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日本テレビの春改編、J-WAVE的ではないかと考えるいくつかの理由

一昨日、日本テレビが春改編について発表を行いました。

『DayDay.』の放送時間は月~木曜が11時10分、金曜が10時25分までとなっています。この日本テレビの春改編の概要に触れた直後、自分はこのようにつぶやきました。

今回はその理由について、記載します。

 

 

J-WAVEは2017年春改編にて、『STEP ONE』(月~木曜 9時~13時。一時期は12時半まで)および『GOOD NEIGHBORS』(月~木曜 13~16時。開始当初は16時半まで)をスタートさせました。それまでは長い間(少なくとも自分がJ-WAVEを聴き始めた2000年頃以降は)、9時~16時30分の枠が3番組だったゆえにこの改編は非常に大きかったわけですが、しかしこの2番組に対しては開始前から安心感を抱いていた自分がいます。

平日9~16時半の番組数が3→2となることで予算の関係かと思うところは否めませんが、直前まで11時半~14時の枠を担当していたサッシャさん、そして『BOOM TOWN』等のナビゲーターで知られるクリス智子さんという、J-WAVEに長年貢献したお二方が担当となれば安心感は高まるというものです。なお『BOOM TOWN』は1997~2010年に放送され、クリス智子さんは2000年春から番組終了時までを担当されていました。

またこれまで長い間11時30分に番組を切り替えたJ-WAVEがその流れを止めたことで、TOKYO FM(『ディアフレンズ』が11時30分で終了し、当時は11時30分より『LOVE CONNECTION』が放送)との足並みを揃えることを止めています。

(逆にJ-WAVEは2017年春改編で番組の区切りを13時に設定したことで、TOKYO FMに加えてTBSラジオニッポン放送文化放送といったAM局の番組区切り時間とも揃う形とはなりました。ただし『STEP ONE』と『GOOD NEIGHBORS』とでクロストークを行うため、番組の切り替わりは13時ちょうどではありません。)

 

実際、聴取率という側面では長年トップをキープしていたTBSラジオを2021年にJ-WAVEが抜き、初のトップに立っています。この点については下記記事でも紹介されています。

(なお、聴取率という数字はひとつの側面でしかないと考えます。これはテレビが基本的に"視聴率"として用いるリアルタイム視聴率においても同様です。ただしテレビにおいてニュースや情報番組等はドラマと異なり録画視聴率が低いことから、ラジオの生ワイド番組においても同様にリアルタイムの数字が重視されるものと思われます。)

 

 

では、日本テレビの2023年春改編はどうでしょう。今回日本テレビが打ち出した春改編では『ZIP!』『スッキリ』『バゲット』から『ZIP!』および『DayDay.』の2番組となり、また番組の切り替わりが9時に変更されます。

ZIP!』についてはこの春で12年目に突入し、視聴者からの信頼が厚い水卜麻美アナウンサーが引き続き担当。また『DayDay.』のMCのひとりは『スッキリ』の天の声(の友人)である山里亮太さんが担当することから『スッキリ』との関連性は高く、『スッキリ』が終了しても日本テレビを引き続き観る方は多いものと思われます。

さらにEテレを除くNHK総合および民放キー局が一律で8時に番組を切り替えるという形が崩れます。8時には朝の連続テレビ小説(NHK総合)や『ラヴィット!』(TBS)といった固定ファンの多い番組が始まりますが、『ZIP!』がいわゆる"8時またぎ"を行うことにより視聴者を他のチャンネルに移行させにくくすることが可能となります。たとえば番組内ドラマを8時またぎとして放送することも、大きな武器となることでしょう。

 

『DayDay.』が11時台まで放送することにも注目。大都市圏では中京圏(中京テレビ)がこれまで日本テレビ制作の『バゲット』を放送していましたが、近畿圏(読売テレビ)や札幌、福岡は足並みが揃っていませんでした。ともすれば『DayDay.』が10時台以降もネット局を増やすことで日本テレビローカル局との結びつきが強くなり、また『ひるおび』(TBS)や『ノンストップ!』(フジテレビ)からの視聴者流入にもつながるでしょう。

 

 

日本テレビが早朝から11時台までの流れを3→2番組にすることは予算面も考慮しているだろうとして、8時切り替えの体制を止めたこと等はJ-WAVE的な編成だと感じた次第。無論、新番組や『ZIP!』のリニューアル内容によって最終的な評価は決まりますが、今回の編成は実に巧いと感じる自分がいます。『DayDay.』においては9時スタートということで、エンタテインメント情報の比率を高めてくるかもしれません。