イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2022年8月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2022年8月分です。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。現在はSpotifyを利用しており、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinを毎週チェックしています。

 

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソングス(選出企画)となります。個人的な作品への思い入れについて、音楽チャート紹介時には乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 眞名子新「マシかもしれない」

J-WAVE TOKYO GUITER JAMBOREE 2022【SONAR MUSIC Road to RYOGOKU supported by REALIVE360】でグランプリを受賞した"神戸のあらた"が、改名後にリリースしたのがこの曲。いい意味でシンプル且つ飾り気のないメロディだからこそ、よりダイレクトに刺さります。タイトルも含めたそのキャッチーさは、悔しいこと等があったときにふと口ずさんでしまいたくなるような中毒性を有しています。

 

 

9位 ビヨンセ & マドンナ「Break My Soul (The Queens Remix)」

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

黒人女性の自負を示すオリジナルバージョンも6月の私的ベスト9位に選出していますが、女性の地位向上に貢献してきたマドンナによる大ヒット曲「Vogue」を用いて曲の意志をより前面に押し出したこのバージョンの格好良さたるや。選曲、そしてリミックス名義が両名主演という扱いにしていることも見事です。

 

 

8位 ENDRECHERI「1111111 ~One Another's Colors~」

これを書いているタイミングで、宗教団体所属の地方議員がLGBTQへの差別発言をしたというニュースが目に入り、日本の多様性における進歩の無さにはまたも呆れ果ててしまったのですが、音楽はきちんと多様性を謳っています。アイドルとしても活躍する堂本剛さんのソロユニット、ENDRECHERIはこの曲で多様性を称賛。ファンクとニュージャックスウィングが合わさったタイトなリズムも◎。

 

 

7位 リナ・サワヤマ「Phantom」

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

リナ・サワヤマのサマーソニックでのライブはパフォーマンスのみならず、前向きに社会を変えんとする姿勢をきちんと示す点でも称賛を集めました(下記ブログエントリー参照)。今月リリースされるニューアルバム『Hold The Girl』からの先行曲はキャッチーなサビのみならず、80年代を思わせる終盤1分の展開が実に巧く、曲のテーマである自省の思いをより深めているかのようです。

 

 

6位 ダックワース & シド「Ce Soir」

クール。そして美しさの極致。語彙力が疑われておかしくないですが、ただただ好きです。

 

 

5位 プレップ「As It Was」

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

このカバーの魅力については、昨日ブログエントリーにまとめています。なお後述するトップ10圏外にはサーシャ・アレックス・スローン版も取り上げていますが、こちらはSpotify限定のためトップ10入りを控えています。

 

 

4位 ゼッド feat. マレン・モリス & ボウズ「Make You Say」

ゼッドが「The Middle」(2018 米週間5位/年間8位)で組んだマレン・モリスと再タッグとなった、リズムの可愛らしさが特徴の曲。ソングライティングにはチャーリー・プースも参加し、キャッチーさに拍車をかけています。

 

 

3位 FLO「Cardboard Box」

1990年代R&B回帰の動きは、直近ではBE:FIRST『BE:1』収録の「Softly」でもみられましたが、イギリス出身のFLOはその傾向が顕著。MNEKプロデュースのこの曲からはTLC「No Scrubs」等の影響が垣間見えます。ボーカルグループ自体少ない(もしくはK-Popアクト以外にあまり見当たらない)現状においても、希少なグループと言えるでしょう。

 

 

2位 Mime「I Just Wanna Say」

(上記はオーディオ。)

Tokimeki Recordsのフィーチャリングボーカリストとしての認知度も高いひかりさんを擁するバンド、Mime(マイム)の新曲をこの位置に。1980年代等の音楽を今風にアップデートしたTokimeki Recordsの歌声も合っていますが、R&Bをベースにしたタイトなサウンドとの相性の良さは見事です。

 

 

1位 畠山美由紀 & 藤本一馬「新しい眼」

(上記はオーディオ。)

Port of Notesでも活動する畠山美由紀さんと、orange pekoeの藤本一馬さんによる共作アルバム『夜の庭』(11月リリース予定)からの先行曲。ヒリヒリするアレンジ、そして畠山美由紀さんの声に宿るアレンジに負けない重みと多大な説得力に惹かれます。スリリングなボーカルの持ち主は日本では稀有な存在ではないでしょうか。

 

 

以下、次点として10曲。

・アフロジャック feat. マニー・ロング「Day N Night」

・アウスゲイル「Limitless」

・バウアー「Let Me Love U」

・ジンジャー・ルート「Over The Hill」

・ルイス・コール「I'm Tight」

・ロザリン「Vanish」

・サーシャ・アレックス・スローン「As It Was (Spotify Singles)」

・タンク feat. クリス・ブラウン「See Through Love」

・君島大空「19℃」

・ベルマインツ with 鈴木迅 & 井上花月 from Laura day romance「風のゆく先」

タンクのラストアルバムと言われる『R&B Money』より、クリス・ブラウンを迎えた「See Through Love」を聴いたのですが、この曲はずるいですね…R&Bの中堅ふたりがブライアン・マックナイト「Anytime」と思しきサウンドの上で愛を歌うのですから、R&Bファンには堪りません。

(上記は公式オーディオ。)

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。