BE:FIRSTが「Boom Boom Back」首位獲得時(2月22日公開分)、またNiziUが「Paradise」首位獲得時(3月15日公開分)に、それぞれコメントを発信しています。その内容を追記しました。)
ビルボードジャパンソングチャートで首位を獲得した歌手による興味深い行動が続いています。
LE SSERAFIMからBillboard JAPANチャート1位の喜びのコメント到着 https://t.co/EO2RikaW0m pic.twitter.com/QseFZKG8Qu
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年2月4日
三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEがビルボード総合首位「自分達にとってとても意味のある1位です」https://t.co/lXgfHGqeQz pic.twitter.com/ii9sN86Uzn
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年2月8日
これまでは首位獲得歌手がビルボードジャパンのツイートを引用する形で喜びの声を語ることが多かったため、ビルボードジャパン宛にコメントを発信する行動は極めて珍しいと言えます。そしてこれが2週続くとなると、コメント発信は新たな定番となるかもしれません。
LE SSERAFIMのアクションについては、ビルボードジャパンソングチャートの予想や分析を行う紅蓮・疾風さんも注目しています。
Billboard JAPANがこうやって自分たちが運営しているチャート結果に関するコメントを記事にするの、上半期&年間以外だとかなり珍しい気がする。LE SSERAFIM側からのアクションかな? https://t.co/FQB4evy8Tf
— 紅蓮・疾風 (@ideal_charts) 2023年2月4日
個人的には歌手側、もしくはレコード会社側によるアクションだと感じています。たとえば三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE側は「STARS」のビルボードジャパンソングチャート制覇直後にこのようなツイートを発信しています。
🎉Billboard JAPAN #Hot100 No.1 🎉@Billboard_JAPAN
— 三代目 J SOUL BROTHERS (@jsb3_official) 2023年2月8日
本当に有難うございます🌹
たくさんお祝いしましょう😉💫#三代目JSOULBROTHERS 🥂 #MATE#STARS #STARS_No1OnJapanHot100 pic.twitter.com/hwcnvqZI9i
ツイートに添付された画像の色合い等はビルボードジャパンの使用するものを意識したと言えるでしょう。
【今週の総合ソング・チャート“JAPAN HOT100”】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年2月8日
1位 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE
2位 Official髭男dism
3位 LE SSERAFIM
4位 米津玄師
5位 Vaundy
6位 10-FEET
7位 Official髭男dism
8位 Ado
9位 back number
10位 NewJeanshttps://t.co/QKb8CmfLg2 pic.twitter.com/QpxLc6mfLZ
加えて首位獲得がアナウンスされた日にはこのような記事も登場しています。
三代目 J SOUL BROTHERS、新曲「STARS」が「Billboard JAPAN総合ソング・チャート JAPAN HOT100」で1位を獲得#三代目JSB #THEFIRSTTIMES @jsb3_official
— THE FIRST TIMES_NEWS (@The_FirstTimesN) 2023年2月8日
▼写真・記事の詳細はこちらhttps://t.co/FAgvfGsE6V
三代目 J SOUL BROTHERS、「STARS」が“Billboard JAPAN HOT 100”総合首位獲得 https://t.co/glahD2x55D#三代目JSOULBROTHERS
— BARKS編集部 (@barks_news) 2023年2月8日
コメントの内容がビルボードジャパン掲載分と共通していることを踏まえれば、歌手側やレコード会社側によるプレスリリース的な意味合いが強いというのが私見。これはソニーミュージックが得意とするもので、ソニー側の戦略については以前ブログにてまとめています(ただし下記ブログエントリーではプレスリリースの重要性と共に、迅速にすべきという改善提案も記しています)。
個人的に、今回のLE SSERAFIMや三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEによる積極的なアナウンスを歓迎しています。そう考える理由のひとつは、ビルボードジャパンの認知上昇につながるため。紅蓮・疾風さんもこのように記しています。
前週のLE SSERAFIMに続き今週も三代目JSBの週間チャートに関するコメントをBillboard JAPAN側から公式記事として発信。チャート認知度の上昇に繋がると思うので大歓迎。 https://t.co/guO2uOsh5l
— 紅蓮・疾風 (@ideal_charts) 2023年2月8日
ビルボードジャパンのソングチャートやビルボードジャパン自体の認知度上昇の必要性についてはこのブログでも提案したばかりでした(音楽業界・エンタテインメント業界への改善提案 (2023年版)(1月9日付)参照)。加えて、複合指標から成るチャートの認知度を高めることは、複数の視野を持つことの重要性を宿す点でも有効です。これは自分がImpress Watchのコラムにて記載した内容と合致します。
