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ハリー・スタイルズ、ジャック・ハーロウ…次回以降の米ビルボードソングスチャートが嵐の予感

日本時間で明後日発表される4月16日付米ビルボードソングスチャートは、ハリー・スタイルズ「As It Was」が首位の座を濃厚としました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」が首位を獲得する可能性については、先週の今日アップしたブログエントリー(来週以降の米ビルボードソングスチャートに注目…ハリー・スタイルズ「As It Was」がアデル超えの可能性)で以前紹介。英国時間の4月1日金曜0時にリリースされた「As It Was」は初の24時間加算となった同日付の米Spotifyデイリーチャートにおいて、同じ条件下のアデル「Easy On Me」を上回ったことをお伝えしました。

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その後も「As It Was」は「Easy On Me」を上回り続けたことから、4月1日からの1週間を集計期間とする次回4月16日付米ビルボードソングスチャートでは「As It Was」が「Easy On Me」同様、首位初登場が見込まれるのです。ともすれば「As It Was」の獲得ポイントは2位の倍以上となることでしょう(米チャートはポイントを可視化していませんが、複数の予想担当者がそのような予想をアップするはずです)。

 

ハリー・スタイルズ「As It Was」は英国時間金曜0時解禁のため、時差の関係上米では前日も再生回数が加算。これはアデル「Easy On Me」についても同様です。そのアデル「Easy On Me」は5時間分の集計のみで米ビルボードソングスチャートにおいて68位に初登場した一方、ハリー・スタイルズは最新4月9日付ソングスチャート(→こちら)で100位以内エントリーを逃しています。

ビルボードのチャートアクション紹介用Twitterアカウントでは上記のアナウンスが行われていますが、おそらくはラジオの高さが「Easy On Me」をわずか5時間で100位以内に送り込んだ原動力と言えるでしょう。2曲ともニューアルバムからのリード曲となりますが、アルバムリリースまでのブランクはアデルがハリー・スタイルズの倍以上だったこと等を踏まえ、「Easy On Me」がラジオ局をより強く動かしたと考えられます。

とはいえハリー・スタイルズ「As It Was」はストリーミングの強さが際立っていることから、米ビルボードソングスチャートでの首位初登場は間違いありません。ストリーミング指標は急落しにくい傾向にあり、翌週以降も上位にとどまることでしょう。

 

しかしハリー・スタイルズ「As It Was」の2連覇は、ともすれば厳しいかもしれません。というのも、米ケンタッキー州出身のジャック・ハーロウが4月8日にリリースした「First Class」が、「As It Was」の1週間前の再生回数を上回っているのです。

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(上記は公式ヴィジュアライザー。)

「First Class」はファーギー feat. リュダクリス「Glamorous」(2006年のアルバムに収録し翌年シングル化。公式ミュージックビデオはこちら)を用いた作品。音源の正式リリース前にTikTokで一部を公開し、既にバイラルヒットしていました。

ジャック・ハーロウはリル・ナズ・Xと共演した「Industry Baby」で米ビルボードソングスチャートを制し、同曲は現地時間4月3日に開催されたグラミー賞でも披露。そして上記リンク先でも確認できる様々なTikTok投稿動画の影響も相俟って、「First Class」はハリー・スタイルズ「As It Was」超えを果たしたと言えます。グラミー賞も味方につけるジャック・ハーロウの戦略の見事さを感じずにはいられません。

 

尤も「First Class」の翌日以降の動向も確認する必要がありますが、米ビルボードソングスチャートはここ数週に渡り全体的な数値が下がっていたことから、ハリー・スタイルズ「As It Was」そしてジャック・ハーロウ「First Class」がどのような嵐を巻き起こすのか、注目せずにはいられません。