最新7月7日公開(7月12日付)ビルボードジャパンソングスチャートではYOASOBI「夜に駆ける」が5位に躍進。ポイントが前週から5割増となり、トップ10内には3週ぶり、トップ5となると4月21日公開(4月26日付)以来2ヶ月半ぶりに返り咲きを果たしました。
「夜に駆ける」が躍進を果たした理由は、合算にあります。
7月2日に配信リリースされたNTTドコモ「ahamo」のCMソングであるYOASOBIの「三原色」は、3日間のみの計測日数で49,769DLをマークしてダウンロード1位となり、同指標が牽引して総合4位スタートとなった。また、同日には「夜に駆ける」の英語バージョンとして「Into The Night」の配信も開始。原曲の言語違いであるため、「夜に駆ける」と合算され、ストリーミングが前週6位から2位、ダウンロードが23位から2位、Twitterは100位圏外から21位など、こちらもダウンロードを中心にポイントを大きく伸ばした。
(個人的に強調したい箇所を太字にしています。)
この合算については、対象と思われながらもビルボードジャパンがこれまでチャート説明時等にてそのチャートポリシーを明言することがほぼなかったはずであり、その明示を願うエントリーを記載したばかりでした。
【#イマオト ブログ更新】
— Kei (@Kei_radio) 2021年7月2日
昨日リリースされた #YOASOBI「#IntoTheNight」。「#夜に駆ける」の英語版ですが言語以外に変更はなく、2バージョンがビルボードジャパンで合算される可能性が高いでしょう。しかしその基準は曖昧ゆえ @Billboard_JAPAN に基準の明確化を求めます。https://t.co/YiTYQkOxT9
ポッドキャストでも、言語のみが異なりアレンジが共通する曲は合算されることを明言しています。
様々な例を用いて合算する/しないについての基準を明確化することが最も必要であるとは考えていますが、まず言語違いについてアナウンスされただけでも大きいと感じています。
それにしても、YOASOBIの動きには驚かされます。
【早くも英語版第二弾!】
— YOASOBI (@YOASOBI_staff) 2021年7月7日
リリースしたばかりの新曲「三原色」の英語版、その名も「RGB」を来週7/16(金)に緊急配信します⚪️
初解禁は7/13(火)24時〜の #YOASOBIANNX にて!
爆速ikrapがやみつきになります。お楽しみに!https://t.co/VqeV6nJakO
日本語版はコチラ🔴🟢🔵https://t.co/KibzAmQvvx pic.twitter.com/WyPGlgbpBh
「三原色」は最新7月7日公開(7月12日付)ソングスチャートで4位に初登場。月曜集計開始のチャートにおいて金曜解禁は不利な状況ながら、ユニクロとのコラボレーションや配信ライブの影響で好位置につけているのは立派です。
「三原色」の英語バージョンが初加算(合算)されるのは再来週7月21日公開(7月26日付)。次週は配信ライブの余韻でポイントのキープもしくは上昇が予想できるため、初登場から3週続けて好調を保つものと思われます。
さらには米ビルボードによるグローバルチャートの動向にも注目です。グローバルチャートは主要デジタルプラットフォームでのストリーミングおよびダウンロードで構成され、複数のバージョンが合算対象となる金曜集計開始のチャート(上記ブログエントリー参照)。最新7月10日付で「夜に駆ける」は65位に入っており、次週は英語詞である「Into The Night」の一週間フル加算を受けて上昇することは間違いないでしょう。
YOASOBIが7月にリリースする作品群はいずれも金曜解禁であり、海外の一般的なリリース日を見据えていると言えます。英語詞曲は日本においてもチャートアクションに有効に作用することから、YOASOBIは新たな鉱脈を見つけたと言えるかもしれません。
最後に。「夜に駆ける」は自死をテーマにした作品と言われています。原作となった『タナトスの誘惑』も同様です。5月にはこのような状況も発生し、またブログ執筆時点となる7月9日金曜朝の時点で再度規制が登場しています。
これを踏まえ、以下のリンク先を追加します。このようなテーマの作品を取り上げた際、記載していきます。
YouTubeでの規制を不服とする方は少なくないでしょう。しかし自死を誘発する危険性がある以上、個人的には規制を支持します。
日本のエンタテインメント業界においては、アメリカにおけるペアレンタルアドバイザリーのような規制措置がありません。業界全体でこの規制の是非や事前アナウンスを導入するかについて、一度議論してほしいと強く願います。