イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

BE:FIRST『BE:1』に関する施策はコアファンやライト層、音楽やマーケティング好きの方にも興味深い内容である

先週の今日、このようなエントリーをアップしました。

BE:FIRST『BE:1』のアルバム収録曲が公開されたタイミングで、実はSpotifyではアルバム収録ながらまだ発表されていない曲についてもソングライターのクレジットが判明していることを紹介したのですが、その『BE:1』収録曲の全クレジットが正式に公開されました。

このニュースは様々なネットメディアでも公開されていますが、たとえば音楽ナタリーのニュースを遡ると、興味深い内容が判明します。

実はクレジットもトラックリストの公開も、記事化されている作品自体が少ないことが解ります。その中で登場するのはBTS『Proof』やTOMORROW X TOGETHER『minisode 2: Thursday's Child』等、K-Popアクトが目立つ印象です。公開そのもの、そしてそのニュース化において、BE:FIRST側のマーケティングが特にK-Popを意識し採り入れていることが想像できます。

 

トラックリストやクレジットの公開は様々な効果をもたらします。

公開タイミングで、DATSのMONJOEさんが『BE:1』に参加したことをツイート。クレジットの公開はこのような訴求を可能とし、コアファンや音楽好きの方がMONJOEさんを(より深く)知るきっかけとなります。ソングライターやプロデューサーについてはサブスクサービスで作品群がプレイリスト化されているものが多く(サブスクサービス側によるものもあれば本人作成のものも)、そこで制作者の音世界に触れることも可能です。

そういう意味でも、トラックリストやクレジットを公開し訴求することは重要だと考えます。

 

それにしても、BE:FIRST『BE:1』におけるこの2週間あまりの様々な施策は、コアファンやライト層により深くリーチし、音楽好きやマーケティングが気になる方にも高い関心をもたらすような興味深いものが多いと実感します。

たとえばTwitterアイコンジャックキャンペーン。参加者のアイコンに記載された文字を並べ替えることで「Scream」の7月25日解禁を予告するという謎解き要素が、コアファンを中心に話題となりました。

その後「Scream」は、ミュージックビデオのみならずダンスパフォーマンスやダンスプラクティス動画も全て先週中に公開。ISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていればビルボードジャパンソングスチャートの動画再生指標に加算されるためチャート上の強さにつながるのみならず、ダンス好きの方にもリーチする内容に。このリーチはTikTokでのKing & Prince「ichiban」の踊ってみた動画からも感じられます。

@befirst_official 大好きなichibanをichiban楽しみたい #ichiban #kingandprince #キンプリ #BEFIRST #ヤンチャトリオ #SOTA #MANATO #RYUHEI ♬ ichiban - King & Prince

またジョナス・ブルーに客演参加した「Don't Wake Me Up」を、ジョナスと共にフジロックフェスティバルにて披露。この模様がYouTubeを介して生配信されたことも、多くの音楽好きの方に認知されるきっかけになったのではないでしょうか。

他にもミュージックビデオ公開前の生配信やAWAラウンジへの登場、Twitterタイムラインの占拠等、主にコアファンへのアプローチも実施しており、BE:FIRSTそして『BE:1』の知名度や期待値を高めるに十分な施策が様々行われています。その流れを経て本日、アルバム収録曲の「Be Free」が解禁。ファーストシングル「Gifted.」のCDのみ盤に収められた曲が再レコーディングされています。

 

BE:FIRST側は8月31日のCDリリース、そして8月29日の先行配信に向けて、『BE:1』へのリーチを最大化すべく今後も施策を投入してくることでしょう。個人的には地上波音楽番組への出演があるならばなお好いと思いつつ、ライト層の拡大やコアファンへの昇華がどこまで行われていくか、注目していきたいと思います。