【コラム寄稿のお知らせ】
— Kei (@Kei_radio) 2023年2月2日
Impress Watch(@impress_watch)へはじめて寄稿しました。
昨年の #NHK紅白 出場歌手の選出に大きく影響を与えたと考えるビルボードジャパンについて、紅白以降の動向に加えてチャートの仕組みや重要指標、CHART insightの楽しさ等を記しました。https://t.co/7LlNEhELI1
Impress Watchのコラムではさらに、『好成績を記録した歌手はSNSで拡散することでコアファンとの結びつきを高め、また曲は気になるものの歌手のファンというわけではないライト層の方々も刺激します』と記しました。今回LE SSERAFIMや三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE側がビルボードジャパンへ直接もしくはプレスリリース(的なもの)を介して一歩進んだ形の反応を示したことで、コアファンと喜びを分かち合うのみならず、コアファンに対しチャートの重要性を十分に示せたのではないでしょうか。エンゲージメントを深める行動につながることも、発信を歓迎する理由です。
積極的なアナウンスを歓迎する理由としては他にも、シングルのリリーススケジュールの追加的意味合いに成り得ることが挙げられます。たとえばK-POPアクトは新作リリース前に関連スケジュールを公開しており、自分は以前TOKIONへ寄稿したコラムにてITZYを例に紹介しています。
一方で作品がリリースされた後、スケジュールが極度に減ることは否めません。アルバムならば収録曲のシングルカットやミュージックビデオ公開という手段を講じることはできるものの、シングルには限りがあります。そこで音楽チャートの好成績をアナウンスすれば、それがリリース後スケジュールの一環に成り得るのではと考えた次第です。
無論好成績を残すことが大前提かもしれませんが、たとえばYOASOBIは直近のシングル「祝福」においてビルボードジャパンソングチャート100位以内9週目、トップ10在籍8週目でもこのようなツイートを実施しています。
【今週のBillboard㊗️】#YOASOBI祝福 総合7位ほか各チャートでTOP10入り!#ESIDE2 ダウンロードアルバム5位!
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2022年11月30日
今週もありがとうございます🤝
辻村深月さんの小説「ユーレイ」を原作とした新曲「海のまにまに」も、またガラッと違う雰囲気。ぜひチェックしてみてくださいね🚃https://t.co/7AcTG5IzwJ pic.twitter.com/31DNfBe4eE
Impress Watchでも紹介しましたが、YOASOBIはコアファンとのエンゲージメントを深めることに非常に長け、またこのような発信はリリースから時間が経っていたとしても、ライト層が曲への興味を高めるきっかけになります。ゆえにチャート成績の紹介は重要ななのです。
ビルボードジャパンの認知度上昇、エンゲージメントを深められること、そしてリリーススケジュールの追加的意味合いとしての活用という点において、チャート好成績の訴求は重要と考えます。
さて、前週特筆すべきリアクションを行ったLE SSERAFIMが、(レコード会社も含め)今週チャート成績を発信しなかったことを個人的には非常に勿体なく感じています。
(2023年度の表については日付の部分を省いています。またルックアップおよびTwitter指標は廃止されています。)
2022年度以降のビルボードジャパンソングチャートにおいて、初週10万枚を超えるフィジカルセールスに伴い総合首位を獲得した作品は多いのですが、その大半が翌週ポイントを大きく落としています。初週フィジカルセールス10万枚以上を記録し総合首位を獲得した曲の中で、LE SSERAFIM「FEARLESS」は2022年11月30日公開分における米津玄師「KICK BACK」以来となるポイント前週比5割超えを達成しました。フィジカルセールスが引き続き強いことも要因ですが、立派な記録であることには間違いありません。
それを踏まえれば、LE SSERAFIMは「FEARLESS」が引き続き好調をキープしていることについて訴求することが必要だと感じています。週間チャート制覇は素晴らしいことですが、ロングヒットそして年間チャートにおける上位進出はそれと同等かそれ以上に重要であり、「FEARLESS」はその可能性を秘めていると考えるゆえ尚の事です。
歌手側は週間チャート制覇時にとどまらず、その後も好調を続けるならばチャート成績の好リアクションを発信し続けることを勧めます。コアファンとの結びつきを強化し続け、またライト層をコアファンに昇華させる意味でも有効だからです。その発信は同時に、ビルボードジャパンの認知度上昇や複合指標で見ることの浸透にもつながるはずです。
※追記(3月18日9時15分):このブログエントリーの掲載以降、BE:FIRSTが「Boom Boom Back」首位獲得時(2月22日公開分)、またNiziUが「Paradise」首位獲得時(3月15日公開分)に、それぞれコメントを発信しています。その内容を紹介します。
BE:FIRST、「Boom Boom Back」総合首位コメントが到着「このような結果を頂くのはとても意味のあることだと思っています」https://t.co/UiEh9KWWpW pic.twitter.com/W2D0WNQYph
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年2月23日
NiziU「Paradise」総合&アニメ2冠コメントが到着 「これからも精一杯NiziUらしく前進して行きたい」 https://t.co/GXbLbO4yWG pic.twitter.com/Fe2sM9fuiK
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年3月17日