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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

英語詞3曲以外も軒並み上昇…BTSのライブ披露曲を加速させたセットリスト"公式プレイリスト"の存在

BE:FIRST「Bye-Good-Bye」が制した最新3月16日公開(3月21日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは、BTSの英語詞3曲がいずれもポイント上昇に至っています。

・「Butter」(17→18位 ポイント前週比103.0%)

・Dynamite(20→21位 ポイント前週比107.3%)

・「Permission To Dance」(25→30位 ポイント前週比104.5%)

順位はいずれもダウンするものの、初登場や急上昇曲が多いゆえ自然のこと。注目はポイントの増加にあり、「Permission To Dance」に至っては2週連続となっています。同曲がタイトルに用いられたソウルでのライブ、【PERMISSION TO DANCE ON STAGE - SEOUL】の影響がはっきりと示された形です。

注目は英語詞曲だけではありません。【PERMISSION TO DANCE ON STAGE - SEOUL】で披露された多くの曲が日本のSpotifyデイリーチャートで上昇しています。日によって一部セットリストは異なりますが(3月10日開催の初日分は上記オリコンの記事を参照)、開催前日は200位以内に10曲だったエントリー数が開催以降12→18→20→22曲と推移。3日間のライブ開催の翌日となる14日にはさらに2曲増えて24曲となっているのです。

以降は緩やかにダウンしていきますが、日本における最新3月16日公開のSpotifyデイリーランキングでは200位以内の1割強をBTSが占めることに。ビルボードジャパン最新ソングスチャートの集計期間最終日までのSpotifyの推移からは、英語詞曲の再浮上が見て取れます。

BTSは3月10日と13日の公演をライブストリーミングで、12日は映画館でライブビューイングを実施(BTS、「PERMISSION TO DANCE ON STAGE – SEOUL」3/12公演を全国348館の劇場でライブビューイング | Musicman(2月17日付)参照)。多くのファンを魅了しています。ライブの余韻に浸りたいとサブスクサービス等を用いたことで数多くの曲が上昇したと考えるのは自然なことで、ファン作成のプレイリストも散見されました。

そしてそのサブスクサービス側でも展開が。

Spotify側が各歌手の代表曲をまとめた"This Is"プレイリストでは現在、『Feel the heat of the PERMISSION TO DANCE : ON STAGE once again! Join A.R.M.Y's energy by listening to PERMISSION TO DANCE : ON STAGE setlist!』と紹介されています。つまりセットリストを意識したプレイリストであり、それをBTSが公式で紹介しているというわけです。代表曲に触れたいとするライト層にもリーチし、上昇につながったと言えるでしょう。

このセットリストのプレイリスト化がSpotifyもしくはBTS、どちらの発案なのかは判りかねますが、少なくとも日本では間違いなく大きな影響を及ぼしたと言えるでしょう。BTSのコアファンの規模を踏まえれば上昇は自然とも言えますが、ライブ初日終了時にアップロードすることで観た方の感動を再燃させ、これから観る方の期待感を高め、そして曲の勢いを維持していく効果をもたらすこの手法、実に見事ではないでしょうか。

 

日本の音楽業界は BTSの事例から、ライブツアー終了時ではなくその最中にでもセットリストを別途プレイリストとしてアップすることも視野に入れる必要があるかもしれません。尤もネタバレと指摘されるかもしれないため、ライブを観た方だけが入れる形が採れるならばいいかもしれません。そしてツアー終了後には"This Is"プレイリストをライブ仕様にすることも検討してはいかがでしょうか。