最新5月18日公開分(5月23日付)ビルボードジャパンソングスチャートではSEKAI NO OWARI「Habit」が20→6位に上昇し、同曲初のトップ10入りを果たしました。
この曲のチャートアクションに対し、自分はリゾ「About Damn Time」との共通点を感じています。
最新の @Billboard_JAPAN ソングスチャートでトップ10入りした #SEKAINOOWARI「#Habit」、そのヒットに至る流れは米ビルボードにおける #リゾ「#AboutDamnTime」を彷彿とさせますね。加えて日本独自の盛り上がり方も、「Habit」のヒットを加速させたように感じています。 https://t.co/1SgBSy94e3
— Kei (@Kei_radio) 2022年5月18日
SEKAI NO OWARI「Habit」については、Fukaseさんを中心にメンバーがダンスを披露したミュージックビデオが評判となり、チャートを駆け上がりました。「Habit」は最新のビルボードジャパンチャートにおいてStreaming Songsチャートで9位、ストリーミング指標で8位を記録*1。この理由について、Streaming Songsチャートの記事ではこのように紹介されています。
4月29日に公開開始した映画『ホリック xxxHOLiC』の主題歌で、6月22日のCD発売に先駆け、4月28日に配信がスタート。チャートイン2週目となる当週の再生回数は前週比167%の5,177,232回を記録した。こちらはメンバーも高難度のダンスに挑戦しているミュージック・ビデオも話題になっており、SNSや動画プラットフォームでは踊ってみた動画を投稿しているユーザーも多い。
ストリーミングで今週初めてトップ10入りした「Habit」は、前週の段階で動画再生指標が6位に(今週は2位)。そして前週には同じくTikTokでもトップ10入りを果たしています。
2022年5月11日公開(集計期間:2022年5月2日~5月8日)のTikTok上における楽曲人気を測るチャート“TikTok Weekly Top 20”で、femme fataleの「だいしきゅーだいしゅき」が1位に輝いた。
(中略)
また、映画『ホリック xxxHOLiC』の主題歌であるSEKAI NO OWARIの「Habit」は、ミュージック・ビデオでFukaseが踊る少し奇妙でコミカルなダンスや、映画とコラボしたエフェクトが相乗効果を生み、前週15位から4位にジャンプアップ。
@sno_tiktok SEKAI NO OWARI「Habit」先行配信中!#sekainoowari #Habit #映画ホリック #ダンス ♬ Habit - SEKAI NO OWARI
SEKAI NO OWARIは公式TikTokアカウントにて、今月4日に上記動画を発信。この日を集計期間に含む5月11日公開分(5月16日付 集計期間は5月2~8日)のTikTok Weekly Top 20では記事の通り4位に上昇しています。おそらくは様々なダンス動画や映画関連のエフェクト効果によるバズに感化され、公式としてこのような動画を公開するに至ったものと考えます。芸能人も「Habit」のダンスチャレンジに挑戦しています。
@therampage_official #therampage#exiletribe#ldh#ランペ#浦川翔平 ♬ Habit - SEKAI NO OWARI
@powerpuffboysofficial SEKAINO OWARI"Habit" @sno_tiktok 今回僕たち、パワーパフボーイズが振り付けさせていただきました🧡💙💚色んな人に踊ってもらえて嬉しい限りです🌈MVも最高にイケてるので是非Checkしてください💫 @aoshunsuke @kanoshima @なおと #sekainoowari #habit #パワーパフボーイズ#パワパフ#サビも後日載せるかも!? ♬ Habit - SEKAI NO OWARI
「Habit」の振り付けを担当したのはパワーパフボーイズ。その彼らは一昨日放送の『THE DANCE DAY』(日本テレビ)にも参加していました。Fukaseさんも応援しており、この出演もまた「Habit」への注目度を高める契機になるかもしれません。
フカセさん!!!ありがとうございます😭 https://t.co/4r5461owz4
— パワーパフボーイズ (@PowerPuffBoyso1) 2022年5月19日
一方で、映画エフェクトについてはこちらに。
これは後述するリゾ「About Damn Time」との共通点ではないのですが、若年層をメインターゲットにした(と思しき)映画でのエフェクト使用とTikTokとのバズとはリンクしやすいと考えます。下記は映画『おそ松さん』のエフェクト紹介記事ですが、同作に出演したSnow Manによる主題歌「ブラザービート」は4月6日公開分(4月11日付)のTikTok Weekly Top 20で2位に入ると、現在までトップ10入りを続けています。
「Habit」は最新のTikTok Weekly Top 20で5位に後退するも、TikTokから動画およびサブスクサービスへ人気が移行していることが解ります。最新チャートの集計期間初日にあたる5月9日には『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)で披露したことで、認知度はさらに上昇したとみていいでしょう。そしてさらに、歌唱分析動画のしらスタにて17日にこの曲が採り上げられたことで、カラオケ指標にも波及する可能性が高まっています。
さて、SEKAI NO OWARI「Habit」の上昇ペースから、米ビルボードソングスチャートにおけるリゾ「About Damn Time」を想起した自分がいます。
4月にリリースされた「About Damn Time」は4月30日付米ビルボードソングスチャートで50位に初登場し、最新5月21日付では9位に入りました。米ビルボードにおいては動画再生もストリーミング指標に含まれており、そのストリーミングやダウンロードの急上昇っぷりがよく解ります。
リゾ「About Damn Time」が10ランク上昇し9位に。4月30日付で50位に初登場したこの曲は翌週60位に後退するも、TikTokで踊ってみた動画がバイラルヒットし上昇を果たしました。ストリーミングは前週比50%アップの1690万(同指標15位)、ダウンロードは同72%アップの17500(同指標3位)となり、トップストリーミングゲイナーおよびトップセールスゲイナーを獲得。ラジオは前週比32%アップの2100万となり28位につけました。
リゾ「About Damn Time」上昇の要因もまた、TikTokでのバズにあります。この点については米でのSpotifyデイリーチャートでヒットの兆しがみられたタイミングにて、ブログでまとめています。
TikTokでバズを起こした「About Damn Time」のミュージックビデオでは、リゾは踊ってはいるもののはっきりダンスと言えるものではないのかもしれません。この「About Damn Time」については、リリース後の踊ってみた動画のバズが波及したものであることが解ります。
数多くのTikTokユーザーが、Jaeden Gomezによる「アバウト・ダム・タイム」の振付を真似する動画を投稿したことに後押しされ、楽曲はチャートインから4週目にしてHot 100でTOP10入りを果たした。2週間前には60位だった楽曲は、リゾ本人がGomezによるダンスを自身のインスタグラムで紹介したことにより翌週19位へ浮上し、今週9位までランクアップした。
リゾのInstagramでの紹介内容は上記に。本人がダンスに参加したわけではないものの後からきちんとSNSでフォローする姿勢は、SEKAI NO OWARIの公式TikTokアカウントにおける「Habit」掲載に似ているのではないでしょうか。TikTokのバズのみならず、本人がフォローアップする、楽しむ姿勢を示すことがヒットの爆発力をさらに高めると言えるでしょう。
リゾ「About Damn Time」は7月15日リリースのニューアルバム『Special』からのリード曲であり、SEKAI NO OWARI「Habit」は6月22日にシングルとしてフィジカルリリース。アルバムとシングル等の違いはありますが、先行配信曲がTikTokを機に動画再生やサブスクで盛り上がりチャートを急上昇したことが、この2曲の共通点と言えるでしょう。
またリゾは「About Damn Time」を『サタデー・ナイト・ライブ』(NBC)で、SEKAI NO OWARIは「Habit」を『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)で披露しており、これもライト層への気付きにつながったかもしれません。
2曲とも、さらなるチャート上昇のためにはライト層への浸透がより重要になることでしょう。そのひとつの刺激材料となりそうなのが、リゾ「About Damn Time」におけるリミックスの投入。米ビルボードはビルボードジャパンと異なり様々なバージョンが合算されるためリミックスはチャート施策の一形態とも言えますが、純粋に格好いいバージョンではないでしょうか。
日本ではリミックスのチャート非合算もあってかリミックス自体がなかなか盛り上がらない印象がありますが、それでもリミックスの投入は面白い試みだと考えます。
今後、リゾ「About Damn Time」はケンドリック・ラマーやハリー・スタイルズ等の大量エントリーと、SEKAI NO OWARI「Habit」は数多くのフィジカル10万超え作品の上位進出と対峙することになります。週間での最上位進出は至難の業かもしれませんが、TikTokを源するヒットはYOASOBIや瑛人「香水」等ライト層の支持を集めることから、年間を通したヒットに至るかに注目していこうと思います。